獣の戯れ の商品レビュー
少し前に読み終わったもの。 夏のイメージの小説。むっとした暑気と、描かれている人物の情念のせいか。 三島作品は「情念」とか「情欲」とかそういう暑苦しい言葉が本当にあうなあ。
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新潮文庫のこの三島の表紙には魔力があると思う。 まとめて買ってしまったもの。 2002年5月14日読了
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タイトルに惹かれて?借りて帰ってきた作品。 三島由紀夫といえばわりと最近に『永すぎた春』を読んだ。 意外に肌に合う文体で、本作もすらすら読めた。 ふたりの男とひとりの女の話。 ひとりの男は傷害罪を犯して刑務所に入所していた。 ひとりの男は頭をスパナで殴られて失語症。 女は失語...
タイトルに惹かれて?借りて帰ってきた作品。 三島由紀夫といえばわりと最近に『永すぎた春』を読んだ。 意外に肌に合う文体で、本作もすらすら読めた。 ふたりの男とひとりの女の話。 ひとりの男は傷害罪を犯して刑務所に入所していた。 ひとりの男は頭をスパナで殴られて失語症。 女は失語症の男の妻。 話としてはなかなか壮絶。 ギリギリのところで触れ合う男と女がとても丁寧に描かれている。 始まりと終わりが第三者からの視点なのが良かった。 狂った感じがうすら寒いほど伝わってきた。
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やっと今年になってこの本がどうして 「エロティシズム」なのか分かった。 でもすごくこっけいに思える・・・うちはまだ理解していないのかな? それにしても三島由紀夫さんは日本語が上手すぎますよ・・・ 「われわれはふだん意志とは無形なものだと考えている。軒先をかすめる燕、...
やっと今年になってこの本がどうして 「エロティシズム」なのか分かった。 でもすごくこっけいに思える・・・うちはまだ理解していないのかな? それにしても三島由紀夫さんは日本語が上手すぎますよ・・・ 「われわれはふだん意志とは無形なものだと考えている。軒先をかすめる燕、かがやく雲の奇異な形、屋根の或る鋭い稜線、口紅、落ちたボタン、手袋のかたっぽ、鉛筆、しなやかなカーテンのいかつい吊手・・・・それらをふつうわれわれは意志とは呼ばない。しかしわれわれの意志ではなくて、「何か」の意志とよぶべきものがあるとすれば、それが仏性として現れても不思議ではないのだ。その意志は平坦な日常の秩序をくつがえしながら、もっと協力で、統一的で、ひしめく必然に充ちた「彼ら」の秩序へ、瞬時にしてわれわれを組み入れようと狙っており、ふだんは見えない姿で注視していながら、もっとも大切な瞬間に、突然、物象の形で顕視するのだ」 ・・・もはや、哲学者。
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出版社: 新潮社 (1961) ASIN: B000JALZ78 発売日: 1961 三島由紀夫
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一見したところ、破滅へと向かう悲しみに満ちた物語のように思える。だけど、著者の意図したところは違うとこにあるのではなかろうか。死は破滅だろうか。違うんじゃね?解放でもある。幸二が誕生してから死ぬまでの時間に一体どんな意味があったっていうんだろ。
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昭和36年刊。 剣道初段になった頃に書かれた作品。妻と愛人と夫の三角関係を美しい文章で描いている。読み進むうちにそれぞれの心理を想像しながら、自分なりに場面を思い描くようになっている自分に気づいて可笑しかった。非常に面白い。
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三島第2弾。本当はもっと読みたい。かなり薄い、分量の少ない作品。終章の書き方がいまいち納得いかないが、男2人と女1人のどうしようもない関係と海辺の村の描写が三島らしいかも。
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