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インターセックス の商品レビュー

3.7

84件のお客様レビュー

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    19

  2. 4つ

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  3. 3つ

    34

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

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2011/11/21

ミステリとしては及第点。しかしある種のテーマを深く世に問う、という意味では100点満点な作品。ここまで揺さぶられた作品は無い。個人的には2011年の最高傑作。 インターセックス(半陰陽)を扱う病院に勤務した女医の話。過去の不審死が続いた状況を調べた結果、浮かび上がる犯人や動機、...

ミステリとしては及第点。しかしある種のテーマを深く世に問う、という意味では100点満点な作品。ここまで揺さぶられた作品は無い。個人的には2011年の最高傑作。 インターセックス(半陰陽)を扱う病院に勤務した女医の話。過去の不審死が続いた状況を調べた結果、浮かび上がる犯人や動機、というのが話の骨子だが、この点はまぁ普通。 この本を最高傑作と推す理由は、そのミステリを取り巻くテーマの部分。インターセックスという、現在の医学が分類する「男」と「女」という区分けから漏れた人々の生き方、医療、制度、偏見が残酷に、そして希望を持って描かれている。 医学は人を2分類にしかしないが、そこから漏れた人が数%はいるという事実を直視し、その人たちの人生に意味を与える機能が現在の社会には無いということが問題。それは医療であり、法律であり、社会が行うべきなのだが、タブー視して、闇に葬ってきた現実を変えたいという想いが熱い。 何より素晴らしいのが、単なる問題提起だけでは無く、「命の灯」というキーワードを使い、彼ら(彼女ら)の尊厳を築き守るという視点が常にあること。タブー視せず、正面から向き合い、「普通のこと」として名誉回復に努めようとする主人公、そして作者の心意気に震える作品。 ジェンダーに興味がある人、医学会に従事する人、インターセックスに関係がある人、そしてこれまで興味も関係も無く見えてこなかった人。全ての人にお勧めです!!

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2011/09/18

そうなんだろうなって思ったとおりだった感じです。どちらがいいかなんて誰にも決められない。何を選んでも正しくなかった可能性はあるし、正しい可能性はある。唯一つ大切だと伝え続けることしかないと思う。

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2011/09/16

インターセックス(男性でも女性でもない中間の性)をモチーフにして、かつその説明にページ数が割かれているのだが、4件の不審死とはまったく関係ないので、 いったいこの小説は何がいいたかったのかさっぱりわからない。 不審死=殺人事件については、前作の「エンブリオ」との連続性があるので...

インターセックス(男性でも女性でもない中間の性)をモチーフにして、かつその説明にページ数が割かれているのだが、4件の不審死とはまったく関係ないので、 いったいこの小説は何がいいたかったのかさっぱりわからない。 不審死=殺人事件については、前作の「エンブリオ」との連続性があるので、そちらを先に読むべきとのことだが、いまさら逆順で読む気にもならない。 唯一お勧めできる点は、インターセックスについて理解を深められることであろうか。

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2011/09/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

帚木さんの作品によくある展開で安心してw読めました 絶対にこの主人公は最後に九死に一生を得るなと(笑) 主人公のかたくなに偏った思考など、違和感があったのですが 最後にきれいに纏まって、さすが帚木さん!そうだよね~って感じでした ラストはあっけない感じでしたが、その方が良かったです

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2011/07/31

「BOOK」データベースより 生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長が率いる、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。泌尿婦人科医の秋野翔子は岸川に請われてこの病院に勤務することになった。そこでは性同一性障害やインターセックスの患者たちへの性転換手術やさまざま...

「BOOK」データベースより 生殖と移植では「神の手を持つ名医」と評判の岸川卓也院長が率いる、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。泌尿婦人科医の秋野翔子は岸川に請われてこの病院に勤務することになった。そこでは性同一性障害やインターセックスの患者たちへの性転換手術やさまざまな治療が行われていた。翔子は「人は男女である前に人間だ」と主張し、人知れず悩み、絶望の淵にいた患者達のために奔走する。やがて翔子は、彼女に理解を示す岸川の周辺に不可解な変死が続いていることに気づく…。

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2011/07/21

インターセックスのお話で、サスペンスを期待したんだけど、要素は薄め。 なんか女医さんんおドキュメンタリーを読んでる間隔。 インターセックスを知りたいっていう人は楽しく読めると思うけど サスペンスやストーリーのドキドキ感を期待するとダメですね。 最後の展開もなんだか読めてしまっ...

