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パンツの面目ふんどしの沽券 の商品レビュー

4.1

34件のお客様レビュー

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2023/11/15

本当になぜ,どこからその発想が湧いてくるのか。不思議でならない。イエスキリストのはいてるものは,パンツかふんどしか,はたまたただの布切れか…。こんなことを疑問に思う著者に感心してしまう。子どもたちが,それぞれの意見をそのまま実行してしまうところなんか笑いを堪えるのが必死。パンツか...

本当になぜ,どこからその発想が湧いてくるのか。不思議でならない。イエスキリストのはいてるものは,パンツかふんどしか,はたまたただの布切れか…。こんなことを疑問に思う著者に感心してしまう。子どもたちが,それぞれの意見をそのまま実行してしまうところなんか笑いを堪えるのが必死。パンツかどうか,それだけで1冊の本になるところは流石です。世の中がちょっとざわついてる暗い時代で、気持ちが塞ぎ込みそうになった時に、何度でも読みたくなる1冊。

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2023/02/19

「ルパシカの黄ばんだ下端」なんて、衝撃すぎる。 ロシア人はトイレットペーパーを使わないの!?かの文豪たちもトイレのあとはもしや…ごにょごにょ。 しかし収容所でも官吏が囚人と同じ粗末なトイレ(と呼んでいいのか?)で用を足すことになんら抵抗感がないというのは、日本人と大きく異なるね!...

「ルパシカの黄ばんだ下端」なんて、衝撃すぎる。 ロシア人はトイレットペーパーを使わないの!?かの文豪たちもトイレのあとはもしや…ごにょごにょ。 しかし収容所でも官吏が囚人と同じ粗末なトイレ(と呼んでいいのか?)で用を足すことになんら抵抗感がないというのは、日本人と大きく異なるね!日本軍は階級で使うトイレが違ったって言うし。アメリカなんかも黒人用トイレを置かない店も多かったはずだし。 ソ連抑留者問題について無私無欲で研究している男性も素晴らしいな…。著作読んでみたい。 そして全体を通して引用される本の多いこと多いこと! 満州から引き揚げて来た女性や、国後島の古釜布生まれの女性など、令和の現在ではもう直接お話を伺うことは不可能であろう年代の市井の人たちの話が出てくるのも興味深い。

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2023/07/20

この本が出版されたのが2005年6月。米原万理が卵巣がんのために56歳で亡くなったのが2006年5月。がんとの闘病生活を続けながら死の1年前まで書いていた本が「パンツの面目ふんどしの沽券」という米原らしいタイトルのこの本である。嘘つきアーニャの真っ赤な真実、オリガ・モリソヴナの反...

この本が出版されたのが2005年6月。米原万理が卵巣がんのために56歳で亡くなったのが2006年5月。がんとの闘病生活を続けながら死の1年前まで書いていた本が「パンツの面目ふんどしの沽券」という米原らしいタイトルのこの本である。嘘つきアーニャの真っ赤な真実、オリガ・モリソヴナの反語法などに比べれば、凝縮度は低いかもしれない。しかし死ぬまでの期間に下着の歴史、民俗をここまで追求することができるなんてと感嘆せざるをえない。

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2021/02/03

お友だちに紹介され、早速読んでみた。なぜここにフォーカスしたのか? 着眼点が秀逸! 面白過ぎてイッキ読みでした。このテーマでここまで掘り下げられるのが素晴らしい。興味・仮説の起こし方がキモだということを突きつけてくれる一冊。

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2020/05/23

読了。いまだかつて、これほどまでにパンツとフンドシについて深く考察した本があっただろうか?キリスト磔刑の絵を見て、キリストが身につけているのはパンツだろうか?フンドシだろうかなどと考えたこともなかった。 絵画や壁画、文献などから紐解く下着のルーツ。 自らの幼少時代ロシア時代の話も...

読了。いまだかつて、これほどまでにパンツとフンドシについて深く考察した本があっただろうか?キリスト磔刑の絵を見て、キリストが身につけているのはパンツだろうか?フンドシだろうかなどと考えたこともなかった。 絵画や壁画、文献などから紐解く下着のルーツ。 自らの幼少時代ロシア時代の話も入れながら、米原万里氏らしい考察で面白く読める。前半少し難しく感じるかもしれないが、後半に向け作者の下着に対する熱もこもってくる。 好みは分かれると思うが、米原万里氏らしい本で楽しく読めた。

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2020/06/07

前半で「無理かも…」と思われた方は、ぜひ中盤から読んでほしいと思う。本当に追えば追うほど深く果てしない下着の歴史に、果敢に向かっていく著者が格好良い。何のために、と問うのは野暮なようだ。 あとがきで泣いた。

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2018/10/17

今年最初の読書メモは、米原万里さんのパンツとふんどしの本。これはこれで、立派な学問している本でした。パンツの歴史、ふんどしの歴史を過去の文献からひもといていく。男だけの文化ではなく、女性の下着についてもまじめにルーツをたどっている。生理用品なども日本が先進的だったということがわか...

