波打ち際の蛍 の商品レビュー
(2008.09.26読了)(2008.09.08購入) 「波打ち際の蛍」という題名から、海蛍を連想したのですが、昆虫の蛍でも海洋生物の海ホタルでもありませんでした。登場人物の男性の名前でした。植村蛍、31歳。 本の帯に、「ナラタージュ」を越えた、最大熱量の恋愛小説!!と書かれて...
(2008.09.26読了)(2008.09.08購入) 「波打ち際の蛍」という題名から、海蛍を連想したのですが、昆虫の蛍でも海洋生物の海ホタルでもありませんでした。登場人物の男性の名前でした。植村蛍、31歳。 本の帯に、「ナラタージュ」を越えた、最大熱量の恋愛小説!!と書かれていますが、とても越えているとは思いません。 主人公の神経は、かなりかなり過敏になっていますので、読んでいるほうも主人公の心理に感染して、おどおどしながら、恐る恐る読み進まないといけないようで、ちょっと疲れます。読者をそのようなさせるだけの筆力が、著者にはあるという意味では、すごい小説といえるかもしれません。 主人公は、川本麻由、20代の女性。かつて、作家の男性(関口遥)と同棲し、DVで痛めつけられ、従兄(東さとる)に助け出された。自分を責めた末、自殺を図り、助かった。(ビデオを見ていて、ベッドシーンで突然動揺し、前は綺麗だと感じていた場面が、生理的に気持ち悪いものとしか見られなくなっていた。そんな自分が我慢ならなくて、家中の薬を集めて飲んだ。(176頁)) 臨床心理の加藤先生に時々通って、リハビリ中。 以前は、マッサージの仕事をしていたので、昔の同僚(楠本さん)が、店を開くので手伝ってと言われて、手伝い始める。 臨床心理の先生の待合室で、蛍に声をかけられ付き合い始める。 植村蛍は、閉所恐怖症?エレベータとかが怖い。中学生の頃の体験が影響している。 お互い心は引き合うようになるが、麻由は、体が受け付けない。 時間をかければ、解決できるのでしょうか? 体の結びつきだけが、男女の愛ではないのだろうが、一緒に過ごすことだけでもいいのなら、それは、可能かもしれない。 いつか続編で、その後の進展を書いてほしい。 ☆島本理生の本(既読) 「シルエット」島本理生著、講談社文庫、2004.11.15 (2001/11) 「リトル・バイ・リトル」島本理生著、講談社、2003.01.31 「生まれる森」島本理生著、講談社、2004.01.30 「ナラタージュ」島本理生著、角川書店、2005.02.25 「一千一秒の日々」島本理生著、マガジンハウス、2005.06.16 「あなたの呼吸が止まるまで」島本理生著、新潮社、2007.08.30 「クローバー」島本理生著、角川書店、2007.11.12 (2008年9月27日・記)
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何の役にも立たない。ただそこにいただけの私を、読んでくれた蛍のことを思い出しては声にならない声で彼の名前を何度もくり返し呟いていた。(20100224)
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鬱な内容ぽくて敬遠してたけど、読んでみたら意外にすっきりした内容だった。 やっぱり島本さんの本好きだなと思った一冊。 文庫化したら買う。
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うーんいまいち(´・ω・`) このひとのはなんとなーくフィーリングが合う気がして、 見つけたら読んでるんだけどなー これはなんかだめだった(´・ω・`)
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とても切なくてもどかしくて、綺麗な話 きれい事 じゃなくって 透き通るガラスのような 不意に傷つけることだってある感じ 島本さんの書く男のひとがすきすぎる← 蛍だいすきです 島本さんのかく会話がすき 言葉ひとつひとつがとても繊細で素敵
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主人公二人の透明なガラスのような、それでいてほのぼのと立ち上ってくる暖かみ、独特の雰囲気がいいです。蛍も素敵な大人ですが、私は従兄のさとるが理想です。
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島本 理生さんの『波打ち際の蛍』。 精神的なちょっと重めなテーマを、 すらすらと読める感じに仕上げているのは 凄いと思う。 必ずしも、 人の心と身体が結びついているわけではないことを 痛感しました。 at .+all of me for you+. http://alice-...
島本 理生さんの『波打ち際の蛍』。 精神的なちょっと重めなテーマを、 すらすらと読める感じに仕上げているのは 凄いと思う。 必ずしも、 人の心と身体が結びついているわけではないことを 痛感しました。 at .+all of me for you+. http://alice-alice16.jugem.jp
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なんだか痛くて切なかった。もどかしくて涙が出そう。好きなのに触れられない、触れて欲しいのに受け入れられない。それって当たり前だと思ってた。
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すごく、すごく大事にしたい言葉がいっぱいで。 やっぱり島本理生さんの小説が好きだなぁ。 DV、ダブルバインド、再生。 でも、根底には適切な自己評価の必要性。 私も、蛍が欲しくなった。
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蛍も麻由も、不安定な存在で、「触れたい」という想いの一方、それよりも確実な「できない」という想いに抱きしめられている。傷を抱え、立ち止まってばかりでも、選択肢がなくても、愛する人へ近づこうとする2人。
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