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20世紀の幽霊たち の商品レビュー

3.6

42件のお客様レビュー

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2010/02/24

批評家諸氏大絶賛の短篇集。短篇においては父キングを凌駕との評も。正直なところ、そこまで・・?と思わないでもないが、これがデビュー作であること、作品が粒ぞろいであることを考えれば、うなずけるかも。17作収録。 一番不気味だったのは、ホラー・アンソロジストを主人公とした「年間ホラー傑...

批評家諸氏大絶賛の短篇集。短篇においては父キングを凌駕との評も。正直なところ、そこまで・・?と思わないでもないが、これがデビュー作であること、作品が粒ぞろいであることを考えれば、うなずけるかも。17作収録。 一番不気味だったのは、ホラー・アンソロジストを主人公とした「年間ホラー傑作選」。作家キルルーとその兄弟、怖い。ホラー映画にできそう。ラストでの主人公のセリフもきまっている。 空気人形が親友という突飛な設定ながら、哀切に満ちた友情譚の「ポップ・アート」(空気人形といえば、業田良家の漫画を思い出す。こちらも悲しさに溢れていたなぁ)。えぐい話だけれど、変身前のフランシスの学校でのエピソードがきいている「蝗の歌をきくがよい」、狂気か否か、曖昧さを残しながら、それが息子へも伝播したかもと思わせて怖い「アブラハムの息子たち」、父と息子の交情を描いた「うちよりここのほうが」、主人公の落ちて行く先が見えて、可哀相でたまらなくなる「挟殺」、不思議な雰囲気の「末期の吐息」(落ちでニヤリ)、読んでいる方も迷路にはまり込んで息苦しくなるような「自発的入院」がよかった。 「黒電話」は、削除部分があった方が、めでたしめでたしで終わらない不穏さをより感じさせるように思う。 孤独感や疎外感、言いたいことを言えないもどかしさを抱いたナイーブな人物造形と、色彩感覚溢れた叙情的な描写が印象的。 ――20th Century Ghosts by Joe Hill

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2009/10/04

朝日新聞の書評で大絶賛だったので、期待して読み始めたところ、「普通やん」という感じ。ところが、真ん中あたりから本を持つ手に力が入ってきた。大絶賛の呪縛から解き放たれ、どんどんレベルが上がっていく心地よさ。確かに絶賛したくなる気持ちもわかる。 好きなのは「黒電話」「末期の吐息」「自...

朝日新聞の書評で大絶賛だったので、期待して読み始めたところ、「普通やん」という感じ。ところが、真ん中あたりから本を持つ手に力が入ってきた。大絶賛の呪縛から解き放たれ、どんどんレベルが上がっていく心地よさ。確かに絶賛したくなる気持ちもわかる。 好きなのは「黒電話」「末期の吐息」「自発的入院」。ホラーではない「うちよりここのほうが」「ボビー・コンロイ、死者の国より帰る」もいい。 キングと比べると? ちょっとつらいところ。

Posted byブクログ