自動車絶望工場 の商品レビュー
1972年、某自動…
1972年、某自動車工場で自ら季節工として働いた体験のルポタージュ。書かれていることが本当なら、たしかにひどい。経常利益一兆円を達成した、某自動車工場の現状はどうなんだろう?
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ベルトコンベア作業の…
ベルトコンベア作業の非人間性に著者は焦点をあてているが、僕はそこよりもトヨタ本社の増産計画が現場の工場・作業員たちにどのように受け止められていたのかや、ある意味がないような労働組合、自衛隊とトヨタの蜜月関係、上司からの命令に反抗しながらも始業ベルが鳴ってしまうと黙々と働く作業員と...
ベルトコンベア作業の非人間性に著者は焦点をあてているが、僕はそこよりもトヨタ本社の増産計画が現場の工場・作業員たちにどのように受け止められていたのかや、ある意味がないような労働組合、自衛隊とトヨタの蜜月関係、上司からの命令に反抗しながらも始業ベルが鳴ってしまうと黙々と働く作業員というところに興味を持った。増産計画というのは結局のところベルトコンベアのスピードを上げることに他ならないのだが、嫌だ嫌だと言いつつ結局受け入れてしまう作業員たちというところは、非常に日本らしいと思う。
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鎌田慧は1936年青森県弘前市生まれ、まだご存命で、現在85歳だ。Wikiでの「職業」の紹介は、ルポライター・社会活動家となっており、数多くのルポルタージュを書かれている。 本書はルポルタージュの古典的傑作として名高い作品だ。 筆者は、1972年9月から1973年2月までの約半年...
鎌田慧は1936年青森県弘前市生まれ、まだご存命で、現在85歳だ。Wikiでの「職業」の紹介は、ルポライター・社会活動家となっており、数多くのルポルタージュを書かれている。 本書はルポルタージュの古典的傑作として名高い作品だ。 筆者は、1972年9月から1973年2月までの約半年間、トヨタのトランスミッション製造工場で期間工として働く。本書は、その間の経験を、日記形式で綴ったルポルタージュである。 ベルトコンベアが流れるトランスミッション製造現場は、生産レートを限界まで上げているため、常に時間に追われ、肉体的に限界に近いくらいきつく、仕事は単純作業の繰り返しでやりがいはなく、生産を優先するために安全に難がある。給料は良いのだろうが、そこで働く人間は、日々、心身を削られ、退職率が高く、常に穴埋めのために人を募集している。ルポルタージュには、筆者自身や周囲の人たちが、日々消耗していく様子をリアリティを持って(体験しているのだからリアリティは当然ある)描かれている。読んでいて面白い話ではないが、職場・工場がどのようなところなのかが、手に取るように理解できる。 筆者が期間工として体験的に工場勤務してから50年以上が経過している。今の職場の様子がどのようなものなのかは分からないが、50年前の自動車会社では、第一線の現場労働者を酷使することによって、利益が出ていたのだということが理解できる。
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この本を見て思考停止になると思うな… まあわかるだろうけどこの手の求人が いまだにあるのは周知の事実。 きれいな表面の裏には…ということで いまだにこれに類ずることはあると思うんだ… まさにその光景は地獄。 まるでロボットのごとく、同じ作業を延々と… そして残業は日常茶飯事。 事故も… あの場所は数多くの涙と血が流れてる…
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新自由主義に転換する前の体制という比較的な視点で読む。いわゆるフォーディズム・トヨティズム。しかし、この頃からすでに季節工、臨時工など、雇用の流動化が始まっている。組合が資本の側に取り込まれている様が書かれている。著者とその他の労働者が連帯しているところにまだ希望を感じる。今は、...
