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寺社勢力の中世 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/07/14

『平家物語』などを読んでいた時にうっすら感じていた違和感がこれで解消した。 「誰か忘れている、描かれていないファクターがあるのではないか?武士·大名、朝廷や幕府以外で描かれていないものがあるよなぁ」 それが寺社勢力。軍事力を持ち、朝廷や幕府に影響しながらもそれに深く介入して滅ぼさ...

『平家物語』などを読んでいた時にうっすら感じていた違和感がこれで解消した。 「誰か忘れている、描かれていないファクターがあるのではないか?武士·大名、朝廷や幕府以外で描かれていないものがあるよなぁ」 それが寺社勢力。軍事力を持ち、朝廷や幕府に影響しながらもそれに深く介入して滅ぼされることもない。 叡山門前の京都、各地に商工業、金融、軍事の一大センターである寺社勢力があった、その詳しい姿がを知ると歴史や物語の見方が広がってくる。 根来衆や高野山叡山三井寺の軍事力はなんとなくわかっていたけど、それを深堀りすると、民衆史経済史として中世やその前後にかなり大きな影響をしていたことがよくわかった。

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2022/12/22
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他の方の感想と同じになるが、網野善彦の無縁から発展させて寺社勢力に着目したとても興味深い本。 中世資料がほとんど寺社にしかないとは知りませんでした。 京都祇園社まで延暦寺だったとも知りませんでした。 目から鱗が何枚も落ちたが、その割に凄くいい本のときに感じるオーラがないのは何故だろう。 網野善彦の異形の王権なんかはオーラ感じまくりだったのだが。 著者の思い入れや主観が入りすぎているためかもしれない。 勉強にはなったが、今ひとつ入りきれなかった。

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2019/09/29
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中世の主役は、幕府でも朝廷でもない。 江戸時代以後の歴史書は、中世史を幕府と朝廷の対立としか描いてこなかった。その姿勢そのものが間違っている。・・・史料の圧倒的な豊富さはもちろん、経済シェアや巨大な武力など、寺社勢力の存在の大きさは、専門家なら知らないはずのない事柄ばかりなのだが・・・・・ 南北朝時代の本を読んでいるうちに、寺社勢力をもっと知らなければと購入した本です。 恥ずかしながら、中世の寺社勢力がこれほどにまで大きいものだとは知りませんでした。 無縁・有縁・移民・公界など、寺社をなくしては語れない要素がたくさんあります。 公家や武家(幕府)も、寺社勢力を利用したり圧迫したりしながら権力を保っていたともいえるかもしれません。 「なるほどー!」と思える1冊です。

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2017/01/12
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2008年刊。元文化庁記念物課技官・元長岡造形大学教授。◆網野善彦氏の提唱する宗教のアジール性に依拠する無縁概念。これを政治的勢力に擬してみたらどう見えるか。本書は祇園社や叡山等、無縁勢力の中でも巨大勢力を具体的に分析することを通じ、中世の無縁対有縁の対立構図を具体的に切り取る。中でも、寺社勢力の経済力の源泉に言及があるのは特異(金融業・市場掌握・軍需産業・さらには建築業)。◆ただ、その解体過程がやや雑駁。大まかに無縁所のアジール性が徐々に消失(それに寄与したのが戦国大名との軍事衝突)と言うに止まる。 ◆とはいえ、あまり言及されてこなかった経済力の具体的源泉(この点は中世の徴税システムも同様だが、本書はここは乏しいかも)に言及ある点は意義深い。更には言えば、有縁勢力の経済力の源泉・徴税システムにも言及された書を見てみたいところ。

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2014/03/07

日本中世史における寺社(特に比叡山や高野山といった大規模寺院)と、その支配地に発生した「境内都市」についての新書。 中世の寺社の経済的側面を強調し寺社内部の権力構造を解き明かすことによって、所領内に多くの「無縁の人」が流入する事によって都市的共同体が発生し、その大きな軍事力・経済...

