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インターセックス の商品レビュー

3.7

84件のお客様レビュー

  1. 5つ

    19

  2. 4つ

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  3. 3つ

    34

  4. 2つ

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2011/01/31

何をもって男性、女性の区別をすべきなのか、またする必要はあるのかを問うた話題作である。 インターセックスがテーマであるが読み進めるにつれ、医師の要件とは何か、マイノリティは悪いことなのか、について考えさせられた。 冒頭は昨今多くなってきている医療過誤裁判のシーン。今ホットな医...

何をもって男性、女性の区別をすべきなのか、またする必要はあるのかを問うた話題作である。 インターセックスがテーマであるが読み進めるにつれ、医師の要件とは何か、マイノリティは悪いことなのか、について考えさせられた。 冒頭は昨今多くなってきている医療過誤裁判のシーン。今ホットな医療過誤裁判を彷彿とさせる。物語の性質上専門的にならざるをえないが、著者は医師だけあって、無駄なくそして分かりやすく説明がなされているので非常に読みやすい。医療現場などの記述も非常にリアリティがあった。 インターセックスの次自助グループのメンバーの告白シーンは秀逸。胸を打つ。もうこれだけでこの本を買ってよかったと思った。 主人公の性差医療の専門医師が若いのに非常に達観しているというか、立派すぎるのが気になったが、徐々にその理由がわかる仕掛けも心憎い。 難をあげるとすれば、サスペンスの要素かな。 ラストは少々拍子抜けというか・・・。もう少し秘密がかくされているのかと思ったが、それは欲張りすぎかもしれない。

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2011/01/27

 特に産婦人科の領域で高度な医療を誇るサンビーチ病院の院長・岸川卓也に引き抜かれて働くことになった泌尿婦人科医の秋野翔子。ワンマンなところが少なく、職員達の声にも真剣に耳を傾け交流をはかり、常に患者のことや先の医療を見据えて仕事に励む岸川を尊敬していた秋野であったが、過去にサンビ...

 特に産婦人科の領域で高度な医療を誇るサンビーチ病院の院長・岸川卓也に引き抜かれて働くことになった泌尿婦人科医の秋野翔子。ワンマンなところが少なく、職員達の声にも真剣に耳を傾け交流をはかり、常に患者のことや先の医療を見据えて仕事に励む岸川を尊敬していた秋野であったが、過去にサンビーチ病院で亡くなった親友の児島加代の死んだ時の状況を聞き、疑問を抱く。  「エンブリオ」の続編。これ単体でも読めなくはないだろうが、「エンブリオ」で岸川が犯した罪を秋野が追及していく部分も多いので、「エンブリオ」を読んでいないとわからない部分も多い。カミングアウトする人が少なく、人知れず悩む人が多いというインターセックスの人達。私もこういう人達がこんなに多くいるなんて全く知らなかった。染色体が男なのに体つきが女であるとか、ペニスも膣もあるがどちらも未発達でどっちつかずであるとか、細かく分ければその状態は様々であるが、幼い頃から身体にメスを入れられたり、珍しいが故に大勢の医者達の研究材料にされたり、何より誰ともその辛さを分かち合うことができないということで、その悩みはかなり深刻なものである。その分野で医療技術を勉強するだけでなく、まずそういった患者の心のケアを最優先するために、自助グループの立ち上げに力を注ぐ秋野。日本での立ち上げを前に、海外ですでにある自助グループの集まりに顔を出すシーンがあるのだが、そこでの患者達の告白には深く胸をうたれる。性同一障害とはまた違う彼らの悩みに、新たなことをたくさん気付かされる。メインのインターセックスの部分の他に、岸川の過去の罪にも迫らざるをえなくなっていく秋野。結末はきっと賛否両論であると思うが、岸川と共にサンビーチ病院が共倒れになるのはしのびないなぁと思っていたので、私はこの結末はアリだなと思っている。やはり完全なる悪ではないんだよなぁ、岸川。(ただ、自分の子供うんぬんの部分はエゴだなぁと思うけど)。それよりも、最後の秋野の告白の方がどうなの!?と思ってしまった。自分は隠し続けながら活動するつもりだったのか・・・。

Posted byブクログ

2010/11/24

インターセックス=半陰陽、両性具有、まずその発生率の高さに驚いた。それは世間に隠すため。そして、皮膚の色と同じように黒か白かでなく、男か女かでなく、まず人間であること。「エンブリオ」の続編。10.11.24

Posted byブクログ

2010/09/11

既読の「エンブリオ」と世界観がつながっていたのを知らずに読んだが期待にたがわずおもしろかった。ただ帚木蓬生は現代ものだとキャラ造形が薄っぺらくなると思う。ヒロインの完璧超人ぶりはちょっとねーよな。

Posted byブクログ

2010/09/12

サンセットビーチ病院シリーズの第2弾。 それを知らずにコチラを読んでしまった。 ミステリー仕立てなのだけど、実に深い内容。 流石は現役のお医者様が書かれた小説。イ ンターセックスの事はもとより、薬の事、脳移植の事・・・ 知らない医療の現実を少し知ることができた。 この話の舞台とな...

