宇宙船ビーグル号 の商品レビュー
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ダーティー・ペア(クァール)、歌の降る星(ネクシャリスト)、コブラ(反加速装置)、エイリアン(全体的なプロット)の元ネタ。こうして並べてみるとすごい影響力だな、こりゃ。無能な専門科学者対情報総合学者という対立の構図は、はっきり言って古くさいんだけど、厳密には全然科学的じゃないくせに、SF者のツボを突きまくるプロットは今の時点でもさすが。 リイム人とのところでは、異なる文明の接触におけるコミュニケーションの不可逆性という「ソラリスの陽のもとに」的なテーマもすでに見られるし(レムってなんか気難しそうなんだけど、そのくせ実はメチャヴォクトのファンだったりしたら笑うなあ)、人間の体に卵を産みつけたりするところからしてイクストルの部分は完全に「エイリアン」。それもこっちの方がずっと手強い。なんせ壁もすり抜けちゃうし、真空でも生きていられるってんだから。そのわりにクァールもイクストルも間抜けな方法でやられちゃうんだけど。アナビスなんて完全にケントとグローブナーの対立の方がメインになってるもんな。怪物を空間転移させられるようなガス生物なんて設定おいしいと思うんだけど。もっと引っ張ってもいいのになあ。それとあの2人の対立が、「エイリアン」ではアンドロイドのアッシュに象徴されているという気もするな。 しかし、SF的な意匠をはずすと、最初は他の科学者から相手にされなかったグローブナーが、段々と他の科学者に認められていくっていう話だから、一種の出世ものと言えるのかな?さしずめケントは主人公の邪魔をする意地悪な副社長ってところか(ケントになぜ人気があるのかという分析がちゃんとあって、ヴォクトは冷静)。グローブナーが船内で原子力を使ったり、乗員全員に催眠術をかけて船を接収したりと、何かというと過激な手段を提示するのがなんかおかしいけど、でもSFに限らずこういうヒーローの描き方ってよくあるよな。そこがみんな面白いと思うのかも子れないけど、俺個人としては、こういう方法論をSFに持ってくるのはあんまり好きじゃないんだけど。ブリンの作品みたいにエンタテインメントだと思って単純に楽しめばいいのかもしれないけど、それにしては出てくるアイディアが魅力的過ぎる。 解説で訳者の浅倉さんがベスターやディレイニーにも影響を与えた、ワイドスクリーン・バロックの父みたいに書いてるけど、このできならそれもうなずける。ベイリーのとっちらかった雰囲気もいいけど、一般性という意味も含めて完成度はこっちのほうが上。ただ、中学生ぐらいのもっと若いときに読みたかった。なんかあら探しをするような読み方をしちゃって、素直に楽しめない自分がちょっと悲しい。 イクストルの卵が6個であることを人間側が知ってるのは、どう考えても変。作者のミスでしょう。
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本作品から見えた幻覚はリドリー・スコットの映画『エイリアン』、『伝説巨神イデオン』、『ジョジョの奇妙な冒険』の柱の男と大統領、『マップス』、『魔宮バビロン』。 『魔宮バビロン』が見えているあたり、オチはアレである。 しかしクァールとイクストルを創造したことは筆舌に尽くしがたい人類への貢献であろう。
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SFの定番。読んでると、宇宙生命より船内抗争の方が気になってしまいましたが、最初に登場する黒い猫型獣のクァールが私のお気に入りです。
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中学生の頃、初めて読んだSF小説。この小説の主人公グローヴナーの総合情報科学者という職業に憧れました。登場する宇宙怪物のスケールも違うし、宇宙船の社会構造も細かく描かれていて、とてもリアルな感じだったのを覚えている。再読したい一冊です。
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マスターピースかと思い手に取った、初ヴァン・ヴォークト。ヴァン・ヴォークトという名前からして小難しそうなイメージを持っていたが間違っていた。面白かったです。
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乗員1000人の巨大探査船という設定にクラクラする。宇宙怪物との4番勝負も趣向に富んで面白いし、軍人と科学者で構成されているクルー間の確執のドラマもいい。古き良き時代のSF小説!
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ヴォクトの怪物視点の物語 表紙 6点野中 昇 展開 6点1950年著作 文章 5点 内容 590点 合計 607点
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ウェルズの「宇宙戦争」から見れば新時代のモンスターを描写したSFだったのだろうが、今や古典と言っていいほど後続の作品からパクられている(特にクァールとイクストル)ので新鮮味は薄い。 だがモンスターSFを語る上で避けては通れない作品だろう。 単純に出現するモンスターの種類も多いし...
ウェルズの「宇宙戦争」から見れば新時代のモンスターを描写したSFだったのだろうが、今や古典と言っていいほど後続の作品からパクられている(特にクァールとイクストル)ので新鮮味は薄い。 だがモンスターSFを語る上で避けては通れない作品だろう。 単純に出現するモンスターの種類も多いし。 しかし描写が凡人の想像力を超えていてなかなかモンスターの姿が掴みにくい。 以前「SFモンスター画集」でイクストルを見たら想像していたものとかなり違っていて戸惑った。 表紙絵に一体でも登場していたらなあ。
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原著は1950年発表の連作SF。恒星間飛行を行う宇宙船を舞台に、共通の外敵と戦う科学者たちの姿を描いたもの。 主人公グローヴナーは、船内唯一の情報総合学者として、化学者、天文学者、物理学者、数学者、考古学者など各種専門家の持つ知識の統合を図る。しかし、新興の学問であるためにその...
原著は1950年発表の連作SF。恒星間飛行を行う宇宙船を舞台に、共通の外敵と戦う科学者たちの姿を描いたもの。 主人公グローヴナーは、船内唯一の情報総合学者として、化学者、天文学者、物理学者、数学者、考古学者など各種専門家の持つ知識の統合を図る。しかし、新興の学問であるためにその発言力は低く、グローヴナーの献策が受け入れられないまま危機は拡大する。 循環史観、原子力兵器など当時の空気を思わせるタームがてんこ盛り。ハードSFの雰囲気を持ちながらも、スペースオペラの情緒的な書きぶりでサラリと読める。 未知の情報伝達手段を持つ生物を前にしたグローヴナーの思考。 ⚪︎どうすれば、ひとの心に影響を与えられるか?相手の物の認識を変えればいい。どうすれば、ひとの行為をあらためさせられるか?相手の基本的信念と情緒的信仰をくつがえしてやればいい。
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異星生物がユニークでカッコいい。 ただそれだけヽ( ´ー`)ノ 異星生物の描写は本当に独創的で、後のSFのネタ元になったという評価もうなずけるんですけど、それ以外に面白いと感じられるポイントがありませんでした。 乗組員同士の確執が物語のもう一つのポイントになっていますが、展開が...
異星生物がユニークでカッコいい。 ただそれだけヽ( ´ー`)ノ 異星生物の描写は本当に独創的で、後のSFのネタ元になったという評価もうなずけるんですけど、それ以外に面白いと感じられるポイントがありませんでした。 乗組員同士の確執が物語のもう一つのポイントになっていますが、展開が単純過ぎてご都合主義全開(^_^;わかりやすいのはいいんですけどね・・・。 たぶん、10代男子なら面白く読めると思います。
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