夜市 の商品レビュー
風の古道
表題作で受賞作の「夜市」よりも、同時収録されている「風の古道」の方が個人的にははるかに面白くて好みです。
この作品を読んで恒川さんのファンになり、作品を追っかけるようになりました。
民間伝承というのか、民俗学的な物語がとても神秘的・幻想的で引き込まれます。自分も異界に...
表題作で受賞作の「夜市」よりも、同時収録されている「風の古道」の方が個人的にははるかに面白くて好みです。
この作品を読んで恒川さんのファンになり、作品を追っかけるようになりました。
民間伝承というのか、民俗学的な物語がとても神秘的・幻想的で引き込まれます。自分も異界に迷い込んでしまいたい…。
ののい
ホラー大賞ですか・・・
異世界に足を踏み入れてしまった・・・という、和風ファンタジーノベルといったところでしょうか。 千と千尋の神隠しのような、そんな雰囲気です。 表題作よりも、風の古道のほうに魅力を感じました! 夜市は、これは好き嫌いが分かれると思う。 好きな人はたまらないんだろうな。 自分...
異世界に足を踏み入れてしまった・・・という、和風ファンタジーノベルといったところでしょうか。 千と千尋の神隠しのような、そんな雰囲気です。 表題作よりも、風の古道のほうに魅力を感じました! 夜市は、これは好き嫌いが分かれると思う。 好きな人はたまらないんだろうな。 自分はこれはちょっとなぁ・・・と思いましたが(;´Д`) というのも、物足りない。物足りなすぎるんです。 もう一つの風の古道。 いや、これは素晴らしいと思う。 夜市に近い感じではありますが、割と複雑にからみあって、あ~・・・そういうことだったのかぁ・・・と、最後に深く納得させられる作品。 決して衝撃的ではないですが、静かに静かに作者の言わんとすることが伝わってくる、という点では、こちらのほうが面白い。
いぼ
友人に薦められて購入。 小難しい単語がなく読みやすかった。 独特の言い回しはどこかおどろおどろしいリズムを持っていて、妖怪たちの祭囃子が聞こえてくるよう。 単なるホラー小説と思いきや、結末には胸がじんわりと温かく滲んでいった。 もう1つの短編もとても面白い。
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短編二本立てで読みやすい。 ホラージャンルではあるが、一夏の不思議な体験という感じ。 二作品とも読了後は、夏の終わりを感じるかのようなセンチメンタルな気分に浸れる。
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※このレビューにはネタバレを含みます
11月7日に初めて『秋の牢獄』を読んで、恒川光太郎の他の本も読んでみたくなり、まずデビュー作を手に取った。先を想像しながら読み進めていたが、すごい展開だった!ホラーだけど、少し泣いた。
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冒頭と物語の締め方がオシャレ 文体は読みやすく、話のテンポもいいのでスラスラ読めた ジャンルとしては和風ホラーだが、御伽噺的な雰囲気と結末の詫びしさ楽しむことが出来た もし自分も夜市に迷い込んだら何が欲しいだろう…と考えてみたけど、パッと思いつくほど求めてるものは無い 幸か不幸...
冒頭と物語の締め方がオシャレ 文体は読みやすく、話のテンポもいいのでスラスラ読めた ジャンルとしては和風ホラーだが、御伽噺的な雰囲気と結末の詫びしさ楽しむことが出来た もし自分も夜市に迷い込んだら何が欲しいだろう…と考えてみたけど、パッと思いつくほど求めてるものは無い 幸か不幸か希求するものがない自分は夜市に迷い込むことは無いんだろうな
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恒川光太郎さんの「夜市」を読み終えました。表題作の他に「風の古道」の二編が収められていました。 ホラーが苦手な私が怖いもの見たさみたいなちょっとした気まぐれで、澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」と、恒川光太郎さんの「夜市」を本棚に登録してました。 「ぼぎわんが、来る」は、2...
