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吉里吉里人(下) の商品レビュー

3.6

33件のお客様レビュー

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このユートピアはどう…

このユートピアはどうなるのか。ついにクライマックス。東北弁が頭から抜けなくなりました。

文庫OFF

2026/01/14

吉里吉里人第差3館。 ストーリーのくだらなさは増しつつも、その中に、農業政策や医療政策などに対する問、日本の課題を入れ込んでいるところが、さすが、井上ひさしさん。

Posted byブクログ

2025/03/22

反主人公・古橋さえいなければ、吉里吉里国は独立したかも知れない……と思わせるほど著者は古橋にドジを踏ませる。医療立国と世界各国の虐げられた民の救済を目指す吉里吉里国。しかし、日米英仏ソ中などの国々は、国内独立国などが乱立してはたまらないのだ。記録係(わたし)ことキリキリ善兵衛は迷...

反主人公・古橋さえいなければ、吉里吉里国は独立したかも知れない……と思わせるほど著者は古橋にドジを踏ませる。医療立国と世界各国の虐げられた民の救済を目指す吉里吉里国。しかし、日米英仏ソ中などの国々は、国内独立国などが乱立してはたまらないのだ。記録係(わたし)ことキリキリ善兵衛は迷える魂となって、次の一揆、虐げられた百姓の蜂起とその成功を待ち続けることなった。東北本線・一ノ関駅の手前にあるという吉里吉里国の言葉(東北弁)の中でも「わがんねー(駄目だ)」が最も好きになった読後であった。

Posted byブクログ

2024/10/15

井上ひさし『吉里吉里人』新潮文庫 読了。東北のとある村が日本から分離独立を宣言する長編小説。金本位制、先進医療、食料エネ自給自足、タックスヘイヴンなど、奇想天外な切札を駆使して独立の実現を目指す。相当くだらないが、独立戦略は大真面目。序盤に吉里吉里語の講釈に紙幅が割かれ親切である...

井上ひさし『吉里吉里人』新潮文庫 読了。東北のとある村が日本から分離独立を宣言する長編小説。金本位制、先進医療、食料エネ自給自足、タックスヘイヴンなど、奇想天外な切札を駆使して独立の実現を目指す。相当くだらないが、独立戦略は大真面目。序盤に吉里吉里語の講釈に紙幅が割かれ親切であるw

Posted byブクログ

2025/02/02

文庫本(三部作)に改訂する前の単行本で読んだ。 読みはじめ、何度も「何でこんなのを読まなければならないのか」の自問に襲われ、エンジンをかけるのに手こずった。 この作品は壮大な構想のもとで、奇想天外・パロディ・下ネタエロ・ダジャレ・ギャグ・ユーモア・類語反対語羅列‥‥冗談のようなノ...

文庫本(三部作)に改訂する前の単行本で読んだ。 読みはじめ、何度も「何でこんなのを読まなければならないのか」の自問に襲われ、エンジンをかけるのに手こずった。 この作品は壮大な構想のもとで、奇想天外・パロディ・下ネタエロ・ダジャレ・ギャグ・ユーモア・類語反対語羅列‥‥冗談のようなノリの文章が延々と続き、常識をひっくり返しまとめ上げたユートピア創造の長編小説である。話題の事柄や背景を克明に説明し作者の洽覧深識をこれでもかと描く。一国独立の法的根拠などいろいろなことをよく調べその描写がとにかく長い。読んでるのが馬鹿らしくなり、ついていくのを止めようと思う。読者の許容範囲の限界ギリギリを挑発し、楽しんでいる作者のしたり顔が目に浮かぶ。いつの間にか独特の異世界に引き込まれ、途中の迷いが嘘のように共和国の応援団になってしまう。国の建て付けや運営のアイデアに共感し、よくこれだけのことを思いつくなと感心する。 全編を貫く作者の思考の破天荒さが伝わってくる。 まさに「正論は大声で言うべからず」である。 中央に対する地方・辺境からの視点、少数民族や方言の価値、権威・権力からの独立、老若男女民衆の力、医学・医療の重要性、直接民主主義の可能性‥‥。 作者の考える理想郷や思想にはまったく同感であり、 振り落とされなくてよかったと思う。 リアルとイマジネーション、深刻と呑気の両極端ではあるが、『レ・ミゼラブル』や『ジャン・クリストフ』『白鯨』など世界の長編文学作品に通じるものを感じる。 東北岩手県の四千二百人の小さな村が吉里吉里国として日本国から独立する話である。標準語の文章にはすべて東北弁のルビがふられ、ズーズー弁の独特な世界を創り出す。藤原三代の埋蔵金4千トンを「金隠し」にして隠し、それを通貨の裏付けにして金本位の国家運営をする。愚人会議という村人10人で構成する移動政府があり、政治経済や教育・農業・軍事・法務等々各省が機能し、小学生から老人までの男女がいろいろな役割を担う。多くの多国籍企業が支店を置き地球規模で注目される。現実社会の問題点を解決する理想的な仕組みで共和国が運営される。 最先端技術の医科大学病院を中枢に据えて、その開発技術を世界中の少数民族独立の武器にする。偶然紛れ込んだ三文作家の目で、驚きながらこの国の成りたちを発見していく。大統領は「タッチ制」で継承することになっており、移動政府の運転手から彼が引き継ぐことになる。日本を中心に諸外国の破壊工作が圧力を増す。 最後の終わり方が鮮やかだ。 少年時代に兄弟や友人達と隠れ家を作り掟を決めてごっこ遊びをした時の興奮や、大学のバリケード封鎖で仲間同士のコンミューンのような生活、その自由と清々しさが彷彿される。権威から独立して仲間で役割を決めて理想郷を作る高揚感である。現実からの隔絶、体制からの自立に興奮し燃えた経験は強烈で決定的な記憶である。 やはり井上ひさしは凄い。この作品はユーモアと揶揄や皮肉は満載だが悲観は皆無で底抜けに明るく爽快で読者に希望の夢を見せてくれる。 読み切ってよかったとつくづく思う。

