夕凪の街 桜の国(文庫版) の商品レビュー
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なぜか 121201 --- 23-4 踏み越えた死体累々 生き残ったこと あの場面場面 29 カタルシス? 33 死へ やっと? --- 75 原爆のせい こころの深い傷 103 広島市中心部地図
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昨年映画化されて話題を呼んだ漫画の文庫化。 「夕凪の街」…原爆から10年。生き残ったことの意味を問い続ける“皆美”は、ささやかに、しかし精一杯生きていこうとしていた。しかし、原爆は彼女の命をも奪っていく。 「桜の国」…皆美の弟、旭の娘“七波”を中心に、辛い記憶をも包み込んで生きて...
昨年映画化されて話題を呼んだ漫画の文庫化。 「夕凪の街」…原爆から10年。生き残ったことの意味を問い続ける“皆美”は、ささやかに、しかし精一杯生きていこうとしていた。しかし、原爆は彼女の命をも奪っていく。 「桜の国」…皆美の弟、旭の娘“七波”を中心に、辛い記憶をも包み込んで生きていく人々を描く。 正直に言って、原爆を描いたものを見たり読んだりするのは苦手だ。私が生まれ育ったのは岡山県で、広島はお隣である。そのためなのか、小学生の頃、学校で嫌と言うほど語り聞かされ、写真を見せられ、本を読まされて、大人になった今もトラウマになってしまった。原子雲の映像を見る度に、思わず目をぎゅっと閉じてしまう。情けない話だが本当のことだ。 だから、この「夕凪の街桜の国」も、その存在を知ってはいたが読む気にはなれなかったのである。ところが、本屋で文庫本を目にして思わず買ってしまったのが自分でも不思議だ。 読んでよかったと思う。ネイティブな広島弁、戦後の人々のつましい暮らし。その一見穏やかな日々の中にも原爆の傷跡は確実に残っている。銭湯に行けば、ほとんどの女性がその体にやけどや傷を負っている場面。『「死ねばいい」と誰かに思われたということ』という鋭い痛みに苦しむ皆美。登場人物たちは誰もその苦しみを直接口にはしないが、心の底には同じものが流れている。 今年の夏、長男が友人達と作った千羽鶴を平和記念公園まで持って行っていた。彼らにはどこまで痛みが感じられただろうか。
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しみじみとヒロシマの現実が伝わってくる話でした。凪生の体験は決してこの先繰り返してはいけないこと。原発事故のあとだから、広くみんなに読んで欲しい話ですね・・・。
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(2012.08.24読了)(2012.08.24借入) 【8月のテーマ・[太平洋戦争を読む]その②】 ヒロシマをテーマとした本として、誰かが紹介していた本です。 存在を知らなかったので、図書館から借りてきました。 映画化もされ、ノベライズ版も出ているようです。まったく知りません...
(2012.08.24読了)(2012.08.24借入) 【8月のテーマ・[太平洋戦争を読む]その②】 ヒロシマをテーマとした本として、誰かが紹介していた本です。 存在を知らなかったので、図書館から借りてきました。 映画化もされ、ノベライズ版も出ているようです。まったく知りませんでした。 「ヒロシマ日記」「黒い雨」「はだしのゲン」のように直接的に被爆を扱っているわけではなくて、何年か後の一見何気ない日常が描かれているので、インパクトが少ない印象を受けてしまいました。 とはいえ、原爆による放射性物質の影響は、いつ突然現れてくるかわからないという不安がつきまとい、遺伝子への影響があれば、子どもへの影響も考えないといけません。 そういう意味では、原爆という兵器は、とんでもなく恐ろしい兵器ということになります。 その辺の恐ろしさが伝わる漫画ということでしょう。 この本は、広島の原爆について描いています。「夕凪の街」は被爆十年後の広島、「桜の国」は四十二年後から五十九年後の東京と広島を舞台としたまんがです。(文庫版あとがきに代えて) ☆関連図書(既読) 「ヒロシマ日記」蜂谷道彦著、法政大学出版局、1975.06.30 「ヒロシマ・ノート」大江健三郎著、岩波新書、1965.06.21 「黒い雨」井伏鱒二著、新潮文庫、1970.06.25 「夏の花・心願の国」原民喜著、新潮文庫、1973.07.30 「父と暮らせば」井上ひさし著、新潮文庫、2001.02.01 「ひとりひとりの戦争・広島」北畠宏泰編、岩波新書、1984.08.20 「新版1945年8月6日」伊東壮著、岩波ジュニア新書、1989.05.22 「原爆投下は予告されていた」古川愛哲著、講談社、2011.07.27 (2012年8月27日・記)
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「ヒロシマ」におきた不幸な出来事は、日本人なら誰でも知っていることです。 もちろん私も、映画や小説などから得た情報として、知識としては持っていました。 4年前広島へ引越し、3年間を過ごしました。 そして、はじめて原爆ドームをこの目でみました。平和記念館へも行きました。 知っている...
