母は娘の人生を支配する の商品レビュー
読み応えが…! タイトルよりももっと深く、女性性と男性性の違いなどのジェンダー論や、なぜ父娘でも母と息子でもなく母娘の関係が特殊なのかといった内容が、かなり惹きつける論調で書かれている 特筆すべきは、論を組み立てるに当たって、少女漫画を多数引き合いに出していること。漫画だけで...
読み応えが…! タイトルよりももっと深く、女性性と男性性の違いなどのジェンダー論や、なぜ父娘でも母と息子でもなく母娘の関係が特殊なのかといった内容が、かなり惹きつける論調で書かれている 特筆すべきは、論を組み立てるに当たって、少女漫画を多数引き合いに出していること。漫画だけでなく他にも小説や映画も引用されており、普段文学作品ばかり読んでいる人にもとっつきやすいと思う 表紙のイラストはなんと、よしながふみで、本文中にもよしながふみ作品について幾度となく触れられている これは期待以上の良書でした!!!
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※別な本の感想です 「母と娘はなぜこじれるのか」が登録にないので、代わりにこちらを登録。 私の私見では、息子は、育ててもらってありがと〜じゃあねーと、親(母)とは個と個で一線を引いて、成長後は戻ってこない、あっさりしているイメージ。全然親のことについて知らないってことも。生物として独立しているって感じ。 息子に母親は片思い必至なのかもしれない。 それは男性は体の認識がないからとのこと。←よくわからなかった 娘は母と一体感が成長の過程で約束されている、母がお手本として観察されるし自分と同一視してしまう生き物っぽい。 共感性が武器の女性ならではの生存戦略?なのかも。故に子供には自分の生き直しの願望や、親からの育て方に反発して自分は違う方針で育てたり、かなり子育てに自分を投影する傾向。 子育てしてても、女の子を育てるのに母親の責任は重大だなと思う。最初は育てやすくていいんだけど思春期からが難易度高いのが女子。 でなんだかんだで親を見捨てきれずに罪悪感を感じて心配し続けてくれる、関わりを切らないのが娘。毒親持ちには悲しい性かな。 読んで思ったのは、息子が離れていこうが、娘が一体感を持って育とうが、母親自身が一人の人間として独立している個として存在することの重要さだと思った。 いち人間として面白い、深みのある人間にならないといけないと思った。(自分と子を切り分けて考える、仕事を持つ、趣味を持つ、コミュニティをもつ)大人になったら対大人として話せるように。 娘に依存したりまずい育て方するとか、あると思うけど、それをすこしでもマシに、また将来子供が離れていくとき母親自身が気持ちを自己管理できるために、子育てしながら自分も育てていかないと辛いと思う。
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よいテーマですね。深い考察が読めるかと思ったら、なんとなく小難しいところが残念。母娘をテーマしたのを男性が書いているのがポイント。男性ゆえに明らかにピント外れた議論になっている箇所があるが、それもご愛嬌というか、全体の隠し味になってる気がする。結論めいたことを言わないところがよい...
よいテーマですね。深い考察が読めるかと思ったら、なんとなく小難しいところが残念。母娘をテーマしたのを男性が書いているのがポイント。男性ゆえに明らかにピント外れた議論になっている箇所があるが、それもご愛嬌というか、全体の隠し味になってる気がする。結論めいたことを言わないところがよいのかもしれない。
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母に対して疑問が多かったし、本を開くタイトルにも共感できたので読んでみた 全母と全娘に読んで欲しい 一旦冷静に分析できるかもしれない わたしの母は、母なりに気を付けてることがあるのかもしれないな、と思った 最後の方で「モビルスーツに乗っているような感覚」について書かれていて、これは前々からわたしは感じていた感覚だったのでハッとした 女性は身体性を常に意識して生きているということで わたしが女性だから感じている感覚だったのだろうか
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男性とは異なる「母娘問題」特有の困難さを説明した本。 母娘問題に悩んでいる当事者よりも、その周囲の人や支えている人が、母娘問題を理解する上で、参考になると思いました。様々な精神分析の理論が引用されており、そういった知識を得るためにも、参考になる本だと思います。 精神分析...
