熊を放つ(下) の商品レビュー
上巻よりは、スムーズに読めました。 頭の中を整理しないとどこの部分か分からなく なってしまうので、読み終えた上巻も再度読みつつ、下巻を読みました。ジギーの歴史をグラウが 追うようなストーリーで、最後の動物園の計画は、圧巻でした。ジギーがグラウに乗り移ったか のごとく、サル、象、虎...
上巻よりは、スムーズに読めました。 頭の中を整理しないとどこの部分か分からなく なってしまうので、読み終えた上巻も再度読みつつ、下巻を読みました。ジギーの歴史をグラウが 追うようなストーリーで、最後の動物園の計画は、圧巻でした。ジギーがグラウに乗り移ったか のごとく、サル、象、虎、アリクイ、カンガルー、熊など様々な動物たちを放っていく。 訳者のあとがきで村上春樹が、アーヴィングの作品が自らの作品の構成に影響を与えていると言っていて。村上春樹に大きな影響を与えた作家であるということが分かりました。もっと、アーヴィングの作品を読んでみたいです。
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下巻の方がテンポよく読み進めることができた。「ガープの世界」という作品に少し興味を持ったので、映画か書籍どちらかを鑑賞したいと思った。
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正直なところよくわからなかった。内容として終始一貫した感じがなかったように思う。最初に男子2人が公園で出会い、旅を始めるところから始まるのだが、第2章に入るとヤヴォトニクの自伝が唐突に始まり、理解に苦しんだ。第3章でようやくある程度は解決したが、なぜ大戦期の内容を取り入れていたの...
正直なところよくわからなかった。内容として終始一貫した感じがなかったように思う。最初に男子2人が公園で出会い、旅を始めるところから始まるのだが、第2章に入るとヤヴォトニクの自伝が唐突に始まり、理解に苦しんだ。第3章でようやくある程度は解決したが、なぜ大戦期の内容を取り入れていたのかは未だに謎である。所々に書かれている詩やメモには共感出来る点があり、最後主人公の感情の揺れ動きは目的が達成されてしまった後の「何をしたらいいかわからない」感が表現されていた。訳者の村上春樹は後書きで絶賛している。もう少し本の世界を探検したら、また熊を放ちに戻ってこよう。
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熊は放たれた。それは想像に余る結果になったが。恋人にも見放され、親友との絆もなんだか不安定なものに思えた。しかし、全部がダメだったわけではない。一つの希望があった。一番というべきか。そして、彼には歴史と悲しみを乗り越えた存在として、贖罪聴聞してくれそうな人もいる。全てはそれからだ。
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昔、「ホテル・ニューハンプシャー」を見た。どう理解したらいいかわからなかったけど、ジョン・アーヴィングには興味を持っていた。訳者の村上春樹が影響を受けたと書いてあったが、なるほどと思う。登場人物が多いので、整理しながら読めばよかった。不思議な読後感。まさしく夢のような物語。
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第1,3章は主人公グラフの視点から、現在の時間軸で物語か語られる。第2章では主役をジギーに移して、彼の動物園偵察記録と家族史が明らかになる。1,3章は物語の展開に引き込まれて面白く読めたが、2章は物語の動きの少なさや自分の歴史知識の不足もあり、やや冗長に感じてしまった。しかし、自...
第1,3章は主人公グラフの視点から、現在の時間軸で物語か語られる。第2章では主役をジギーに移して、彼の動物園偵察記録と家族史が明らかになる。1,3章は物語の展開に引き込まれて面白く読めたが、2章は物語の動きの少なさや自分の歴史知識の不足もあり、やや冗長に感じてしまった。しかし、自分が冗長に感じた部分にこそ、著者が書きたかったことがあるようにも感じた。なんとなく。次に読んだときには、また違った感想を得ることができると思う。
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アグレッシヴに展開していくストーリーに手を引かれ、遅読ながらもこの長編を最後まで楽しんで読めた。 滾るエネルギーに堪え切れなかったか、小難しかったり陳腐だったり青臭い部分が散見され、それが物語の混沌をさらに強調して却って魅力的。 ザ・青春。 グラフの試みた、ジギーの自伝と動物園...