新自由主義に転換する前の体制という比較的な視点で読む。いわゆるフォーディズム・トヨティズム。しかし、この頃からすでに季節工、臨時工など、雇用の流動化が始まっている。組合が資本の側に取り込まれている様が書かれている。著者とその他の労働者が連帯しているところにまだ希望を感じる。今は、と考えると、孤立化され自己責任が内面化された新自由主義体制のもとで、Amazonやウーバーイーツの組合ができていることに、もっと注目しなければならないと感じる。
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著者が青森県弘前市出身ということで読んでみた。 自分はいまブルーカラーではないけど、搾取される労働者として共感できる部分(「あるある」的な)はあった。 ・優秀な人から辞めていく ・労組が機能していない など 今となっては株式時価総額日本一となるために必要なことだったのだろうと...
著者が青森県弘前市出身ということで読んでみた。 自分はいまブルーカラーではないけど、搾取される労働者として共感できる部分(「あるある」的な)はあった。 ・優秀な人から辞めていく ・労組が機能していない など 今となっては株式時価総額日本一となるために必要なことだったのだろうと考えるしかなく、また、今もなお世界のどこかで同じように労働している人がいるだろう。
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ルポライターが取材のために半年間、季節工として経験した事実が書かれている。 工場のラインに従事する者、したことのある者からは非常に共感できる。 著者はこの現実を変えたいと強く願っているのでもなく、個人批判をしているわけでもない。純粋に多くの人に事実を知ってほしいという願いだと...
ルポライターが取材のために半年間、季節工として経験した事実が書かれている。 工場のラインに従事する者、したことのある者からは非常に共感できる。 著者はこの現実を変えたいと強く願っているのでもなく、個人批判をしているわけでもない。純粋に多くの人に事実を知ってほしいという願いだと感じた。 名著である大野耐一の「トヨタ生産方式」はこのような過酷な中で成り立っていたこともわかる。 収容所という比喩を使われているが、大きな違いは自分の意志で逃げる自由がある。季節工の半分以上は契約満了前に去っていく。 辞めていくほうが普通の人間なのだ。 そして最下層からの視点で労働組合も語られている。もはや日本では本当に強い組合などなく、「強く見える組合」も会社に操作されているということになる。労働者の見方とは言い難い。 正義感をもって会社にたてつこうとする者は、会社からも組合からも排除される対象になるということだ。
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面白かった。 最近、経済の本をちょこっと読んでるけど、 資本主義の行きつく先はここなのか? と思ったりもする。 だからこそ、政治でうまくカバーするのが大事なんだろうけど ちなみに印象的だったのは、 働いても何の技術も得られず、ほかの仕事に就こうとしてもなんのスキルがないというこ...
面白かった。 最近、経済の本をちょこっと読んでるけど、 資本主義の行きつく先はここなのか? と思ったりもする。 だからこそ、政治でうまくカバーするのが大事なんだろうけど ちなみに印象的だったのは、 働いても何の技術も得られず、ほかの仕事に就こうとしてもなんのスキルがないということ あと、仕事がひたすらつらそうなこと そうやって考えると、 私の今の仕事は恵まれてるし、ただ、言われたことをやるんじゃなくて、 つねにプラスアルファを求めながらやることこそが、 仕事を楽しめるんじゃないかと思う
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いい本だった40年以上経った今でも色あせないルポ。ホワイトカラーと現場を支えるブルーカラーが対立するのではなく、ブルーカラー同士の対立軸を作る企業のトップダウンで決められる限界に追い詰められ単純作業のルーティンワーク。ヒエラルキーの典型という企業に身を潜め工員の指の切断や残酷な描...
いい本だった40年以上経った今でも色あせないルポ。ホワイトカラーと現場を支えるブルーカラーが対立するのではなく、ブルーカラー同士の対立軸を作る企業のトップダウンで決められる限界に追い詰められ単純作業のルーティンワーク。ヒエラルキーの典型という企業に身を潜め工員の指の切断や残酷な描写で描かれ危険と隣り合わせの限界の作業。現場に入り込まないと書けなかった体感が味わえた。秀逸の参与観察のなせる作品です。
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この本が学生時代の課題図書として読んだ本です。 当時の期間工体験のルポルタージュです。 日記帳になっており、作業の過酷な様や、職場のヒューマニズムなどを、著者の主観を織り込みながら描かれてます。 良くも悪くもこの本は、自分の人生の影響を与えました。
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