ニッポンには対話がない の商品レビュー
震災前に出ている本はもうなんだか少し違う感じがする。多文化共生の世界になってきているのに、異なるもの「外資」を排除して買収防衛策はたてたけど、結局日本から汚水を垂れ流して外国に説明せよと言われているのに説明すらしない。できないのか。
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いやー、読み込んでしまった。 なんというか自分が日頃考えていることが違う視点、経験から言語化されているような感じで、もちろんその内容はオイラの考えなんかよりはるかに深く奥行きのあるもので、自分の胸にすーって落ちていくような感覚だった。 「日本には対話がない」 本の主軸はこの一言にあり、読み方によってはコミュニケーション本とも教育本とも現代社会への問題提起本とも受け止められるけど、たぶんそこをどうくくるかなんてことに意味は無さそう。 本の中では日本に「対話がない」というよりは、会話(conversation)と対話(dialogue)の区別がないという表現で、会話とは違う対話についてどう教育されているとか、定義しているとかをフィンランドの例で説明されていて、異文化にある考え方の端っこを感じ取れて面白かった。 あと平田オリザさんが「重層性」に欠けているのが今の日本の社会だと表現したことに、思わずうわーっ!すげーっ!そんな表現があるんだー!って気持ちになった。 オイラの中でこの重層性ってどう受けとめたかって、平たく言い換えれば「重なるところ」、近所、会社、地域の集まり、みたいな人と人とが社会で生きていく中でリアルに他人と共通して属している部分、が段々と失われてきている、ってこの解釈であってないかも、ま、いーや。 だから新しい形でこの「重なりあい」を作らないといけないんじゃないの?って書かれてあった、はず。 その指摘ってなんかすごく深いと思うのはオイラだけかな? んー、読み終わったばかりだからやっぱまだまとまってないな。 とにもかくにも素敵な本でしたー。
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フィンランドの教育を参考にして 日本のコミュニケーションについて考える本。 ・境界線の引き方が個人や社会によって異なる問題について みんなの意見を聞くことで他人の価値判断を知ると同時に 自分で価値判断をする力をつける ・価値観を押し付けることは童話であっても刷り込みとなる...
フィンランドの教育を参考にして 日本のコミュニケーションについて考える本。 ・境界線の引き方が個人や社会によって異なる問題について みんなの意見を聞くことで他人の価値判断を知ると同時に 自分で価値判断をする力をつける ・価値観を押し付けることは童話であっても刷り込みとなる ・「ほんとうの自分」も「ほんとうの意見」も「自分に適した仕事」も、 そういうものはもともとない ・表現には対立や選択も必要。答えがない選択なら多数決でもじゃんけんでもいい ・自分の経験だけを意見の根拠にするのは危ない ・大きく分けて利益共同体、地域共同体、個の共同体の 3つの層を持っていたほうがいい ・個性とは自由勝手にやらせれば伸びるというものではなく みんなと共通性があるからこそどこかに共感できるものがあり、 一般性のある方法で表現しているからこそ 多くの人が個性を個性として理解できる ・「思考の型」は基本ルールだが「表現の型」は不自然 ・考える力と基礎・基本の教育のバランスが難しい ・感情移入型のシンパシーから自己移入型のエンパシーへ ・多文化共生にシフトするには「最初の、ちょっとめんどくさいこと」を どう乗り越えるかが課題となる。それがグローバルコミュニケーション。 ・回避をせずに、対立を恐れないでぶつかって、 その上でお互いどう変われるのかというプロセスを理解するのが重要 装丁・レイアウト:臼井弘志(臼井デザイン事務所) 写真撮影:塩沢秀樹 日本の移民問題についてもっと考えた方がいいのかも。 それ以前の話かもしれないけれど。 これからは日本人同士でも阿吽で伝わらないことも増えるようです。 さんざんESで経験を書かされる中で 自分の経験は意見の根拠にならないと言われたらどうすればいいんだと。 まぁ自分について語る分には大丈夫だと思うけれど。
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大学の授業のテキスト。 この本では主にフィンランドと日本の教育方法を対比させて、そこからこれからのコミュニケーションのあり方を「対話」するもの。 教師志望の人でなくても多文化社会の中で生きるのにとても有用な本だと思う。
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異文化共生。実感はないけれど、実際そうなったら本当に大変だと思う。 子どもたちの話を聞くのも一苦労だもんなぁ。
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今年の7月頃に読んだ本を再読しました。ずばりタイトルにある通り、ニッポンには対話がない。まず考える時間がないと思います。社会全体がそうだし、教育の現場でも、少なくとも私の経験上はそう思います。そして対話する体力のある人が少ない。だから釘を刺す社会になってしまいます。この本を読んで...