男性とは異なる「母娘問題」特有の困難さを説明した本。 母娘問題に悩んでいる当事者よりも、その周囲の人や支えている人が、母娘問題を理解する上で、参考になると思いました。様々な精神分析の理論が引用されており、そういった知識を得るためにも、参考になる本だと思います。 精神分析の知識がまったくない状態で読みましたが、理解できたかは別として、読みやすかった気がします。妻とその母を見ていたため、納得できる部分が多く、一気に読んでしまいました。 ただ、二度、三度読んでいるうちに、少しずつ理解が深まってきました。
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ちょうどディズニー「塔の上のラプンツェル」をみたタイミングで読めて良かった。 ラプンツェルの髪で母親が生きている、というのが、母娘の身体性の共有を表しているというのが明らか。 自己の投影…とか、母が娘を縛るやり口に関しては知られていても、縛らざるをえないことに関する精神分析からの...
ちょうどディズニー「塔の上のラプンツェル」をみたタイミングで読めて良かった。 ラプンツェルの髪で母親が生きている、というのが、母娘の身体性の共有を表しているというのが明らか。 自己の投影…とか、母が娘を縛るやり口に関しては知られていても、縛らざるをえないことに関する精神分析からの論は初めて読んで、すこしスッキリした。
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暗示的にも明示的にも同一化を要求して断ちがたい結びつき・縛りを形成する母娘関係を「プラトニックな近親相姦」というのは一見過激に思えるが、きちんと読むといろいろと自分が見聞きした実態とも符合してふにおちる。
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タイトルがすごく良い。 「母と娘」という関係性だからこそ生まれる諸々の呪縛を考えるにあたって、 「同性であること」「密着性」「自己投影」「女性性」 は、腑に落ちるポイントだった。 身体感覚からくる同一視、というのは少しピンとこなかったけれど、 隠微なコミュニケーション地獄という表現は好き。 女性のほうがマゾヒスティック・コントロールに敏感である、という考えは『おおかみこどもの雨と雪』といった作品でも象徴的に描かれているのを思い出す(個人的には立場や性別によらない普遍的なものだとは思う)。 結局この手の問題は、娘の側がまず呪縛の幻想から抜け出す必要があるのだろうな。
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読了しても、判ったような判らないような。結局、なにも解決しない。難しい問題である、と言い放たれて終わった感あり。筆者の立場は、私には、本質主義そのものでしかないような印象がある。その意味では、保守的な議論という印象。個人的な趣味だけれど、私はこういう議論は好まない。
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ちょっと小難しくて理解し切れず、わかったようなわからないような気持ちになるところもある。けれども数ページに一行でも、「あぁ…!わかるっ…!!」と線をグリグリ引きたくなるようなフレーズに、女性なら巡り合うんじゃないでしょうか。そしてそのポイントは人によって少しずつ違うかもしれない。...
ちょっと小難しくて理解し切れず、わかったようなわからないような気持ちになるところもある。けれども数ページに一行でも、「あぁ…!わかるっ…!!」と線をグリグリ引きたくなるようなフレーズに、女性なら巡り合うんじゃないでしょうか。そしてそのポイントは人によって少しずつ違うかもしれない。このレビューは私の実の母も義理の母もきっと読んでいるので、私の場合具体的にどんなフレーズが、っていうのは敢えて書かないことにしますが(笑) 著者が男性なわけですが、私が読んで納得できない箇所は、精神分析用語が難しいせいなのか、そこで示される母娘の例が自分にマッチしないせいなのか(臨床心理の現場から書かれているので病理的な例も多い)、果たして著者が男性で「わかってない」からなのか、それはわからない。わかったように書くなよーという気持ちは拭えないが、でもこれが女性が書いたものである場合、それはそれで、どこまで客観的になれているのか疑わしくなってしまう気がするし。 終章にまとめがあるので、本編で理論についていけなくて消化不良になっていても最後の章だけまた読めば満足できそう。 ブックガイドとしても良い。
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