日本中世史における寺社(特に比叡山や高野山といった大規模寺院)と、その支配地に発生した「境内都市」についての新書。 中世の寺社の経済的側面を強調し寺社内部の権力構造を解き明かすことによって、所領内に多くの「無縁の人」が流入する事によって都市的共同体が発生し、その大きな軍事力・経済力を行使することによって朝廷や幕府といった政治プレイヤーにも大きな影響力を及ぼしていたことを明らかにしています。 これによって網野善彦氏によって注目された「無縁/苦界/楽」といった存在について、伊藤氏は従来考えられていたよりももっと強い影響力を持っていたのだということを主張しています。 基本的には東大寺文書や高野山文書等の寺社由来の文書に依拠し、「吾妻鏡」や「太平記」といった年代記に記載されていない『民衆の歴史』を明らかにしています。この文書から再構築されている中世の世界は名も無き人々が集まり蠢きあう世界です。軍記物語では決して光の当たらない部分にも、世界は存在しており、それはむしろ飾られた歴史よりも強固な構造を持っているように感じられました。 しかし、境内都市として本書で取り上げられた事例については基本的に畿内の例がほとんどです。 例えば網野氏が注目した農業民以外の常民の世界は、都市民にかぎらず海民や狩猟民、漂流者といった様々な人々に光を当てていました。それに比べると大寺社とその境内に暮らす人々をフォローアップするだけでなく、地方における境内都市の有り様についてもっとクロースアップすることで、無縁世界の影響力が遍く広がっていたことがわかるのではないかと考えます。 最後に、著者自身は境内都市については先行研究は存在せず自らがこの分野を切り開いたということにかなり強い矜持を持っていらっしゃるようで、そういった記述が中世の無縁世界を純粋に知りたい人間には正直邪魔だったなと思いました。

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2014/02/08

中世の見方がまるで変わった、というか、揺さぶられ、変えさせられたと言うべき。 インパクトのあった一冊。

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2011/06/13

網野善彦氏の名著「無縁・公界・楽」から、 さらに「無縁」について踏み込んで論じている良本。 「無縁の世界」である中世の寺社を宗教施設としてではなく、 経済活動の拠点である「境内都市」として捉えることで、 従来の政治的な視点ではなく、 経済的な視点から「中世」という時代をとらえな...

網野善彦氏の名著「無縁・公界・楽」から、 さらに「無縁」について踏み込んで論じている良本。 「無縁の世界」である中世の寺社を宗教施設としてではなく、 経済活動の拠点である「境内都市」として捉えることで、 従来の政治的な視点ではなく、 経済的な視点から「中世」という時代をとらえなおしている。 個人的には室町以前の混沌とした状況における寺社の役割についての部分が面白い。

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2014/10/27

[ 内容 ] 日本文明の大半は中世の寺院にその源を持つ。 最先端の枝術、軍事力、経済力など、中世寺社勢力の強大さは幕府や朝廷を凌駕するものだ。 しかも、この寺社世界は、国家の論理、有縁の絆を断ち切る「無縁の場」であった。 ここに流れ込む移民たちは、自由を享受したかもしれないが、そ...

[ 内容 ] 日本文明の大半は中世の寺院にその源を持つ。 最先端の枝術、軍事力、経済力など、中世寺社勢力の強大さは幕府や朝廷を凌駕するものだ。 しかも、この寺社世界は、国家の論理、有縁の絆を断ち切る「無縁の場」であった。 ここに流れ込む移民たちは、自由を享受したかもしれないが、そこは弱肉強食のジャングルでもあったのだ。 リアルタイムの史料だけを使って、中世日本を生々しく再現する。 [ 目次 ] 序章 無縁所?駆込寺と難民 1章 叡山門前としての京 2章 境内都市の時代 3章 無縁所とは何か 4章 無縁VS.有縁 終章 中世の終わり [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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2010/05/30

10年4月10日開始 10年4月24日読了  日本の中世は朝廷(貴族)と幕府(武士)の権力争いと認識していた身には目から鱗の本。

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