ひゃくはち の商品レビュー
佐知子から実は高校時代に会ったことがあると打ち明けられた。 その頃から眼をそらし続けてきた俺は テレビで甲子園予選を眺めながら8年前のあの頃を思い返す。 強豪の京浜高校に入学した俺は一般入試組ではあるが 3年で寮長を任されセンバツベンチ入りのチャンスが見えてきた。 同じく一般組の...
佐知子から実は高校時代に会ったことがあると打ち明けられた。 その頃から眼をそらし続けてきた俺は テレビで甲子園予選を眺めながら8年前のあの頃を思い返す。 強豪の京浜高校に入学した俺は一般入試組ではあるが 3年で寮長を任されセンバツベンチ入りのチャンスが見えてきた。 同じく一般組の親友ノブと共にベンチ入りを目指したが ぎりぎり滑り込めたのは俺だけだった。 結局試合は初戦で事実上の決勝戦とも呼ばれた試合に負け 夏の甲子園に向けて俺たちはさらにヒートアップする。 しかし最後の大舞台を目前にしてノブの様子がおかしい。 装丁:猪上俊彦 装画:杉山喜隆 スポ根ものだと思っていたけれど全然違った。 まず世間が思い描いている甲子園球児のイメージとはかけ離れています。 酒タバコは当たり前、合コン三昧だなんて。 主人公もベンチ入りのムードメーカーで 野球風景よりも高校生たちの生活を中心にした作品です。 寮生活や試合での一喜一憂には引き込まれます。 一方で現在の描写はこんなにたくさんいらなかったのでは。 あと地の文の一人称は僕なのに会話では俺になるのは何故? 「結局、僕たちは一介の高校生ではいられなかった。 僕たちには野球以上のものがあっちゃいけなかった。 「それが俺たちの基準だったから」」 「『誰かの身になってあげられる人間の方が、野球だけの人間よりよほど価値があるのです』まさかこんな形でこの手紙を読み返すなんて思ってもみなかった。しかも、ご丁寧にもこんな言葉が続いていた。『やるだけやってそれでも駄目なら、その時は胸を張って帰って来ればいいんだから』そして最後にもう一言。『がんばれ』と。」
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野球・青春・友情・家族・恋愛・・・全ての要素を盛り込んで、全てが中途半端になっていない。読後感もいいし、読み始めたらあっと言う間だった。良い本に出会えてありがとう。自分の高校時代、青春時代ももっと何かに打ち込んでたらなぁ~と思った。そのせいなのか何もかもが中途半端なきがする今日こ...
野球・青春・友情・家族・恋愛・・・全ての要素を盛り込んで、全てが中途半端になっていない。読後感もいいし、読み始めたらあっと言う間だった。良い本に出会えてありがとう。自分の高校時代、青春時代ももっと何かに打ち込んでたらなぁ~と思った。そのせいなのか何もかもが中途半端なきがする今日この頃。
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転勤の辞令を受け、彼女とホテルに止まった夜、意外なとこを打ち明けられる。 「私たち、会うのこれが初めてじゃなかったの」 実は高校の頃出逢っていて、酷い目に合わせたというのだが、出会ったことも、彼女のことすらまったく覚えていなかった。 翌朝、偶然テレビに映し出された光景に、全...
転勤の辞令を受け、彼女とホテルに止まった夜、意外なとこを打ち明けられる。 「私たち、会うのこれが初めてじゃなかったの」 実は高校の頃出逢っていて、酷い目に合わせたというのだが、出会ったことも、彼女のことすらまったく覚えていなかった。 翌朝、偶然テレビに映し出された光景に、全く別の空間にもっていかれるような感覚に襲われた。青い空、人工芝に球児たちの姿・・サイレンの音。意識して避けていた光景と対峙した。 八年という歳月は、思い出を浄化するには決して充分な時間ではなかった。 それでも、僕はテレビを消すことができなかった。 題名となっている『108』ですが、煩悩の数だといわれています。それを祓うために、除夜の鐘を108回打ち鳴らすのは知られた話ですよね。それと、野球の縫い目の数も108なんだそうで。108の願い、苦しみ・・ 主人公は、名門野球部においてベンチ入りできるかできないかの位置にいます。練習はきつく辛いけど、それなりに楽しい、なにより野球が好きだし、かっこ悪くて口には出さないけど、やっぱり甲子園に行きたい・・もちろん試合に出たい。 でも、同じようにメンバー入りを目指してきた一番分かり合える友達が彼女を妊娠させてしまい・・ 彼ら、もちろん野球を一生懸命やってるんですが、その前に高校生なんです。 タバコは吸うわ、合コンするは、Hだってしちゃってます。およそ清廉潔白な高校球児のイメージとは程遠く。実際、どんなもんなんでしょうね。 ただね、高校生で妊娠出産というのが、一般の高校生ならOKだけど、高校球児だから×というのは違うんじゃないかな?そこに野球は関係なくだめだろうと思うんだけど・・そこは引っ掛かりました。 現在の自分と、過去の自分が交互に進んでいき、ラスト球場で一つになる感じの流れは良かったと思います。色々あって、そして今があって・・ほろ苦いけど懐かしい・・そんな気持ちになりました。
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この本は、久しぶりに再会した神奈川県屈指の強豪、元京浜高校野球部の同窓会の場面から始まり、あの頃の思い出を語り合う。主人公の雅人とその友人のノブは全国から集められた優秀な選手たちがスポーツ推薦で入学する中、一般入試組として入学して補欠からベンチ入りを目指していく話です。 補欠選手...
