赤めだか の商品レビュー
発売当時から気になっていたこの本を読むきっかけは 彼の落語を聞いたからです。 生で落語を聴いたのは初めてで、 それがこの立川談春さんだった。 早速この本を買った。 私は立川談志という人は顔と声しか知らない。 そしてなんとなく横柄なイメージがあった。 この本にはそ...
発売当時から気になっていたこの本を読むきっかけは 彼の落語を聞いたからです。 生で落語を聴いたのは初めてで、 それがこの立川談春さんだった。 早速この本を買った。 私は立川談志という人は顔と声しか知らない。 そしてなんとなく横柄なイメージがあった。 この本にはその立川談志という人について色々書いてある。 愛のある人だなと思った。 そして、才能はすごいが普通の人間であるという事。 師弟愛というのが本当にあるのかもしれないと思った。 いい本でした。 ************************** 立川 談春 昭和41年、東京都生まれ。昭和59年、立川談志に入門。 平成9年、真打昇進。 「林家彦六賞」「国立演芸場花形演芸会大賞」「彩の国拾年百日亭若手落語家シリーズ大賞」等々、多数受賞
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立川談志の弟子・談春が、17で弟子入りを望んだいきさつから修業時代のあれこれを面白おかしくつづった体験記。 談志に惚れ込んで弟子入りを願い出て、親の反対を押し切り、新聞配達をしながら入門。しかし、眠くて適当にやっていたので苦情が多く、部数を減らしてしまったとか。 談志の個性は強...
立川談志の弟子・談春が、17で弟子入りを望んだいきさつから修業時代のあれこれを面白おかしくつづった体験記。 談志に惚れ込んで弟子入りを願い出て、親の反対を押し切り、新聞配達をしながら入門。しかし、眠くて適当にやっていたので苦情が多く、部数を減らしてしまったとか。 談志の個性は強烈! 生活の面倒は見ないと宣言されて、食べるものを工面するのにも悩む弟子たち。 落語協会を辞めてしまった後なので、寄席に出るということが出来ない。 礼儀も何もなっちゃいないのを面倒見切れないよと、4人まとめて魚河岸に1年修行に出されてしまう。 最初は談秋、談春と並び立つ弟子がいたのだが、これが脱サラしてきた大人なのにパニックに陥りやすい不器用な男で、はやばやと辞めてしまうことに。 庭の金魚が大きくならないので弟子達は赤めだかだとばかにして笑っていたのだが、これに餌をやれと言われた談秋は真面目にお麩を一本ほぐして入れてしまう有様だった。 別れの時に「あなたならやれる、いい落語家になれる」と言われた切なさ。 失敗ばかりでおいおいっな青春期だけど、ダメなりの理屈や、ちょっと破滅型になりかけの感じもまた落語にありそうな。 落語家になるには弟子入りするしか方法がなく、前座から二ツ目、そして真打ちになる。 二ツ目になるには落語協会には明確な規定がない。 談志は根多を50覚えること、鳴り物を一通り出来るようになること、歌舞音曲が出来るようになること、という条件を決めた。その出来映えは談志の判断次第ではあるが。 徹夜で覚えて当日は遅刻、50書き出した紙も忘れ、必死でその場で書いたものの、最後に書いた寿限無をやれと言われてパニックに。自分でも何でそんなことを言ったのかわからないと筆者。 米朝にも落語を教わったことがあるとは。いい話だなあ… 真打ち昇進の時に連続で会をやったというのは記憶にあります。 このとき、小さんをゲストに招いたんだねえ。 談春は自分の弟子に対してはえらくキビシイらしい。 師匠の真似が出てしまうのか?十代での原体験の強烈さですかね~。
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2年前、書店の店頭に積まれたものを見なければ、立川談春という噺家を知ることが出来たろうか。時を積んで洗練してきた話をいくつも知っている噺家が、上手な文章を書くとは限らない。談志だって、志ん朝だって、聞き書きのような本を作る。立派な文章をものにして、読売エッセイ賞を受賞したのに、...
2年前、書店の店頭に積まれたものを見なければ、立川談春という噺家を知ることが出来たろうか。時を積んで洗練してきた話をいくつも知っている噺家が、上手な文章を書くとは限らない。談志だって、志ん朝だって、聞き書きのような本を作る。立派な文章をものにして、読売エッセイ賞を受賞したのに、次の本はまだ出ていないようだ。家元と同じように、こだわりの強い人のようでもある。絶滅危惧種に近い落語を盛りたてる一人なのだから、正月には地上波で拝見したいものだ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
桂米朝師匠に面会が叶い、演じる許可を得たのが「除夜の雪」。知らない噺だった。そこでCDを探してみたら、あった。「特選!!米朝落語全集 第十八集」(東芝EMI) 「饅頭こわい」「除夜の雪」が収録されていた。談春のCDも聴いてみた。「20年目の収穫祭」で、「九州吹き戻し」と「文七元結」が収録されていた。 「文七元結」は人気の人情噺なので何度も聞いたことがあるが、談春の演り方はちょっと違った。彼独自の工夫が施されていた。その工夫が良いのか悪いのか、それは聞き手の好みによる。 私はそれまでの演り方のほうが好きだが、談春の一席も十分に楽しかった。なにより談春はうまい。もっとCDを出してくれるといいなぁ。
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立川談志の丁寧な教え方が、小さん師匠の教え方と同じだった、という話、これは、ぞくぞくしますね。改めて、談志師匠のすごさを感じさせる一冊です。
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落語はまったくの素人で、あまり関心がなかったが、少し前に話題になってた人の本だから読んでみた。立川流の面白さがにじみ出ている。読んでると実際に落語を聞いてみたくなる。 「修業とは矛盾に耐えること」とはなるほどと思わされる。たしか「日本辺境論」にも学びに関しての似たような説明だ...