アグレッシヴに展開していくストーリーに手を引かれ、遅読ながらもこの長編を最後まで楽しんで読めた。 滾るエネルギーに堪え切れなかったか、小難しかったり陳腐だったり青臭い部分が散見され、それが物語の混沌をさらに強調して却って魅力的。 ザ・青春。 グラフの試みた、ジギーの自伝と動物園偵察の記録を交互に編集したことは、私の読書を大いに助けた。 自伝と偵察を各章で分けられてしまっていたら、自伝を読んでいるうちにこれが何の本だったか忘れてしまっていたかも。 しかしこの物語は一体何を示したかったのだろう。 テーマが不明瞭で、読後は「勢い、青春」という単語しか思い浮かばなかった。 色々な方の考察や解説を参考にして、再読してみたいと思う。
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中盤以降、主人公が逡巡的、感傷的になる部分になると、この話はより一層混迷を深める。彼はどこに行くのか?なにをするのか?構成としては動物園を実際に開放してしまうというファンタジーすれすれの物語にしたのは危うかったが、ぎりぎりでソリッドな現実とのつながりを保っていた。これはまだ若かっ...
中盤以降、主人公が逡巡的、感傷的になる部分になると、この話はより一層混迷を深める。彼はどこに行くのか?なにをするのか?構成としては動物園を実際に開放してしまうというファンタジーすれすれの物語にしたのは危うかったが、ぎりぎりでソリッドな現実とのつながりを保っていた。これはまだ若かった作者の才能の片鱗が伺える部分だ。だが最後の少し強引なポジティブさが、不自然な印象を受けた。バルカン半島の近代史が抱える悲しさを内包して昇華したかったのかもしれないが…
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『 髪を売るなんて一種の倒錯した売春のように思えた。』 運命が進路を決定する!』 並存し始めるジギーの存在感。たまらない。 混乱した未熟さ 幼さと、理想。計画になった時点で終わる本来の理想。そして理想の中での現実的選択は避けられない。正しい選択なんてものは存在するのか。実現の不...
『 髪を売るなんて一種の倒錯した売春のように思えた。』 運命が進路を決定する!』 並存し始めるジギーの存在感。たまらない。 混乱した未熟さ 幼さと、理想。計画になった時点で終わる本来の理想。そして理想の中での現実的選択は避けられない。正しい選択なんてものは存在するのか。実現の不可能性。カオス。破壊。すべては混乱した未熟さ、という言葉で表せる。しかし、そこにいけばもうポルポトと同じようなもの。 未熟な動物性のかたまりの解放は無秩序を生み、さらなる絶望に。 そのときを待っていたオーストリア人。戦えるときを待っていた、とすると 新しき希望は沈黙をもたらす あまりにせつない。
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12回目の動物園偵察からはじまる。 ドイツ人とセルビア人や赤軍とパルチザンの関係なんかがごちゃまぜになりわからなくなってしまった(~_~;) マダラジャコウ猫は腹をべったりと床につけてはあはあと息をし、二本のうしろ脚をまるであしかの尾ひれみたいに拡げ、うしろの閉じられた扉から...
12回目の動物園偵察からはじまる。 ドイツ人とセルビア人や赤軍とパルチザンの関係なんかがごちゃまぜになりわからなくなってしまった(~_~;) マダラジャコウ猫は腹をべったりと床につけてはあはあと息をし、二本のうしろ脚をまるであしかの尾ひれみたいに拡げ、うしろの閉じられた扉からいつとびこんでくるかもしれないネズミか狂人に備えながら、尾をはたはたと打ち振っていた。 また、いつか読んでみよう。
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