サンセットビーチ病院シリーズの第2弾。 それを知らずにコチラを読んでしまった。 ミステリー仕立てなのだけど、実に深い内容。 流石は現役のお医者様が書かれた小説。イ ンターセックスの事はもとより、薬の事、脳移植の事・・・ 知らない医療の現実を少し知ることができた。 この話の舞台となった生命の誕生を機軸したこの総合病院こそ、 本来のあるべき姿なのかもしれない。 この前作である「エンブリオ」をいつか読もう。

Posted byブクログ

2010/07/11

すごい本。 インターセックス=半陰陽という特徴を持った人たち。 この本を読んで初めて知りました。 年間600人弱の子が、日本で生まれている。 その記述を読んだ時、決して少なくはないと思った。 今後、自分がそういう人と相対する機会があるかどうかはわからないけれど、 もしあった...

すごい本。 インターセックス=半陰陽という特徴を持った人たち。 この本を読んで初めて知りました。 年間600人弱の子が、日本で生まれている。 その記述を読んだ時、決して少なくはないと思った。 今後、自分がそういう人と相対する機会があるかどうかはわからないけれど、 もしあった時、何も知らないで相対するのと、少しでも知っていて相対するのとでは、まったく違うだろうと思う。 そういう意味で、読めてよかった本だと思います。

Posted byブクログ

2010/04/26

両性具有、半陰陽をテーマで扱っている内容です。 現在は、その子が 何もわからないような小さいうちに 両親がどちらかの性別にするか決め、 それに合わせて手術していくという方法がほとんどですが この中では、その子が自分で決められる年齢になってから 本人に決めさせるべき、と書かれてい...

両性具有、半陰陽をテーマで扱っている内容です。 現在は、その子が 何もわからないような小さいうちに 両親がどちらかの性別にするか決め、 それに合わせて手術していくという方法がほとんどですが この中では、その子が自分で決められる年齢になってから 本人に決めさせるべき、と書かれていますね。 ドキュメントではなく、小説として話は進みますが 改めて そういう人達の苦しみや辛さを思い知らされました。 小さいうちに性別を決めて手術するため、 成長する度に繰り返さなければならない手術。 そのため、身体は手術痕だらけ。 そして、研究対象として見られ観察され、恥ずかしい思いをしなければならない。 想像するしかないですが 本当に耐えられない事でしょう。 世界には 成人になっても そのままでいる人も多くなっているとか。 本の中では、そういう人達が集まって 『男性でも女性でもない性』を提唱していこうとします。 このテーマを通して、いろんな事を考えさせられました。 興味がある人にはオススメです。

Posted byブクログ

2011/01/23

インターセックス 半陰陽 身体的にも 心と脳も 男と女の間 どちらかに決めるのではなく 受け入れて 存在を認め 支持し 援助する インターセックスの 医療に身を投じる 泌尿婦人科の医師 秋野祥子 医療の 理想か現実 成功か失敗 完璧を求め 地位と理想を貫くためにおこる 成功...

インターセックス 半陰陽 身体的にも 心と脳も 男と女の間 どちらかに決めるのではなく 受け入れて 存在を認め 支持し 援助する インターセックスの 医療に身を投じる 泌尿婦人科の医師 秋野祥子 医療の 理想か現実 成功か失敗 完璧を求め 地位と理想を貫くためにおこる 成功の裏の数々の真実 世界に誇る 大病院 サンビーチ病院 院長 岸川 ふたりの医師を中心に 医療、病院、医師、そして インターセックスが センシティブに描かれる 医療サスペンス ********************* 自分はそれに無関係だから、 偏見も持たないし、 干渉もしないという人間が 必ず出現する。 しかし、この無関係だと 切り捨てる態度こそが、 すでに偏見である。 自分は関係ない、と思うのは、 無知と等価であり、恥である。 大切なのは、理解。 理解すれば、 無関心はとてつもない恥になり ついには罪になるから。 ********************* 印象に残った言葉

Posted byブクログ

2010/04/18

『男でも女でもない両性を持った人』それがインターセックス。 ブロ友のちえちゃんの本棚で見かけて、図書館で借りて読みました。 私も同じような自助グループに行っているので、病気を持つ人同士の分かち合いがどれだけ大切なものか、すごくよくわかった。 ちょっとサスペンス的な要素も入れながら...

『男でも女でもない両性を持った人』それがインターセックス。 ブロ友のちえちゃんの本棚で見かけて、図書館で借りて読みました。 私も同じような自助グループに行っているので、病気を持つ人同士の分かち合いがどれだけ大切なものか、すごくよくわかった。 ちょっとサスペンス的な要素も入れながら、とても面白かった。

Posted byブクログ

2010/03/01

失敗した…「エンブリオ」の続編扱いなのね… まあいいや。気を取り直して。 読み物としては非常に面白かった。でもミステリとして★三つアタリが妥当かと。っていうか「エンブリオ」読んだあとならまた違った印象なのかなー。あー、失敗…。 タイトルに関わる内容部分は凄く丁寧に書き込まれ...

失敗した…「エンブリオ」の続編扱いなのね… まあいいや。気を取り直して。 読み物としては非常に面白かった。でもミステリとして★三つアタリが妥当かと。っていうか「エンブリオ」読んだあとならまた違った印象なのかなー。あー、失敗…。 タイトルに関わる内容部分は凄く丁寧に書き込まれてて、作者渾身の作!って感じがする。けど、ミステリの部分とはあんまり関係ないよね。 しかしまあ、こういう医療系は、手術の描写とかがうまいと貧血起こしそうになるんですよね。これもちょっとダメだった。しかも自分が子ども産んじゃった後だしな。産む前なら大丈夫だったかも。

Posted byブクログ