恒川光太郎さんの「夜市」を読み終えました。表題作の他に「風の古道」の二編が収められていました。 ホラーが苦手な私が怖いもの見たさみたいなちょっとした気まぐれで、澤村伊智さんの「ぼぎわんが、来る」と、恒川光太郎さんの「夜市」を本棚に登録してました。 「ぼぎわんが、来る」は、2015年の第22回日本ホラー小説大賞を受賞しているのですが、「夜市」も2005年の第12回の日本ホラー小説大賞を受賞しています。 両作品に共通しているのは、選考委員全員が絶賛して受賞している点で、ジャンルはホラーなのかな?と思うくらい物語の構成とか発想とかストーリーが秀逸だと感じました。 結末は次につながるような終わり方だったので、続編を読みたいと思うし、兄弟が元の世界で昔の生活を取り戻すような展開を期待したいですが...もうタイムリミットかな。
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雰囲気が現実とは離れているという点で、ホラー的な要素もあるけど、登場人物の心持ちは基本的に優しさに溢れていた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
【あらすじ】 ①夜市 大学2年のいずみはアルバイトしたレストランで再会した高校時代の同級生、裕司にさそわれ夜市に行くことになった。妖怪達が様々な品物を売る夜市に、幼い頃5歳の弟と来たことがある裕司は、夜市から抜け出すために野球の才能を買ってお金がなかったため弟を人攫いに渡してしまう。弟のもともといなかった生活に戻り野球も上手くなったが、弟を手放した罪悪感が募り、今回弟を探すため夜市に戻ってくる。ハンチングを被って抜き身の刀を持った老紳士に道案内してもらうなかで人攫いの店に着く。10年前に別れた弟を探していると話すと、人攫いは店にいる少年がそれだと嘘をつき、72万と裕司自身と交換しようとする。詐欺を働いた人攫いは老紳士に刀で切られる…老紳士こそが人攫いから逃げ切り、夜市で「若さ」を売って「自由」を買った弟だったから。 中年姿の5歳の弟は施設や工場で過ごすなかで成長していき、2度目の夜市で、道でであった少女の兄の病気を治す薬と「知恵」を買った。夜市で店を開いていた白衣の数学教師に、夜市は3回までしか来れないこと、人攫いの殺し方を教えてもらう。 15歳になった弟は3度目の夜市で自分を探しに来た兄と出会い、人攫いも殺すことが出来た。兄弟で一緒に帰ろうとするが、何も買ってない兄は夜市の一部となり戻って来れなくなった。 弟は自分の居場所を探す旅へ、いずみは日常へ。いずみがまた夜市に行くのかはわからない。 ②風の古道 7歳の春に車で父に連れられ小金井公園に桜を見に行く。父とはぐれ迷子になっていると、田舎道を通った家までの道をおばさんに案内してもらう。 12歳の夏休み、親友のカズキとこの町の心霊スポットのような話になり、おばさんに案内してもらった「あの道」に行くが、迷子になり茶店で宿泊することになる。そこで世話になった青年旅人のレンに道案内を頼み帰ろうとする。道中コモリという男が発砲しカズキが腹を撃たれてしまう。 コモリは以前レンに道案内を頼んでおり、そのなかで、コモリが殺した高校生、西村昌平の子供がレンであることを知る。西村昌平の彼女が遺骨を奪い、雨の寺で骨と灰から秘薬を作ってもらい、身ごもって彼氏と瓜二つのレンを古道で生んだのだった。 外の世界に戻った母親に捨てられ、母親のしりあいでもある古道の茶店や旅籠に輸入する商売をしているホシカワに引き取られたレンは、古道のこと、貿易の知識など様々なことを教えてもらう。時が過ぎ、地の混じった咳をするようになったホシカワは、四つ角でレンと別れる。ホシカワは外の世界で治療を受けることも出来たが、好きであるこの世界に留まることを決意していた。ホシカワの残した旅手帳を聖書代わりにこの世界で生きていたレンは、2度目にコモリと会いカズキが撃たれたときに、鉈でコモリを殺した。 古道で死んでしまったカズキは古道の所有物であるため出られない。雨の寺で蘇生の秘技を行って生き返っても小道の所有物となるため帰れない。レンも古道の人間であるため、外の世界には独りでもどる。10日間の記憶は曖昧で脈絡のないものになったが、時に夏の旅、夜の道を思い出す。 【感想】 2つとも黄泉の世界の不思議な物語だけれど、経験したことがある人がもしかしたらいるのかもしれないと思える世界観。笑ったり泣いたり共感したりの小説ではないけど面白かった。
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『夜市』『風の古道』の2話収録。ずっと読んでみたかった作品。前に読んだ『秋の牢獄』と同じテイストの幻想世界が描かれていて美しさを感じると共にどこか不安感と物悲しさを覚えながら読んだ。どちらもとにかく恐ろしい。何がって今自分が生きている世界に戻れるのかどうか。一度入り込んだら簡単に...
『夜市』『風の古道』の2話収録。ずっと読んでみたかった作品。前に読んだ『秋の牢獄』と同じテイストの幻想世界が描かれていて美しさを感じると共にどこか不安感と物悲しさを覚えながら読んだ。どちらもとにかく恐ろしい。何がって今自分が生きている世界に戻れるのかどうか。一度入り込んだら簡単には出られない夜市と古道の世界。一時のくだらない欲望を引き換えに弟を売ってはいけないし、好奇心を満たすために大人の言いつけを破ってはいけません。
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