異星の客 の商品レビュー
火星探査船の生き残り…
火星探査船の生き残りだった両親の間に生まれた「火星人」マイケル・スミスは 莫大な財産を相続し、異星の秩序を普及させていく。フリーラブ、カニバリズムなどのタブーに大胆に踏み込んだ力作。60年代ヒッピーたちの聖典とされたが、執筆は何と40年代であまりにも過激な内容なので発表が見合わさ...
火星探査船の生き残りだった両親の間に生まれた「火星人」マイケル・スミスは 莫大な財産を相続し、異星の秩序を普及させていく。フリーラブ、カニバリズムなどのタブーに大胆に踏み込んだ力作。60年代ヒッピーたちの聖典とされたが、執筆は何と40年代であまりにも過激な内容なので発表が見合わされていたという
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※このレビューにはネタバレを含みます
火星で生まれた人間が地球に来たら? 法律的、生物的、政治的、宗教的にどんな問題が起きるか。 その火星人の常識や世界観は、地球とはまったく別のものになる。 しかもその火星人が特殊能力を持っていたら? 一人の火星人の男とその他人類との地球上での物語を描くSF作品。 ちょっと長すぎる感はある。 「善だけでは絶対に十分です。しっかりした冷たい知恵が、善をなしとげるためには必要なんです。知恵のない善は、つねに悪をともないます。」(737頁)
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ヒッピーの聖典、カルト教団に影響を与えた?、ビル・ゲイツをはじめ世界的企業家が選ぶオススメSF....などなどいろいろな面を持つ本 それもそのはず、とにかく難解で、私にはこの本を正確に認識(グロク)できていないと思います。(ハインラインの本は特にそうです) 「火星で生まれ、た...
ヒッピーの聖典、カルト教団に影響を与えた?、ビル・ゲイツをはじめ世界的企業家が選ぶオススメSF....などなどいろいろな面を持つ本 それもそのはず、とにかく難解で、私にはこの本を正確に認識(グロク)できていないと思います。(ハインラインの本は特にそうです) 「火星で生まれ、ただひとり生き残ったヴァレンタイン・マイケル・スミス。彼には地球人とは異なる思考と地球人にはない力があった。 地球で暮らし、人間を認識した結果、彼は苦痛や争いから人間を救うためにある行動を起こす...。」 随所にハインラインの思想が出てきます。その中のひとつ、“笑い”について。 どうしても人間を認識できないでいたマイケルが、“笑い”が何かが分かった瞬間、人間を認識できたという場面 「…なぜ人間が笑うのか、見きわめたんだ。人間はつらいから笑う・・・つらさをとめる、それがただひとつのやりかただからだよ」
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火星人に育てられたマイクという男が、人類を救おう(変えよう)と活動する話。 という要約が何にも表してないと思えるほど、いろいろ詰め込まれた話。めっちゃ長かった。でも読み切った達成感は半端ない。 人類でありながら火星人思考のマイクは、地球人ととしての思考やら常識やらを学んで、火星人...
火星人に育てられたマイクという男が、人類を救おう(変えよう)と活動する話。 という要約が何にも表してないと思えるほど、いろいろ詰め込まれた話。めっちゃ長かった。でも読み切った達成感は半端ない。 人類でありながら火星人思考のマイクは、地球人ととしての思考やら常識やらを学んで、火星人の考えの方がいいじゃん!とその教えを布教すべく宗教(マイクは学校と言ってるけど私には宗教にしか思えない)を設立する。その教義はフリーセックス、共有財産、カニバリズム…火星ではこうだからということでマイクはこれを推奨するんだけど(っていうか火星人にとっては常識か)、完璧地球人の私にはその考えは受け入れがたく、マイクも気持ち悪いし、その考えに疑問を抱かず、マイクに盲目的に従う周りの人たちも気持ち悪くて嫌な気持ちだった。ただみんな怠惰な気持ちで自分の快楽とか衝動とかを「汝は神なり」とか言って正当化してるだけじゃないかと思っていた。誰もマイクに反抗しないのが気持ち悪かった。 この話はジュバルっていうおじいちゃんが最後の砦みたいな感じでいろいろ説明してくれて、地球人である読者とマイクたちをとりもってくれるので、最後まで読み通せた。最後らへんになってなんで性的解放なのか、あと、地球人と火星人の違いにマイク自身が悩んでいたことが説明されて、マイクがただの変態じゃないことがわかった。 でもやっぱり火星の考えは、ただの地球人が実践しようとしても、カルトにしかならないんだと思う。マイク亡き後、あの集団がマイクの想いを正しく引き継げるのか…多分無理でしょう。だって私たちは地球人だから。マイクだってそう言ってたじゃん。
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よいねー、これも。ここで終るかと思った後も続き、最後はなんとあの世まで!「待つ間は満たされる」「急ぐことはない、待つということはそれができるということだ」せっかちになりそうなとき思い出そう。「愛とは、他人の幸福が自分自身にとって欠くことのできない状態だ」
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ロータス紙が発表するオールタイム・ベストSFの常連であるロバート・A・ハインラインで上位にランクインしているということで読んでみた。 恥ずかしながら初ハインラインなわけだが、オールタイム・ベストの評価とは異なり訳者後書ではあまり評価が高くない。 私はといえば、自分の頭がいかに固...
