ベルカ、吠えないのか? の商品レビュー
なにこれ
寸断された文章は奇異で馴染みにくく、関わりのある人のエピソードは大雑把で頭に残らず、ただ戦う犬の系譜を追っただけの小説です。買って損した本の一つです。
本よみ
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
軍用犬として育てられた犬を祖として、人間に時に従い、時に抗いながら、人間の巻き起こす無意味な闘争に翻弄され続ける犬たちの系図を追った小説。 つくづく人間は勝手な生き物で、家畜としての歴史が長いことや、群れで生きるための性質を利用され、人間にとって、愛玩動物であるとともに、使役し、利用される動物でもある犬について、改めて気の毒に感じた。 人間の勝手な価値観で、病気が起こりやすい形質にもかかわらず、純血を優先され続けるような犬種がいること、動物実験に使われてきたこと、軍用犬や、麻薬探知犬、地雷探知犬など、人間よりも命が軽い存在として、危険な任務を背負わされる犬たち、売れない、懐かないなど人間の勝手な理由で処分される犬たち。 人間と生きることを犬が望むと望まざるとに関わらず、そうなってしまったせいで、犬が被ってきた数々の不利益について、果たしてそれが人間の庇護という利益と比べて少ないなんてことがあったのか? でも、そんなことも犬自身は考えないし、考えるのはあくまで人間側の義務だと思う。 そういうことを無視して、人間と犬との絆…と言われると、嫌だなあという気分になるのだが、そういう点では、人間のつくづく自分勝手なところがしっかり描かれてるところに好感が持てたし、犬たちの翻弄される現実の人間のやってきたことが、本当に愚かで、というかこの本に書かれてない歴史も大体全部愚かで、最悪だな、と思った。 犬の交尾について、わざとか下品な言葉を使用しているみたいに見えるのだが、本能=下品ではないし、そもそも犬には上品とか下品とかそういう概念もないし、交尾=下品ということでも無いと思うので、こんなふうに書く必要があったのかは疑問に思った。それか一部の人間が喜ぶからとか、小説に集中力を繋ぎ止めさせるためにやはり人間に向けてやってるのか、と思ったらそれも含めて人間って…と思ってしまった。
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人間社会や時代に翻弄される犬達の視点で描かれていて、犬視点なのに、懸命に必死に生き伸びようとする姿が鮮明に目に浮かぶ。
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久々に読みきれなかった…。 9割くらいまでは頑張って読んだんだけどな。 頑張って読んでることにふと気づいて、最後は流し読みしてしまった。 世界史苦手な人にはかなりキツイ。 さらに輪をかけて、文章が合わなすぎてスッと入ってこない…。 途中、続きが気になる部分もあったりしたのだが...
久々に読みきれなかった…。 9割くらいまでは頑張って読んだんだけどな。 頑張って読んでることにふと気づいて、最後は流し読みしてしまった。 世界史苦手な人にはかなりキツイ。 さらに輪をかけて、文章が合わなすぎてスッと入ってこない…。 途中、続きが気になる部分もあったりしたのだが、終盤になるまで、何の話をしているのかわからないまま進むので、遅読病が発動。 完全に相性が悪いとしか言えない。 申し訳ない。 世界史だけでなく、政治も経済も日本史もさっぱり。 ただ名前覚えるとか、年号覚えるとかになってしまってるから、理論的に考えても分からず理解できない気がするのよね。 改めてちょっと勉強しようかな… いや、勉強できるのかな?
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犬がどうなってしまうのかで、あっという間に読み切ってしまいました。戦争の為に生きている犬が哀れでなりません。しかし、犬の目線で読み解かれる人間の歴史がどんどん展開されていくのですが、人の愚かさが人として辛いですね。朗読もされているようですが、犬のように吠えながら朗読したくなる本で...
犬がどうなってしまうのかで、あっという間に読み切ってしまいました。戦争の為に生きている犬が哀れでなりません。しかし、犬の目線で読み解かれる人間の歴史がどんどん展開されていくのですが、人の愚かさが人として辛いですね。朗読もされているようですが、犬のように吠えながら朗読したくなる本でした。わぉん。
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2023年2冊目。前読んだ気がしてたけど、多分読み切ってなかったのでは。 日本人の少女の結末が知りたくて読み進めた。 色んな場面が出てくるから、覚えられなくて難しかったけど、なんとか読んだ。 今またロシアが危ない状況にいるなかで、20世紀の歴史がリアルに感じられるし、それが犬を通...
2023年2冊目。前読んだ気がしてたけど、多分読み切ってなかったのでは。 日本人の少女の結末が知りたくて読み進めた。 色んな場面が出てくるから、覚えられなくて難しかったけど、なんとか読んだ。 今またロシアが危ない状況にいるなかで、20世紀の歴史がリアルに感じられるし、それが犬を通してなのが面白い。あとがきで、この本を書く時のイメージが、爆弾??みたいなことを言っていたけど、それ見返したい。 最後の終わりかたがよく分からなかった。 また読んだら分かるかな?
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ある血族が辿る、数奇な運命。 歴史と共に描かれる、二種類のケモノ。 本当の獣は、人と犬、どちらだったのだろうか。 文体が独特で、引き込まれる感じはなかった。 内容的にも、人を選ぶ本だと思う。
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太平洋戦争が終わり、アリューシャン列島にあるキスカ島には、4頭のイヌが残された。4頭のイヌの系譜に連なる何千頭ものイヌたちとともに20世紀をまるごと駆け抜ける一大クロニクル。(そしてとにかく表紙もかっこいい) これは凄いものを読んでしまった。太平洋戦争、ベトナム戦争、宇宙進出、...
太平洋戦争が終わり、アリューシャン列島にあるキスカ島には、4頭のイヌが残された。4頭のイヌの系譜に連なる何千頭ものイヌたちとともに20世紀をまるごと駆け抜ける一大クロニクル。(そしてとにかく表紙もかっこいい) これは凄いものを読んでしまった。太平洋戦争、ベトナム戦争、宇宙進出、ソ連崩壊。歴史の裏には、イヌたちの存在がある。犬橇を引き、北極では主人を救うことになる北、品評会優勝を狙うシュメール、地下のトンネルで犬同士の抗争を繰り広げるDED、似非冒険家とともに無謀な航海に出るグッドナイト、様々なイヌの生きざまを見ていくだけでも十分に面白い。 イヌたちの吐息が、遠吠えが、行間から聞こえてくる。 歴史に残るべき本だ。
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常に癖のある文体で、自己陶酔の香りは鼻につく。 しかし、それを補って余りある物語自体の面白さがある。 これほどミクロからマクロに自由に行き来しながら 骨太なドラマを織り込む才は相当のものだ。
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