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天使のナイフ の商品レビュー

4.1

407件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2011/01/30

かつて、妻をある少年団に殺された桧山。少年法という法律を盾にされ、一切の怒りの矛を加害者に向けられない無念さに心を砕かれる。そんな苦悩を抱えつつ、1児の愛娘と暮らしてきたわけだが、とある事件をきっかけに加害者少年らは果たして更生したのか、という疑問を抱き、捜索に乗り出すが……。と...

かつて、妻をある少年団に殺された桧山。少年法という法律を盾にされ、一切の怒りの矛を加害者に向けられない無念さに心を砕かれる。そんな苦悩を抱えつつ、1児の愛娘と暮らしてきたわけだが、とある事件をきっかけに加害者少年らは果たして更生したのか、という疑問を抱き、捜索に乗り出すが……。というミステリー。 「風紋」で被害者・加害者関係者の心理について考えさせられたばかりという状態で、この本を読むとは運命的なものを感じざるを得ません。 俺も昔は少年法を研究してみたいという志を抱えて、法学部の門を叩き、石橋を叩いて単位を着実に取得した頃には、そんな志を橋の遥か向こうに忘れて卒業したものです。 軽いレビューで語ることを許されないような重厚感溢れたテーマは読みごたえバッチリ。 その上、話の疾走感もあって面白かった。

Posted byブクログ

2012/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

少年犯罪と、事件の被害者、加害者、その家族。 なぜ妻は殺されたのか。 自分の無実を晴らすうちに、過去の事件の真実がわかってくる。 事件には加害者と被害者だけじゃないんですよね。 それはほんとにそう思います。 少年犯罪については、サカキバラ事件のときに、憤りを感じた人は多かったと思うけれど、この本読むと、ほんとに切ない。 罪を犯した人間にも、理由はあるのだけど、私は犯罪者はやっぱり犯罪者なんだと思うのです。 どんな理由があるにせよ、傷つけられていい人間なんて作っちゃいけないんだと思うんです。 殺されていい人間なんていていいわけないんです。 情状酌量って言葉は、被害者の家族にはあるべき言葉じゃないと思うし。 考えてしまいます。 ループです。 だからどこに行き着くかって考えると、やっぱり罪を犯そうとする手前で、踏みとどまってもらうしかないんだなとなってしまうんですね。

Posted byブクログ

2011/01/18

私が薬丸氏と出会った奇跡の1冊。 出会えて良かった! 複雑に絡み合った3つの未成年の犯罪。 推理して自分で暴く、というのは出来ないのですが 絶対に読んだ方がいい、また少年犯罪について色々考えさせられる1冊です。

Posted byブクログ

2011/01/14

少年犯罪と被害者について考えさせられる。 ストーリーも素晴らしく、あっという間に読了。 やはり乱歩賞は外れがないと実感。

Posted byブクログ

2010/12/15

重いテーマなわりにじっくり読むというよりは、さらっと一気読みできる作品でした。 予想外な展開が次々と起こり、全体的によくできてるなーという印象でした! ただ少し読み終わった後にやりすぎ感がありました…。

Posted byブクログ

2011/01/02

素晴しい! 多少盛り込みすぎかとも思わないでもないが、 そんなことはもういいや、というくらいグイグイひきつけられた。 難しいテーマをかなり見事に書ききった会心の一作!

Posted byブクログ

2011/01/07

ここまでは読めなかった。その辺の少年犯罪モノのような理不尽さがあまりなくて非常に好印象。後半はイッキに読みました。

Posted byブクログ

2010/11/22

被害者家族の心情をこれでもかというほど細かく描写している作品。 少年法への問題定義もしています。 いろいろなことが細かく細かく絡みあっているんですが、文章は読みやすくスラスラと読めます。 とても面白かったです。

Posted byブクログ

2010/11/08

妻を3人の少年によって殺された桧山の心の葛藤が物語のテーマで 話は進んでいく。 妻を殺した少年達が順番に殺される事件が起こり、桧山が疑われる ところから物語はドンドン展開していき、ただの登場人物たちが 次々に物語の中心になり、ドンデン返しのクライマックスへと つながっていく! ...

妻を3人の少年によって殺された桧山の心の葛藤が物語のテーマで 話は進んでいく。 妻を殺した少年達が順番に殺される事件が起こり、桧山が疑われる ところから物語はドンドン展開していき、ただの登場人物たちが 次々に物語の中心になり、ドンデン返しのクライマックスへと つながっていく! 終章の前章で物語りは完結したように見え、終章は補足的な感が 通常であるが、終章でまた「あっ!」と言わせてくれる! 少年犯罪という思いテーマがメインなだけに、途中心の葛藤を 記している部分が多く、ミステリー?と思うような時間を結構費やす。 重く展開が速い訳ではないが後半次々に過去の事件が露になり だらけることなく読めた。

Posted byブクログ

2010/11/08

乱歩賞。同じ乱歩賞の翳りゆく夏が面白かったので、これも読んでみた。なんていうか、素晴らしくよくできてるなー。伏線もよかった。でも祥子の過去が明らかになっていっても変わらず祥子を聖女みたいに思ってる主人公って、なんか「男」なんだなあって感じだった。でてくる人たちが皆、なんらか犯罪に...

乱歩賞。同じ乱歩賞の翳りゆく夏が面白かったので、これも読んでみた。なんていうか、素晴らしくよくできてるなー。伏線もよかった。でも祥子の過去が明らかになっていっても変わらず祥子を聖女みたいに思ってる主人公って、なんか「男」なんだなあって感じだった。でてくる人たちが皆、なんらか犯罪にかかわってるってところが、怖いなあと思った。すべての犯罪が、この人たちの中で完結してることが、なんていうかこわい。世の中、犯罪に全く関わらない人たちと、そうでない人たちってのがある気が前からしてて、まさにそうだな、って思ったから。

Posted byブクログ