ロータス紙が発表するオールタイム・ベストSFの常連であるロバート・A・ハインラインで上位にランクインしているということで読んでみた。 恥ずかしながら初ハインラインなわけだが、オールタイム・ベストの評価とは異なり訳者後書ではあまり評価が高くない。 私はといえば、自分の頭がいかに固いかを改めて気付かされ、1961年にこんな先進的な価値観を描く人がいるなんて、と感嘆する部分も。 性的解放を謳う宗教団体にまともなものなんてないという偏見があったが、既成概念に疑問を抱いてみれば確かに。 まあでも1960年代といえばヒッピーな時代なわけで、そういう価値観があっても時代的におかしくはなく、特に先見性があったわけではないのかもしれない。実際この小説はのちにヒッピーに崇められたとか。 しかしながら、快楽主義はただの怠惰のようなイメージだった価値観に疑問を呈する程度には納得した(結果それが「やっぱり違うよな」となるにせよ)。 フリーセックスの他にも同類を食べたり(カニバリズム)・殺人と、タブーに挑戦していると見えなくもない。 近親相姦・カニバリズム・殺人の3大タブーは文化を超えて種としての保存に関わるものだと思うので、グロクすることで変わるとしたら、それらがタブーであった意味ってなんなんだろう? と思わなくもない。まあそれも所詮進化の過程の一つなのかもしれないが。 小説として思うことは、 火星で育ち火星を認識(グロク)すると、超自然現象的なことができるのか、という疑問を最後まで払拭することはできなかった。火星人ってそんなに進化しているのか。 あとフォレストライト教のことがあまりよくわからなかった。結局ただの宗教なのか、グロクに近いところにいる団体なのか。 それから途中冗長に感じる部分もあったかな。かなりの長編小説なのでそれは許容範囲とするべきか。もともとはこの4倍の長さのようだし。冗長に感じるカーニバルの部分をすぎると突然別世界になった感じだけど、本当は長々としたストーリーがあったのかもしれない。 時代も大いにあるような気がするが、自分がきちんと理解した自信がない。後半やや(自分が苦手な)宗教的要素が大きくなり、ああそれはグロクの結果なんだとわかっても、若干頭がついていかなかった。 から★3かな。
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ヒューゴー賞、訳:井上一夫、原書名:STRANGER IN A STRANGE LAND(Heinlein, Robert A.)
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火星渡航者の子孫である火星人が地球に帰還。病院から、看護師・新聞記者・博士たちが連れだす。悪を認識して消滅させる。永遠の時間を持ち、意識を身体から離すことを自分で選択する。 厚い…読み切れません。何となくの雰囲気がわかった程度。
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Stranger in a strange land 有名だから読もうな~と思いつつ、原書は最初の何十ページぐらいで脱落。というわけで一念発起というわけでもないですが読み始めました。いやぁ、厚い。そして長い。台詞がくどい。意味わからないなぁ~と思う所ありで最後の方は駆け足で読み終...
Stranger in a strange land 有名だから読もうな~と思いつつ、原書は最初の何十ページぐらいで脱落。というわけで一念発起というわけでもないですが読み始めました。いやぁ、厚い。そして長い。台詞がくどい。意味わからないなぁ~と思う所ありで最後の方は駆け足で読み終えてしまいました。自分が特定の宗教を信じていないこともあり、マイクが教義を説くという方向に発展するのがイマイチよくわからないんですよねぇ… これはやはりベースにキリスト教的価値観と教えが基礎として無いとわかりにくいのかな。 まあいずれにせよハインラインは段々フリーセックスとかエロエロの方に話が流れていくのに理解しにくいな~ってのはあるのかもしれませんが。 ただ、この作品が書かれたのが1960年という事を考えると色々皮肉で面白いのかも。占星術で会見や予定を決める大統領(ここでは事務総長だけど)とかレーガン夫人?とか思ったり(笑)火星という限られたリソース地で物を分け合うという事が人生をシェアする、という解釈に繋がるのは面白いけど… ヒッピーの聖書になったり色々と話題になった本なんだなぁという事は知ってましたが内容的にはそれほど、そんな物議を醸しだすような話ではないと思うんですけどねぇ。ヒトの社会を外側から見たら何やってるんだって言う皮肉のようなモノというか。時間がある時にゆっくりちょっとづつ読んだ方が良さそうだなぁなんて思いました。
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ポリアモリーの聖典でもあるというので、読んでみた作品。娯楽小説としては、変な訳文もコミで面白い小説。 現実のポリアモリーは、人間は若返らない。両性愛や同性愛コミでの複数愛(関係者全員が関係を知って合意したうえでのコミュニティ)を築いてるので、ある意味ファンタジー極まりない。 嫉妬を処理するやり方や、子供の養育をどうするか、コミュニティ外部との整合性をどうとるか。 そういった部分は軒並み端折っているので、ポリアモリーは味付け程度に取り入れた宗教戯画化小説と言える。 端折っていなかったら、文句なしで星5つつけましたが、端折っている&作者の性別的・文化的限界が透けて見えたので星3つです。 現代ならではのお笑いポイント:ゲイに気に入られる男性は、なよなよーっとした中性的な少年というくだり。当時のホモフォビアをよく反映した偏見ですね。 作中ではより男性的な外見に作り変えた、とありますが、 (逆にモテるぞ?) とツッコミたくなります。 如何な天才作家といえど、入手できる情報が偏っていたらこの程度の描写しかできない、よい例ですね。 ハインライン老が2020年まで生きてたら、作中の老作家のようにますます依怙地かつ斜に構えた態度で通俗小説、それもセクシャル・マジョリティ向けの小説を書いていたのかしら。 それとも、ポリアモリーにセクシャルマイノリティへの理解も組み込んだ『新釈 異性の客』を上梓したかしら。 と、ニヤニヤしながら拝読しました。 2015年現時点のヒューゴー賞が、白人男性優位主義者による政治闘争の場となっているらしいと仄聞して、溜息しきりです。
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