今年最初の読書メモは、米原万里さんのパンツとふんどしの本。これはこれで、立派な学問している本でした。パンツの歴史、ふんどしの歴史を過去の文献からひもといていく。男だけの文化ではなく、女性の下着についてもまじめにルーツをたどっている。生理用品なども日本が先進的だったということがわかる。引用も多々あり、原書も読んでみたくなる人もいるかもね。

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2017/12/11

20171211読了 2008年出版。帯には「『もっとも米原さんらしい本!』・・・と没後に評される抱腹絶倒&禁断のエッセイ。」という文言。解説は井上章一氏。●しょっぱなからさすがのロシアエピソード。そこから話題はあらゆる方向へ広がりをみせ(といっても基本はパンツやふんどしー腰回り...

20171211読了 2008年出版。帯には「『もっとも米原さんらしい本!』・・・と没後に評される抱腹絶倒&禁断のエッセイ。」という文言。解説は井上章一氏。●しょっぱなからさすがのロシアエピソード。そこから話題はあらゆる方向へ広がりをみせ(といっても基本はパンツやふんどしー腰回りを覆うものに関することではあるのだが)、シベリア抑留でトイレットペーパーが支給されなかったのはロシア人にその習慣がなかったからだとか、江戸時代は(農村部は戦後直後までは)男性が全裸で闊歩したり農作業したりしていたとか、近代に入ってどのように羞恥心が形成されたのかとか、アダムとイブのイチジクの葉はなぜ落ちないのかとか、パンツがない時代の生理期間の対処とか、乗馬とパンツの関係とか、盛りだくさん。連載の読者から寄せられた資料も含め、参考資料の羅列が10ページもある!民俗学の領域に足を突っ込んでいるのではと思わされる執念の考察。ご本人としてはまだ道半ばでやり尽くせぬ無念がおありだったろうが、その「言い訳だらけのあとがき」が私はけっこう好きだったりする。

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2017/01/30

スゴイ本である。 パンツとふんどしについての文化人類学的考察。 パンツとふんどしについて、 これだけ多数の文献に当たり、考察し つなぎあわせていく。ジネンジョをほるような 面倒な作業を 嬉々として取り組んでいる。 その集中力に 圧倒される。 ガンによって 身体がおかされているにも...

スゴイ本である。 パンツとふんどしについての文化人類学的考察。 パンツとふんどしについて、 これだけ多数の文献に当たり、考察し つなぎあわせていく。ジネンジョをほるような 面倒な作業を 嬉々として取り組んでいる。 その集中力に 圧倒される。 ガンによって 身体がおかされているにもかかわらず この執念。まさに 集大成としての「ふんどし学」である。 結論として 『さきにパンツありき』ということだ。 騎馬文化が日本にやって来て、パンツが普及したわけではない。 馬の家畜化を考察し、ハニワなどの パンツ模様の解明をする。 ハンガリーの学校での家庭科での実習が  パンツづくりからはじまるというのが、笑える。日本では雑巾。 えらい違いである。 パンツが工業生産されていなかったという現実 がもっと信じられなかった。 『友誼』という中国製のパンツが 席巻していたというのも、 なんとなく、微笑ましい。 ロシア人のトイレには 紙がない。 たしかに 社会主義国には 神がない。 パンツは毎日変えることということは  確かにその習慣は教えられた。 パンツのもつ文化的価値と羞恥心。 恥ずかしいからパンツがあったのか、 パンツがあったから、恥ずかしいのか? その問いかけが すばらしい。 イチジクの葉がなぜ落っこちないのか? 十字架のおじさんのはいているのは パンツかふんどしなのか? その問いかけが 鋭すぎる。 時間が 子供に さかのぼって、そして 現在まで いたる 考察の方法論が じつに うまい。 子供の幼い質問が なんといっても 本質をついている。 そういう 好奇心にあふれているのが いい。 お父さんのふんどしに 愛着を持っているところが、 ますますいいのだ。

Posted byブクログ

2015/02/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2015年最初の読書がいきなりU.N.C.O.の話から始まるとは思わなんだ。 もっと外堀から埋まるものかと…。 仕切りもないところで横に並んでしかも会話しながら用を足すだなんてと思ったけど日本でもお小水は同じ方式だからね。一応仕切りはあるけどさ。大は話が別?大は小を兼ねる?う~ん…(踏ん張ってるわけじゃない)。 しかし友人同士でAV観る時は(どうなのか知らんが)「俺ちょっとイチヌケ」などと言ってトイレに駆け込むでなく(どうなのか知らんが)テレビの前で「ウラジミール、俺にもティッシュをくれ」とかやるのだろうか(どうなのか知らんが)。 中国(の一部地域。今もある?)は縦に並ぶんだっけ。いずれにしろコミケ会場のお手洗は壁で(一応)仕切られているようでよかったでやんす(偏見)。 視点的には下着を洗う、繕う側のもの。上野千鶴子『スカートの下の劇場』とは真逆というか異質というか。どっちが読んでて楽しいか人それぞれだろうけど、まあ後者でしょう。面白いのはどっちも面白いけどさ。 単純に考えて、スカートからズボンへの移行は澁澤龍彦的に言えば「コペルニクス的転換」と言えるだろうね。 連載が続かなかったことが悔やまれます。

Posted byブクログ