母は娘の人生を支配する の商品レビュー
[ 内容 ] 娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか? 本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母...
[ 内容 ] 娘を過剰な期待で縛る母、彼氏や進路の選択に介入する母…娘は母を恨みつつ、なぜその呪縛から逃れられないのか? 本書では、臨床ケース・事件報道・少女まんがなどを素材に、ひきこもり・摂食障害患者らの性差の分析を通して、女性特有の身体感覚や母性の強迫を精神分析的に考察し、母という存在が娘の身体に深く浸透しているがゆえに「母殺し」が困難であることを検証する。 「自覚なき支配」への気づきと「自立」の重要性を説き、開かれた関係性に解決への希望を見出す、待望の母娘論。 [ 目次 ] 序章 なぜ「母殺し」は難しいのか 第1章 母と娘は戦っている 第2章 母の呪縛の正体をさぐる 第3章 女性ゆえの困難について 第4章 身体の共有から意識の共有へ 終章 関係性の回復のために [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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タイトルを見た瞬間これが読みたかったんだと思わされた。 愛情がないわけじゃない、むしろ愛しているからこその「呪縛」。 自分の人生の過ちを繰り返させることのないように、同じ轍を踏ませないようにという母の切なる願いは、度を過ぎればやがて娘の人生を支配していく。 20歳になるまでには...
タイトルを見た瞬間これが読みたかったんだと思わされた。 愛情がないわけじゃない、むしろ愛しているからこその「呪縛」。 自分の人生の過ちを繰り返させることのないように、同じ轍を踏ませないようにという母の切なる願いは、度を過ぎればやがて娘の人生を支配していく。 20歳になるまでには読了しないと…
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女性、そして同性同士の親子関係の特異さ・恐ろしいほどの難しさ、娘が母親の存在にいかにその後の一生を支配されるかということを極めて冷静に記述した本。 これという解決策がないのもまた恐ろしい。母との関係性のカラクリを知っただけでもよしか。 印象に残ったのは、女は自分の身体を“空虚な容...
女性、そして同性同士の親子関係の特異さ・恐ろしいほどの難しさ、娘が母親の存在にいかにその後の一生を支配されるかということを極めて冷静に記述した本。 これという解決策がないのもまた恐ろしい。母との関係性のカラクリを知っただけでもよしか。 印象に残ったのは、女は自分の身体を“空虚な容れもの”と感じ、身体性に関する葛藤が男性に比べてとても強いというくだり。 確かに自分という存在が、メンテナンスのややこしい身体という容れものにすっぽり収まって出られないでいるというようなことはよく感じてきたなあ。 心理学上の専門用語がさらさら登場するので、予備知識がないと中盤は少し読みづらいかも。 女性性男性性のちがい、親子関係の特異さを知るにはなかなかの良書かと思います。
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思春期ポストモダンの内容は実によかったし、文章も読みやすかったんだけどなあ…… 筆者の姿勢は好きです。でも、書かれていることが感覚的にわからない。たぶん男性目線で論理的に母娘間にある何かを解き明かそうとしているからだと思います。個人的に残念。
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漫画や創作物の引用が多いので、ちょっとそこのあたりがわかりにくかった。女性にはいろいろと納得できる点が多々あると思う。そういう意味で男性が呼んだ方が面白いかもしれない。個人的には女性性の嫌なところが目に付いてしまい、読後感があまり好きではない。
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面白かった。 多少、作者の自慢っぽいところやフィクションを例にしているためにわかりにくいところなど欠点はあるにせよ・・。 「無条件の承認」と「条件つきの愛」の組合せっていう視点が新しい感じがした。 母親は娘の人生のうちに、自分の人生のやりなおしの可能性を見る・・・なるほど...
面白かった。 多少、作者の自慢っぽいところやフィクションを例にしているためにわかりにくいところなど欠点はあるにせよ・・。 「無条件の承認」と「条件つきの愛」の組合せっていう視点が新しい感じがした。 母親は娘の人生のうちに、自分の人生のやりなおしの可能性を見る・・・なるほどなあーと思った。私に子どもはいないが、子どもを持つのがこわくなるような内容だった。「母親は娘の人生を支配してよい」という思い込みって強いんだろうなあ。
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090921読了。納得できる説明や引用もあったが、私が全く知らない漫画の引用が多く、ピンとこなかった。男女の性差をただジェンダーだけで考えるのは強引かとも思う。 世には母娘の問題で悩んでいる母、或いは娘が多いと思うが、この本に書かれていることはあまりにも特殊であると思う。少なくと...
090921読了。納得できる説明や引用もあったが、私が全く知らない漫画の引用が多く、ピンとこなかった。男女の性差をただジェンダーだけで考えるのは強引かとも思う。 世には母娘の問題で悩んでいる母、或いは娘が多いと思うが、この本に書かれていることはあまりにも特殊であると思う。少なくとも今私が悩んでいることには何の答えにもならなかった。 病に至るまでのふつうの母娘の悩みに対して共感できる本が読みたい。日常の些細なぶつかりあい・・・。
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著者自身も書いているように「男性」の書いたもの。 にもかかわらず書かれているのは母と娘のことのみで、関係の中に男性(父や社会)は不在。 目の付け所は悪くないのに、あくまで男性精神分析医なんだよな・・・。 無関係な他者を外側から観察して分析し、論じているだけ。
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ひきこもりは男性に多いが、女性のひきこもりは徹底したものになるという。娘を過剰な期待で縛る母、自立できない娘は多い・・としているが、息子と母の関係も、同様の自覚なき支配で実際にひきこもりになることがあるように思った。
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母による意識的無意識的な娘に対する支配を、精神分析の手法によって明らかにした本。 何気に、初斎藤環。 本当に読んでよかったと思った。 ここ数年、社会科学に傾倒していたのは自分の内面から逃げていた部分もあったのかなぁと思った。 また、やっぱり自分は男性と同じように働くことは...
母による意識的無意識的な娘に対する支配を、精神分析の手法によって明らかにした本。 何気に、初斎藤環。 本当に読んでよかったと思った。 ここ数年、社会科学に傾倒していたのは自分の内面から逃げていた部分もあったのかなぁと思った。 また、やっぱり自分は男性と同じように働くことは不可能なんだなぁ、と 今までなかなか放棄することのできなかった可能性から、やっと解かれた気がする。 最期に、女性として生まれてきたことを心の底から後悔した。 そして、これからはそういうことにきちんと向き合っていく必要性があることを痛感した。
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