落語はまったくの素人で、あまり関心がなかったが、少し前に話題になってた人の本だから読んでみた。立川流の面白さがにじみ出ている。読んでると実際に落語を聞いてみたくなる。 「修業とは矛盾に耐えること」とはなるほどと思わされる。たしか「日本辺境論」にも学びに関しての似たような説明だった。日本ならではの修業のシステムも、ゆとりの今の日本では受け入れられなくなっていくのでしょうか。
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談春の落語を聴いて、落語って面白いもんだなと思った。談志の下での修行の描写で、人間ってなんて滑稽で面白いんだろうと思わせた作品である。
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立川談志に弟子入りした17歳の少年・談春と、志らくをはじめとする前座仲間達、そして師匠であり立川流家元である談志との思い出話を主軸としながら、弟子入りから前座修行、二つ目昇進、真打昇進までをユーモラスにつづったエッセイ。 涙あり、笑いあり、談志の意外な一面あり。どんなもんだと思っ...
立川談志に弟子入りした17歳の少年・談春と、志らくをはじめとする前座仲間達、そして師匠であり立川流家元である談志との思い出話を主軸としながら、弟子入りから前座修行、二つ目昇進、真打昇進までをユーモラスにつづったエッセイ。 涙あり、笑いあり、談志の意外な一面あり。どんなもんだと思って読んでみたら、きっといつしか笑い泣き。。。 エッセイというよりもまるで小説のような完成度の高さに驚きました。これ、このまま映画化してほしいと思うくらい。何でもいいから映像化して! して! 私は談志という人はちょっとおっかないなあとこわごわ思っているのですが、このエッセイでかなり彼の見方が変わりました。最後の章のラスト、小さんの死について談春と花禄に語るところは本当に涙が出てきてしまって。同時に、落語という演芸について語る談志の真剣さというか狂気のようなものも見えて、やっぱ彼ほど落語について考えてる人はいないなと改めて思い知りました。 これは談春のエッセイであるけど、談春の弟子入りから真打昇進までを語るんだから当たり前に談志という存在がついてまわるわけですよね。むしろ談春という存在は二の次にして、談志についての本のような。 すごく気難しい人で弟子にだって優しくなんかない!と決めつけて読んでたら大違いで、勿論そういう部分が大半をしめるけど、談春たちがみっともなく外で飯をかっこんでいたらチャーハンを汗水たらして作ったり、初めてやってきた談春にカレーを作ったり……食のことばっかりかい。ほかにもハワイ旅行のエピソードや、勝手に大ネタをかけたことに対して静かに諭したこと、弟弟子の志らくに先を越されたことに対する談志の想い等、「談志なにこの愛しいいきもの」と思ってしまってどうしよう。きゅんきゅんが止まらないじゃない。ギャップ萌えじゃない(え 最後の章の小さんと談志を巡る話は本当にじわとキた…特に小さんの稽古の仕方がまるきり談志と一緒だったっていうとこに(´;ω;`)ブワッ 「僕にも確かに小さんの血が流れているのだ」 やっぱり師弟なのよね… その章には米朝師匠に「除夜の雪」を稽古(というか聴き稽古)をつけてもらったエピソードも。そこに出てきた小米朝が期待を裏切らなかったのでフイタwww 「除夜の雪」好きな噺だから、上方で絶えても談春が東京で広めていってほしいなー。
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著者の師匠、談志の破天荒な弟子への接し方や、愛情が談春の目から語られ、驚きと笑い、そしてペーソスの連続です。 談春の人となり以上に談志の人柄がよく分かり、楽しめました。
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まず最初に、これドラマ化したら面白いと思う! 内容的には、立川談志の弟子である、立川談春が書いた入門~二ッ目~真打までのエッセイ。師匠・兄弟子・弟弟子の厳しくも温かい関係に、声を出して笑ったり、ジ~ンとしたりと、テンポ良くすらすら~っと読めちゃいました。特に最後の「特別偏その2」...
まず最初に、これドラマ化したら面白いと思う! 内容的には、立川談志の弟子である、立川談春が書いた入門~二ッ目~真打までのエッセイ。師匠・兄弟子・弟弟子の厳しくも温かい関係に、声を出して笑ったり、ジ~ンとしたりと、テンポ良くすらすら~っと読めちゃいました。特に最後の「特別偏その2」での、小さんと談志の深~い関係には、感動しました。 個人的に、立川流の落語家は、皮肉ばかり言っているイメージがあり苦手でしたが、この本を読んでちょっと好きになれた気がします。 また、人を育てていく上で参考になる部分も多々あったように感じました。仕事などで、新人の教育をする人にも、良いのではないかな?
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