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夕凪の街 桜の国(文庫版) の商品レビュー

4.6

38件のお客様レビュー

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2011/07/29

全編合わせても、100ページにも満たないのに、何と言う、重くそして優しい思いの詰まった話なんだろうか。 原爆のことをどこか対岸の火事のように見ていた自分。二世への差別の事も知らなかった。知る、次に伝えていく。できることは小さなことだけど、それを続けていかなければならないのだ、と思...

全編合わせても、100ページにも満たないのに、何と言う、重くそして優しい思いの詰まった話なんだろうか。 原爆のことをどこか対岸の火事のように見ていた自分。二世への差別の事も知らなかった。知る、次に伝えていく。できることは小さなことだけど、それを続けていかなければならないのだ、と思った。

Posted byブクログ

2011/04/28
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

夕凪の街:『原爆を落とされる=誰かが自分に死ねって思った』っていう視点がすごくショックだった。 「原爆を落とした人はわたしを見て“やった!またひとり殺せた”とちゃんと思うてくれとる?」 というセリフが頭から離れない。 そして、被爆直後のことを思い出すたびに、 自分が殺されてもしょうがない人間だと思えて来る、というのがとても怖い。 生き残ればいいってものじゃない。 戦争や大災害は生き残る方も地獄なんだ。 でも、桜の国で、弟一家の話が出てきて、 その悲しい記憶を背負っているけど、今をきちんと生きている感じがとても明るかった。 明るいっていうのは何も考えないことじゃなくて、 過去を受け止めてから可能になるものなのかもしれない。 社会全体で見たらそんなにうまくは行かないだろうけれど、 個人個人でも出来ることはあると思うと、 何だか自分が救われたきがした。

Posted byブクログ

2011/01/25

三浦しをん氏が『三四郎はそれから門を出た』で推薦していた本。 とてもきれいなタイトルで、パステル調の表紙もほんわかしていますが、広島原爆被害者の話です。 放射能を浴びて、即死した大勢の人たちは、とても不幸ですが、その時生き永らえた人々も、罪悪感を抱えながら、当時のつらい光景を忘...

三浦しをん氏が『三四郎はそれから門を出た』で推薦していた本。 とてもきれいなタイトルで、パステル調の表紙もほんわかしていますが、広島原爆被害者の話です。 放射能を浴びて、即死した大勢の人たちは、とても不幸ですが、その時生き永らえた人々も、罪悪感を抱えながら、当時のつらい光景を忘れられず、苦しみに縛られながら、生きていく様子が伝わってきます。 被爆者は、何年たっても、何十年たっても、発症するという恐れ。 著者は、広島出身とのことですが、これまで、あまりに大きいこの惨劇を見つめられず、ずっと避けるように生きてきたとのこと。 その気持ちはよくわかります。 そんな弱い気持ちを奮い立たせるように、事実と向き合って作品にしたということで、そんな作者の懸命な気持ちが、絵に乗せられているようです。 戦争のいい悪いではなく、誰を憎むというわけでもなく、ただ被爆者の状況を淡々と描き、心象をなぞるという、穏やかなこの作品が、読了後、やるせなさを運んできて、しばし原爆について考えさせられました。 どこかわたせせいぞうにも似ている、爽やかな感じのタッチで、こういう内容の時に劇画調でないのが少し意外だったりします。 戦争ものに苦手意識を持って、つい目をそらしてしまう読者でも、抵抗なく手にとれるような一冊。 方向性として、レイモンド・ブリッグズの『風が吹く時』に似ているなと、思い出しました。

Posted byブクログ

2011/01/04

夕凪の街が悲しすぎる。ていねいな口調でたずねる言葉が、真綿で包んだ怒りや恨みに思えて、胸に痛かった。 桜の国はわりといい話。夕凪の街の後に読むとなおさらそう思う。

Posted byブクログ

2011/05/13

ぜんたい この街の人は不自然だ 誰もあの事を言わない いまだにわけが わからないのだ わかっているのは「死ねばいい」と 誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ そしていちばん怖いのは あれ以来 本当にそう思われても仕方のない 人間に自分がなってしまっ...

ぜんたい この街の人は不自然だ 誰もあの事を言わない いまだにわけが わからないのだ わかっているのは「死ねばいい」と 誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ そしていちばん怖いのは あれ以来 本当にそう思われても仕方のない 人間に自分がなってしまったことに 自分で時々 気付いてしまう ことだ (「夕凪の街 桜の国」より)

Posted byブクログ

2010/09/30

原爆について知っていると思い込んでいたことがを、まるでダメだった。出来事の根本に立ち返らせる。漫画の力を思い知る。

Posted byブクログ

2010/06/29

「うちはこの世におってもええんじゃと教えて下さい」 「嬉しい?」 短い作品だけれど、ページを繰る手が重かった。 これ、英訳されているんですね。 皆に読んでほしい、皆に。

Posted byブクログ

2010/06/03

静かに圧倒された。私はあまりにも知らないんだ。 人間が人間でなくなる場所…。 ’’十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て「やった!またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?’’ ヒロシマ、行かなくちゃいけない。

Posted byブクログ

2009/12/07

夕凪の街。と桜の国。 いつまでも終わらないお話。どこまでも続くお話。 「広島」と「ヒロシマ」って、違うのかな?同じなのかな? 夕凪の街はとにかく泣いた。消え行く自分が悲しすぎる。。 映画も観てみようかな。

Posted byブクログ

2009/10/04

私は「この世界の片隅に」の後に読みましたが、それ以前に出版されたこうのさんの戦争を描いた名作中の名作。 まさに現代の人のための戦史だと思いました。どこか現実味の無い「戦争」「原爆」を知らない世代に、あの時代との繋がりを感じさせてくれます。 私はこの本を周りの人に薦めていきたいし、...

私は「この世界の片隅に」の後に読みましたが、それ以前に出版されたこうのさんの戦争を描いた名作中の名作。 まさに現代の人のための戦史だと思いました。どこか現実味の無い「戦争」「原爆」を知らない世代に、あの時代との繋がりを感じさせてくれます。 私はこの本を周りの人に薦めていきたいし、ゆくゆくは自分の子供が生まれたら読ませたいと思いました。 夕凪の街での、「嬉しい?十年経ったけど〜」の台詞は、この人にしか書けないと思う。戦慄しました。

Posted byブクログ