今年の7月頃に読んだ本を再読しました。ずばりタイトルにある通り、ニッポンには対話がない。まず考える時間がないと思います。社会全体がそうだし、教育の現場でも、少なくとも私の経験上はそう思います。そして対話する体力のある人が少ない。だから釘を刺す社会になってしまいます。この本を読んで、私が感じていた社会に対する危機感が一人よがりではなかったと思いました。それと同時に、絶望に近い思いも抱かずにはいられませんでした。まだ大丈夫だと思いたいです。 「日本語が亡びるとき」も合わせておすすめします。 2008/12/26 読了
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先日、北川先生のお話を聞いた後だったのでこの本の内容もすんなり入ってきた。この本を読むにつけ、平田オリザさんとも是非お会いしたかったな…と悔やまれる。なんで土曜日も授業なんだ、ウチの学校。 奇しくも、今日のニュースで確かインドネシアから看護師・介護士の受け入れが始まる、というよう...
先日、北川先生のお話を聞いた後だったのでこの本の内容もすんなり入ってきた。この本を読むにつけ、平田オリザさんとも是非お会いしたかったな…と悔やまれる。なんで土曜日も授業なんだ、ウチの学校。 奇しくも、今日のニュースで確かインドネシアから看護師・介護士の受け入れが始まる、というようなことを言っていた。 私も含め、オトナは今のままではいけないと思いつつも、どこかまぁ大丈夫だろう、という程度なんじゃないか。まだ周りは日本人が多くて、今後、移民も含めて外国籍の人がどんどん入ってくる、というのが実感としてわきにくい。 そんなこれからの日本を生きていく彼女らに、私はあと2年弱で何を伝えられるだろう―そう思った。
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「フィンランド・メソッド入門」の北川達夫さんと演劇の平田オリザさんの対談。教育と社会の再生を‘対話’を通して語っています。北川さんの「優れた外交官というのは、極めて日本的な論理を外国人が納得するように伝えることのできる人間」の言葉や、例えば163頁に左側に萌黄色の字で表示される北...
「フィンランド・メソッド入門」の北川達夫さんと演劇の平田オリザさんの対談。教育と社会の再生を‘対話’を通して語っています。北川さんの「優れた外交官というのは、極めて日本的な論理を外国人が納得するように伝えることのできる人間」の言葉や、例えば163頁に左側に萌黄色の字で表示される北川さんの言葉の要約「グローバルコミュニケーションのポイントは、常に「自分の立ち位置」を明確にしておき、相手の土俵に乗り切らないこと」などの言葉には、頭にガツンと一発いただいたような気持ちです。もちろん、お二人が強調するように、これが唯一の正論などではありませんが、(自分はそうは思わない、も立派な意見です)日本の未来に明るいものを見たように思います。(そのわりに歯切れの悪い書き方ですね)
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2008年6月12日購入 読んでるときはへ〜とかそ〜だよな〜と思うのだが 読み終わるとわかったような分からんような。 まあ少なくとも単純に日本はだめでという話ではなくて ある程度の未来を予測すると 前提を前提としない対話ができるようにするとか そういう方向の教育が必要という話で...
2008年6月12日購入 読んでるときはへ〜とかそ〜だよな〜と思うのだが 読み終わるとわかったような分からんような。 まあ少なくとも単純に日本はだめでという話ではなくて ある程度の未来を予測すると 前提を前提としない対話ができるようにするとか そういう方向の教育が必要という話である。 平田オリザの本としては 演劇入門のほうがはるかに中身が濃くて面白い。
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