獣の戯れ の商品レビュー
美しい・・・漁村に沈む夕日の描写から道端に転がる錆びたスパナの描写まで筆舌尽くしがたい美しさ。どの著作読んでも思うけど日本語の極地を行ってるね。全体に広がる深い悲しみと炎のような情欲。一葉の写真から物語が始まるのは太宰の『人間失格』を思い出させられたな。
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三島由紀夫第二弾。 主人公がアルバイト?してた雑貨屋だかなんだかのきざな旦那とその嫁の話。 主人公は嫁に惚れる。旦那は女遊びが激しくて、でもそれは嫁に嫉妬させたいから。ある日旦那の浮気現場に、主人公と嫁踏み込む。主人公が旦那をスパナで殴る。 刑務所に行き、嫁が身元引き受け人に。...
三島由紀夫第二弾。 主人公がアルバイト?してた雑貨屋だかなんだかのきざな旦那とその嫁の話。 主人公は嫁に惚れる。旦那は女遊びが激しくて、でもそれは嫁に嫉妬させたいから。ある日旦那の浮気現場に、主人公と嫁踏み込む。主人公が旦那をスパナで殴る。 刑務所に行き、嫁が身元引き受け人に。刑務所から出てみると男は半身不随になっていた。最後は主人公と嫁で旦那を絞殺。主人公は死刑。嫁は無期懲役。 ざっくり説明するとこんな感じの話でした。 どうも、「俺は悔悟した人間で・・・」のくだりはよく分からなかった。 でも三島作品の怖いところは、風景の描写などを読んでいるうちに、いつのまにか物語にすっかり取り込まれてしまい、自分でも思ってもみなかったような感情がわいてきてしまったりするところ。 多分、半身不随の旦那を介護する嫁の姿を羨ましく思ったんだろう。 最後に墓の写真を第三者が持っていくという終わり方も、やや唐突ではあったけれどもすごく良かった。
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前回読んだ本であまりにも気持ちが揺さぶられたので、反動で共感できない物を読みたくなり~のミシマ。いい感じに、心は一ミリも動かず安心して読めました(笑)
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三島由紀夫な要素が全て凝縮された作品。障害、殺人、禁欲、死、金、愛人。。。 これらの要素を官能的に仕上げる才能は天才的。
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あぁ、もう。これは。もわっとしてる。熱っぽい。 じわじわとおちていくかんじ。しっとりと、ひたっていくかんじ。 なまめかしい。
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大学生である主人公の幸二が、アルバイト先の夫婦の間にある失われた愛を取り戻すために、夫である逸平の浮気現場に妻の優子を連れて行った結果、傷害を起こし刑務所に入れられる。 更正し、悔悟の念を抱き再びそ夫婦の元に戻っていく。 そこから物語が始まります。 優子への愛に目を向ければ向ける...
大学生である主人公の幸二が、アルバイト先の夫婦の間にある失われた愛を取り戻すために、夫である逸平の浮気現場に妻の優子を連れて行った結果、傷害を起こし刑務所に入れられる。 更正し、悔悟の念を抱き再びそ夫婦の元に戻っていく。 そこから物語が始まります。 優子への愛に目を向ければ向けるほど陥っていく、先にあるのは死のみ。 死への共感でしか結ばれない。そんな悲劇を三島風に描いた作品です。
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ふと思い立って、高校生以来の再読。綱渡りみたいなテンション、相変わらずの三島由紀夫節。少し集中的に再読してみようか、夏らしくないけど。。。いや、三島由紀夫のイメージはやっぱり夏か?
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下手したら二時間サスペンスになりそうな感じ・・・。谷崎だったら似たような設定でもっとエロエロしたのかきそうと読みながら考えていた。
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個人差はあると思いますが、三島作品の中で最もエロティックさを感じます。障害、禁欲、犯罪、殺人、死・・・という要素が全て官能性に集約されてゆきます。やはり三島氏はかなりなエロ親父と言えます。褒め言葉なので三島ファン(私もですが)の方は怒らないで下さい。映画では優子役は若尾文子がやっ...
個人差はあると思いますが、三島作品の中で最もエロティックさを感じます。障害、禁欲、犯罪、殺人、死・・・という要素が全て官能性に集約されてゆきます。やはり三島氏はかなりなエロ親父と言えます。褒め言葉なので三島ファン(私もですが)の方は怒らないで下さい。映画では優子役は若尾文子がやっており、この怖いお姉さん(おばさん?)を好演しております。
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喧嘩ができたり、怒ることができたりするのはいいことだ。世界の未来は君の集中にあるも同然だよ。そのさいには尤も「白頭面皺専ら相待てり」だ。 君には掌の中から世界が砂のように指のあいだをくぐり抜けてこぼれおちてしまうことはないだろう。
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