Posted byブクログ

2023/10/15

吉里吉里人が並べ立てる理論はどれも骨太で,何よりも愛国心に満ちている点で一見手強そうに思えるが,天上からの暴力には無力であった。この筋が何を示唆しているのかは,現代だと少し意味合いが変わってくるだろう。 文章の大半は悪ふざけの域であり,ここは読者の好みの分かれるところだろう。私...

吉里吉里人が並べ立てる理論はどれも骨太で,何よりも愛国心に満ちている点で一見手強そうに思えるが,天上からの暴力には無力であった。この筋が何を示唆しているのかは,現代だと少し意味合いが変わってくるだろう。 文章の大半は悪ふざけの域であり,ここは読者の好みの分かれるところだろう。私は読んでいて面倒だと感じることのほうが多かった。

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2023/07/27

抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。  出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁...

抱腹絶倒とにかく面白い。ジャンルを言うなら妄想小説R15指定。主人公のオッサンにイラッとしながらもぐいぐい引き込まれていきます。  出会いは行きつけの大型書店。奇抜なタイトルが目に入って書棚から手に取り、表紙の絵に惹かれてペラペラ捲って見る。ルビが多い小説だと思ったらなんと東北弁訳。期待値マックスでレジへと直行でした。  物語はと言うと・・・これが実にえぐい話なのです。小説が醸し出す独特の世界観に酔います。まずはご一読あれ。

Posted byブクログ

2023/02/01

上巻感想参照。 この容量での上中巻、一切だれる事なく面白しろさが続く最強(狂)のブラックエンタメ作品だと思った。 ラストも完璧、とてもいい読書体験だった。

Posted byブクログ

2020/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

下巻に入り、更にテンポアップ。面白さにグイグイのめり込む。吉里吉里国の独立の戦略である、医療立国、金の隠し場所に迫る。 相変わらずの言葉遊びと、荒唐無稽のストーリーだが、段々と中毒になってきた様に面白いと感じる。 そして、一気に物語はラストのクライマックスへ。 ラストで、この物語を紡いできた記録者がキリキリ善兵衛であり、百姓どもに朝が訪れることを待ち望んでいたことが明らかにされ、この物語が、百姓の解放を通底とした独立物語であるというテーマが浮き上がってくる。 ここで言う百姓が朝を迎えるというテーマは、現代消費社会、国際分業といったシステムから降りて、自給自足をしながら文化を守り医療を享受し独立して生きていくという、自然資本によって生きるローカリズム宣言や、半農半X、ダウンシフターズの生き方に通じるものだと気がつかされる。バブル期前の昭和56年時点で、2020年現在、走りとして動きはじめた自然資本、ローカリズム宣言、ダウンシフターズといった運動の主題を、吉里吉里国独立物語として描き出した作者の力量に唖然とする。そして、ラストまで、そうした消費社会システムからの解放、自然資本に則った定常社会の実現を目指すという主題を感じさせずにエログロナンセンスの装いで娯楽小説として描き出したことも驚愕。 喜劇として描かれてきたこの物語が、吉里吉里国独立の失敗、自然資本に基づく定常社会の確立という挑戦の失敗、すなわち、百姓が朝を迎えられなかったという悲劇に終わったことを、とても残念に思う。 喜劇が、悲劇やシリアスを描き出したというところで、岡本喜八の喜劇を見たような満足感を味わえた。 上巻で辞めずに、読み切って良かった!

Posted byブクログ

2020/08/01

上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにして...

上中下巻と、面白くて一気に読んだ。吉里吉里人を読みながら、日本の内部で吉里吉里国が独立するという設定がイスラム国の比喩のようにも取れたし、また『横浜駅SF』を思い出しもしたし、あらゆる吉里吉里に関する要素が百科事典的に記されている様はメルヴィルの『白鯨』のようでもある。それにしても、日本で『白鯨』のような大きな物語を持った古典に『吉里吉里人』が相当すると考える人はあまり多くないかもしれない。国の内部で国としての独立を立ち上げる視点は大江健三郎の『芽むしり仔撃ち』そのものだし、日本は日本国内での独立、地方の自立をカノンとして持っているというのは、英文学やフランス文学にはあまりない特徴のように感じる。

Posted byブクログ