ベルカ、吠えないのか? の商品レビュー
怒濤。第2次対戦からソ連崩壊まで、何世代にも何カ国にも散っていったイヌたちの数奇な物語。独特の文体。
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先ずテンポが良い。たんたんと物語が、台詞が流れていく。 遠くまで遠くまで拡がる血統が犬たちが走る姿と同じように目に浮かぶ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
二人称で犬を語るのがはまっていた。壮大なスケールなのはいいけど、近現代の世界史の記述が長くてつらい。語り口も盛り上がるともったいつけていたり、繰り返しが多くてくどい。大仁田厚のマイクパフォーマンスのようだ。 後半描写が適当になってきていて、犬がどうやって街に放火して回っているのか全然分からなかった。数の増減で進行を描写しているところがあった。終盤、きちんと読んだ人にしか分からないような記述があって、読みづらさから1ヶ月くらいかかってしまい、どうやら始めの方のことを言っているところなのだろうと思ったけどそれを解明する気力がなかった。 この本を読んで、自分がそんなに犬好きではないことがわかった。
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途中で、もうわけわからなくなって、読んでるの意味感じなくなってしまって、ざーっと目を通しておしまいにしちゃった。 熱情あふれる文体で、すごいんだけど、ん~…わかんなかった。
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エネルギーの横溢。土着的的な、訳の分からないほどの生命そのもの力を描かせたら、古川さんの右に出る者はいないだろう。この小説はその到達点。圧倒的な嵐に巻き込まれるかのような読書体験を味わいたいときは、この小説や「アラビアの夜の種族」に立ち返る。
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異色の小説だと思う。 今までにも動物を主人公にした小説は読んだことがあったが、犬の一族の年代記などは読んだことが無い。 この小説の主人公は犬達である。 第二次大戦中日本軍がキスカ島に残していった三頭の軍用犬(四頭いたが一頭は米軍上陸の際、戦死)の血筋に連なる犬たちが本小説の主人公...
異色の小説だと思う。 今までにも動物を主人公にした小説は読んだことがあったが、犬の一族の年代記などは読んだことが無い。 この小説の主人公は犬達である。 第二次大戦中日本軍がキスカ島に残していった三頭の軍用犬(四頭いたが一頭は米軍上陸の際、戦死)の血筋に連なる犬たちが本小説の主人公たちである。 戦争の世紀と呼ばれた20世紀の世界を舞台にしてアメリカ、ソビエトをはじめとして様々な国で生きてゆく犬達、主に軍用犬として、またその他多くの役割を担いながらその血筋は広がり、いかなる環境でも生き抜き続け、血を次世代に繋いでゆく。様々なエピソードが混然一体となり、20世紀という人類史上特筆すべき時代を一つの壮大な叙事詩の様に紡いでゆく。 壮大なストーリーの物語である。 所々で作者が文中に入れる犬達の鳴き声”うぉん”がいい味を出していて気に入ってしまった。
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古川日出男の本は何作か読んだが、どれもハイレベルな思考すぎてなかなかついていけないものが多かった。これは、少なくとも最後まで読めたので多少一般大衆向けとも言えるのだろうか。意味はわからなかったけれど。
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運命と、それに導かれる犬たち。硬質な、少し稚拙にも思える力強い文体が独特。あちらで交じり、こちらで交錯し、どんどん読み進めていった。
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ヒトの身勝手に翻弄される軍用犬たちの視点で太平洋戦争からソビエト崩壊までの歴史と、彼らを訓練し育ててきた元KGB士官が革命を計画する様を描いたアクション。ソ連が打ち上げたロケットで宇宙へ向かった犬・ライカ、前線に送り込まれて命を落とした軍用犬たち、キスカ島から脱出した日本軍に置き...
ヒトの身勝手に翻弄される軍用犬たちの視点で太平洋戦争からソビエト崩壊までの歴史と、彼らを訓練し育ててきた元KGB士官が革命を計画する様を描いたアクション。ソ連が打ち上げたロケットで宇宙へ向かった犬・ライカ、前線に送り込まれて命を落とした軍用犬たち、キスカ島から脱出した日本軍に置き去りにされた三頭の犬、血統と見た目の美しさから繁殖業者に管理されるシェパード、脱走し野犬として追われ、飼われて麻薬ビジネスに利用され、秘密作戦に従事して証拠隠滅のために理不尽に殺された、たくさんのイヌたち。彼らを愛したあまり狂気に取り憑かれた元軍人の、その狂気が悲しい。
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時代に翻弄されながらもたくましく生きた人やその子孫を描くのが大河小説だとしたら、これは犬の大河小説。 フィクションかも知れないけど、これに類することがあったのかも、と思わせるところもあり。 20世紀史に強くないので、時々、そのへんのカンニングしながら読み進めました。
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