インターセックスのお話で、サスペンスを期待したんだけど、要素は薄め。 なんか女医さんんおドキュメンタリーを読んでる間隔。 インターセックスを知りたいっていう人は楽しく読めると思うけど サスペンスやストーリーのドキドキ感を期待するとダメですね。 最後の展開もなんだか読めてしまって、犯人も中盤から予想ができる 感じだったので、淡々と物事が進んで、あっさり終わった感じですね。 もうちょっと何か、インパクトのある事件や事柄があるとよかったな。

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2011/06/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

なんかまた、重いの選んじゃったかなぁ・・・ インターセックスとは・・・ 男性性器を持ちながら、染色体はXX(女性)であったり、女性性器を持ちながら、染色体はXY(男性)となる場合など、様々なタイプがある。性器は不完全な場合もある。半陰陽、両性具有とも言われる。 最近では、亡国の陸上選手が実は男性ではないか?との報道がありました。 学生時代、少し病理学とか生理学をかじったので、医学的な説明が多かったにもかかわらず、わかりやすかったです。インターセックスの人々の苦悩、医学とのかかわりなど、最近では性同一障害の方のカミングアウトは増えてきているものの、インターセックスの場合はまだまだ人知れず、家族にも話せない場合が多いようです。 お医者さん的には、大人たちがどちらの性で生きていかせるか決定して、方向性をつけてあげるのがよいのでは、という判断から、赤ちゃんのうちから外的手術を段階的に行うようですが、身体的、精神的ダメージがかなり大きいようです。大学病院などで行われる場合は、見世物的になってしまうからでしょうか。しかし、この本の主人公の女性医師は、あるがままの状態で育てていき、自分で判断できるようになったら、どちらか選べばよいのでは、という方針でした。ただ、このような方針は少数派なようです。 主人公の女性医師ですが、なんとなく彼女もインターセックスのような気がしてました。インターセックスの会なるもののアドバイザー的立ち場になるわけですが、彼女はカミングアウトできなかったのはなぜだろう。 インターセックスの話では、なるほどと思えるストーリーだったのですが、途中で挿入される、過去の変死事件が必要だったのか。変死事件はインターセックスとはぜんぜん関係ないようだし。とても良心的な院長がなぜ?とよくわからないままでしたが、どうやらこの「インターセックス」は「エンブリオ」の続編だったよう。前作を読まなくちゃわからないのね。。

Posted byブクログ

2011/05/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

岸川卓也院長の元、贅沢な施設と高度な医療を誇るサンビーチ病院。泌尿婦人科医の美人女医秋野翔子は岸川に請われてこの病院に勤務することに。この病院では、性同一性障害やインターセックス(半陰陽、両性具有)の患者たちへの性転換手術やさまざまな治療が行われていた。そして翔子の友人が、かつてこの病院が経営するホテルで不審死を遂げていた。 「エンブリオ」から繋がるサンセットビーチ病院シリーズの第2弾だったらしい。知らずにこちらを先に読んでしまい、結末がわかっちゃったという。。。 インターセックスの発生率の高さに驚いた。現役医師だから事実のことだろうし。この人の描くヒロインはいつも美人だし、性格的にも完璧。海堂尊の医療ミステリと違って、ストーリー展開は見え見えなんだけど、重厚感はあるよね。

Posted byブクログ

2011/04/27

性同一性障害は知っていたけど、インターセックスは知らなかった。 勉強になるとともに、知らないことはまだまだあるんだと痛感。 衝撃的で少し悲しくなる内容だったけど、視野を広げてくれた本。

Posted byブクログ

2011/04/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

半陰陽と大病院経営と人の心。久しぶりに夢中で読んだ。 美人女医翔子と大病院を経営する院長岸川とのやり取りにハラハラ。 インターセックスについて翔子と当人たちの苦悩に涙が出そうになった。 最後はやっぱりなあとウソでしょーが入り混じって呆然となった。面白かったなあ。

Posted byブクログ