この本は、久しぶりに再会した神奈川県屈指の強豪、元京浜高校野球部の同窓会の場面から始まり、あの頃の思い出を語り合う。主人公の雅人とその友人のノブは全国から集められた優秀な選手たちがスポーツ推薦で入学する中、一般入試組として入学して補欠からベンチ入りを目指していく話です。 補欠選手を主人公としていて、その中で友情・恋愛・家族関係などがテンポよく書かれていてとても読みやすかったです。 仲間のためにみんなが一致団結して、これぞ青春!!っていう感じで面白かったです。
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まず小説を読んで、DVDも観ました。 小説と映画はなんかもう別物って感じでしたなぁ。 小説の方が断然よかった。 こういうラストは嫌いじゃないです。 ≪2009.11.16読了≫
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これいいよ、すごくいい!読みながら何度声を出して笑ったことか。何度声を漏らしてないたことか。男の子っていいなあ。こんなの読むと心底羨ましくなる。男は男でいろいろあるだろうけどね。
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合コンが嫌いだ。 というほど、合コンをしたことないけど、 そう言いきってしまうのは、あんまりいい思いをしてないからだ。 などと毒づく理由は、 甲子園、合コン、喫煙、飲酒、仲間、家族、恋人、 青春てんこもりな感じに嫉妬してるからなんだろう。 だって、中学ま...
合コンが嫌いだ。 というほど、合コンをしたことないけど、 そう言いきってしまうのは、あんまりいい思いをしてないからだ。 などと毒づく理由は、 甲子園、合コン、喫煙、飲酒、仲間、家族、恋人、 青春てんこもりな感じに嫉妬してるからなんだろう。 だって、中学までの自分はそんなふうに、 高校で全力の青春を謳歌する気まんまんだったから。 まぁ、そんな青春を選ばずに、 それでも自分なりに心にくることをしてきたという自負はあるけのだけど。 前にある人と青春について話したことがって、 結局、みんな映画やドラマのような青春に憧れていて、 それに追いつけなくて、それを胸に抱えたまま大人になってるんじゃなかって、 そんなことを話した。 自分の青春時代に胸を張ってる大人なんて少ないのかもなぁ。 じゃなかったら、こんなにも世の中に、青春の物語があふれてるわけがない。 みんなやりかけの青春をいまも追ってる。 そういう大人は、かわいいね。 輝いていても、輝いていなくても、 なんかあるんだ、不完全さが。 もろくて、でも確かな不完全さが。 人はいつまでたっても不完全だけど、 その不完全さに、惹かれあう生き物だ。 その不完全さに、愛が含まれていることを、 信じておきたいなー。 と思う、不完全なおれであった。 めでたし、めでたし(めでたくない?)。
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こういう話だったんだっておもった。名門野球部のおちこぼれ2人。スポコン少年たちもただのおバカな高校生って感じがぐっとくる。
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高校野球の強豪校の話。 ちなみに主人公はエースではなく、ベンチ入り狙い。 このお話は 単に青春真っ盛りな眩しいお話なわけではく、 等身大で生命力があって、 きちんと今とも繋がっているお話でした。 人の煩悩の数はひゃくはちある。 らしい。そして… だからひゃく...
高校野球の強豪校の話。 ちなみに主人公はエースではなく、ベンチ入り狙い。 このお話は 単に青春真っ盛りな眩しいお話なわけではく、 等身大で生命力があって、 きちんと今とも繋がっているお話でした。 人の煩悩の数はひゃくはちある。 らしい。そして… だからひゃくはち。 野球も人も、ありありと描かれていて面白かった!
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甲子園行きてぇ、でも遊びてぇ。 レギュラー入りを目指してあの手この手、でも女の人にも興味津々。 強豪校の補欠球児を主人公に、爽やかなだけでない 煩悩だらけの普通の高校野球を描く注目の書き下ろし小説。
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