リルケ詩抄 の商品レビュー
リルケの詩集ですね。 訳は、芽野蕭々さん(1883~1946、大阪生まれ)ドイツ文学者、歌人。 1927年(昭和二年)に、日本で初めてリルケの詩集を発刊された作品の岩波文庫判復刊です。 リルケが1926年に没した翌年になります。 「冬の朝」 滝は凍りついた。...
リルケの詩集ですね。 訳は、芽野蕭々さん(1883~1946、大阪生まれ)ドイツ文学者、歌人。 1927年(昭和二年)に、日本で初めてリルケの詩集を発刊された作品の岩波文庫判復刊です。 リルケが1926年に没した翌年になります。 「冬の朝」 滝は凍りついた。 鳥は池の直ぐ側にうづくまる。 私の美しい子は耳を赤くして、 何か悪戯を考へてゐる。 太陽が私たちに接吻する。 夢みごこちな響が木の枝の中を 軟音(モル)で泳ぐ。 私たちは進んでゆく。毛孔は皆 強い朝の芳香に充たされて。 「ものおぢ」 うら枯れた森に鳥の声が一人。 それはその枯れた森では無意味に見える。 その円い鳥の声は、 それを作った瞬間の中に 大空のやうに広く枯れた森の上に休む。 万物は軟らかいこの叫びの中に入り、 全地は総べて音なくその中に横はるやうに見える。 大風もその中へたわみ入るやうだ。 さうして歩み続けようとする分(ミニッツ)は、 何人もそれで死ななくてはならない 物を知ってるやうに、蒼ざめて、静に、 その叫びから踏み出した。 「詩人」 時間よ、お前は私から遠ざかる。 お前の翼搏(はばたき)は私を傷つける。 しかし、私の口を、私の夜を、 私の日をどうしよう。 私は持たない、恋人を、 家を、その上に立つ処を、 私が自己を与へる万物は 富むでまた私を出し与へる。 約百年前の訳ではあるが、岩波文庫の2008年判のこの本は、漢字以外はそのまま用いています。 素朴で馴染みやすい、旧仮名遣いがリルケの時代の面影を感じさせてくれますね(=゚ω゚=)
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リルケを初めて日本で訳した本、ということらしいので多少旧文語というか、云い回しが難しく感じる。 でも新潮文庫の方と比べると個人的にはこちらの方が好みかな。
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