「ヒロシマ」におきた不幸な出来事は、日本人なら誰でも知っていることです。 もちろん私も、映画や小説などから得た情報として、知識としては持っていました。 4年前広島へ引越し、3年間を過ごしました。 そして、はじめて原爆ドームをこの目でみました。平和記念館へも行きました。 知っているだけとは、大違いです。 実際にその地へ行くことによって、「ヒロシマ」の事実を、頭での理解から、 心と身体全体で感じることができました。 記念館で、原爆体験者の方々が自ら語るビデオをみることができます。 淡々と、冷静に話されていますが、とても残酷な体験です。 その体験を背負って生きている人々が今も日本にはいます。 この漫画は、「ヒロシマ」のその後を生きる人たちの話です。 声高にメッセージを叫ぶわけではありません。 記念館で語る人たちの姿が重なります。 やさしい哀しみに心が痛くなります。 私は、実際に原爆にあったわけではありません。 なので、本当の苦しみを理解するのは難しいことです。 ですが、せめて今の心の「この痛み」を感じることのできる人であり続けたい、そう思います。
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ずっと気になる本でした。 きっかけがあって そして それが何年も、そして何世代にも渡って人を苦しめるんですね。 戦争は プラスな事、ひとつもない。 そして原爆も。 原発の事が騒がれてる今だからこそ いろんな人に読んでもらいたい作品でした。
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漫画ですが紹介。ヒロシマのその後の話。100ページ足らずの本ですが、5回くらいは読み返してから感想がようやく出てくる話です。この本は「夕凪の街」ばかり注目される傾向がありますが、2/3を占める「桜の国」こそが読まれるべきで、そのなかで表現されるところを、今年もやってくる広島の日を...
漫画ですが紹介。ヒロシマのその後の話。100ページ足らずの本ですが、5回くらいは読み返してから感想がようやく出てくる話です。この本は「夕凪の街」ばかり注目される傾向がありますが、2/3を占める「桜の国」こそが読まれるべきで、そのなかで表現されるところを、今年もやってくる広島の日を前にごらんいただき、何かを感じて欲しいと思います。
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私の高校の修学旅行は九州(主に長崎)だったから、この物語は映画を見たことがあります。映画が本当に上手に作られていたから、逆に原作を読むと、少し物足りないような感じがしてしまいました。 前半の夕凪の街よりも桜の国の方が胸に突き刺さります。夕凪の街の出来事は言い方は悪いけども過去の出...
私の高校の修学旅行は九州(主に長崎)だったから、この物語は映画を見たことがあります。映画が本当に上手に作られていたから、逆に原作を読むと、少し物足りないような感じがしてしまいました。 前半の夕凪の街よりも桜の国の方が胸に突き刺さります。夕凪の街の出来事は言い方は悪いけども過去の出来事にもう、なっています。けれども、桜の国は“今”の物語だから。自分の側を風が音を立てながら通り過ぎていく感じがしました。
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この本は、昭和30年の広島と現代を舞台とした漫画である。単行本が出版された時も話題となった本だが、今回待望の文庫化である。時々無性に読みたくなり読むたびに考えさせられる本である。多くの人に読んで欲しいと思う。
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眈々とした画風だが、それだけに原爆後の差別や原爆投下直後だけでない惨さが表現されている。 目の前の幸せを死神がスーッとさらっていくような、やるせなさが残る。 お亡くなりになった全ての皆様のご冥福をお祈りします。
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