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パンツの面目ふんどしの沽券 の商品レビュー

4.1

34件のお客様レビュー

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2012/02/10

十字架上のイエス・キリストの下着はパンツかふんどしか腰巻か。という素疑問を長年持ち続けた筆者が長じてから綴る『下半身に身につける下着』についての考察を記したエッセイです。 何度か噴き出してしまいました。 たぶん、大体の人は日常に身につけているであろう下半身を覆う下着についての考...

十字架上のイエス・キリストの下着はパンツかふんどしか腰巻か。という素疑問を長年持ち続けた筆者が長じてから綴る『下半身に身につける下着』についての考察を記したエッセイです。 何度か噴き出してしまいました。 たぶん、大体の人は日常に身につけているであろう下半身を覆う下着についての考察を綴ったエッセイです。パンツ・ふんどしをめぐる世界史的な考察をするという途方もないことをやろうとした筆者のチャレンジャーぶりにも脱帽しましたが、人類が『下半身を覆う下着』というものについての複雑さというのか。種類の多さというのか…。民族性や国民性によってもこれだけの違いがあるということにびっくりしました。 特に驚いたのは筆者がチェコのプラハにいた頃、ソ連から来た同級生の女の子が、パンツが乾かないといって、その場で布を裁断しパンツを縫い上げてしまったという話や、ワイシャツで裾が長い理由は、昔のヨーロッパではその長い部分がパンツの役割を果たしていて、それで下半身覆っていたという話や、筆者の父親が生涯、越中ふんどしを愛用していたことから古今の膨大な文献を紐解いて、日本人のふんどしにおける精神的なものを追求して記しているという努力。少し下ネタなども交えながら、ユーモアあふれる筆致で、最後まで楽しく読むことができました。 単行本化する前には自身の病気の関係もあって、紆余曲折があったとあとがきに書いていましたが、こういうことを本気で調べて、一冊の本に纏め上げるというのは、ある意味で途方もない試みであるとともに、筆者にはまだまだ面白いエッセイを書いて欲しかったなと。そんなことを考えてしまいました。

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2012/01/18

このふざけた題名に惹かれ、いったいどんな話?と手に取った本です。著者はロシア語の同時通訳者。パンツとふんどしを中心に、下着にまつわる歴史と文化を、よくぞここまで!と感心してしまうくらい豊富な知識とユーモアを交えて語ってます。 ふんどしは心の拠り所、心にシカとふんどしを締めていたい...

このふざけた題名に惹かれ、いったいどんな話?と手に取った本です。著者はロシア語の同時通訳者。パンツとふんどしを中心に、下着にまつわる歴史と文化を、よくぞここまで!と感心してしまうくらい豊富な知識とユーモアを交えて語ってます。 ふんどしは心の拠り所、心にシカとふんどしを締めていたい、と語った章では腹を抱えて笑いながらも、なるほどーと思いました。急激な近代化と軍隊の強化により、日本らしさが失われつつあった昭和初期、目に見えない愛国心、大和魂を具現化するためのアイテムとして登場するのがふんどし。つまり、ふんどしは日本男児の心のシンボルだったんですね。非常に興味深い一文でした。

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2011/10/27

米原万理さんの本は結構読んでます。どれも面白くハズレなしです。この本も、パンツ、あるいは褌、あるいは・・・とにかく人間の大事な部分(主に下半身)を覆う物に対する考察ですが、その切り口が多角的です。最初は主に下の処理的な話が多いですが、後半はその形状の成り立ち、由来等読み応え満載と...

米原万理さんの本は結構読んでます。どれも面白くハズレなしです。この本も、パンツ、あるいは褌、あるいは・・・とにかく人間の大事な部分(主に下半身)を覆う物に対する考察ですが、その切り口が多角的です。最初は主に下の処理的な話が多いですが、後半はその形状の成り立ち、由来等読み応え満載となってます。駆け足のようにまとめてしまっているのは、ご自分の余命を鑑みての見切り発車だったのでしょうか…。でも、出して出版して頂いて良かった。ご本人の納得いくまで書かれた物がぜひ読みたかったです。

Posted byブクログ

2011/01/30

目の付け所がやはり違う。この題材を不真面目かつ大真面目に資料調査して面白おかしく書き上げる才能に脱帽。

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2010/10/06

一瞬ページをめくって単語を拾うとただの下ネタ本のように見えるが、ページが進むごとになんの後ろめたさ(笑)もなくなる。

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2010/07/24

我々の股を覆うものについて、さまざまな角度から考察したエッセイ。こういう日常生活の脇役を通して比較文化論を語れば、著者の芸風が全開です。現在の我々の常識からは驚嘆すべきロシアの下着事情から、日本の昔の習慣、羞恥心の何たるかの考察に至ります。 この本で語られていることは著者の構想...

我々の股を覆うものについて、さまざまな角度から考察したエッセイ。こういう日常生活の脇役を通して比較文化論を語れば、著者の芸風が全開です。現在の我々の常識からは驚嘆すべきロシアの下着事情から、日本の昔の習慣、羞恥心の何たるかの考察に至ります。 この本で語られていることは著者の構想からは道半ば、まだまだ調べたいことは山ほどあったらしいのですが。惜しくも著者は2006年世を去り、この研究は次代に託されることとなりました。後を継ぐ人がいることを願ってやみません。

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2010/05/01

この人(著者)の本は初めてだが、井上ひさしの義姉ということで興味を持っていた。 面白い人なのだなぁということがわかりました。 下着の歴史の部分で、勉強になる話も多いですよ。 本文中に他の文献からの引用が多すぎるのは気になった。 [10.2.8]

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2011/07/19

「米原さんといえばふんどし」って、私、どこですり込まれたんだろう?翻訳者よりも通訳者、のほうが、機転と機知とユーモアと冷静さと(とにかくあらゆるいろんなもの)を同時に働かさなければいけないんだろうな。むしろだからこそ、このような形で「残る」文章を残したかったのかな…。他の随筆でも...

「米原さんといえばふんどし」って、私、どこですり込まれたんだろう?翻訳者よりも通訳者、のほうが、機転と機知とユーモアと冷静さと(とにかくあらゆるいろんなもの)を同時に働かさなければいけないんだろうな。むしろだからこそ、このような形で「残る」文章を残したかったのかな…。他の随筆でもよくわかることだけれど、言葉の遣い方の素敵な人が、つまり素敵な翻訳なり通訳なりができるのだ。「素敵」にもいろいろあって、ユーモアに富む、詩的である、論理的でかつ美しい……、もちろん持ち味はそれぞれの魅力で。敢えて言うなら、私にとって米原さんはやっぱり「ふんどしのひと」です。とくにそれで失礼にはあたらないはずです。だって、カヴァーには、「十字架上のイエス・キリストの下着はパンツか、ふんどしか、腰巻か。幼少期に芽生えた疑問を心の中であたため続け、長じて作家となった著者は、…(略)」とありますもん。さて、この著は(解説にもあるように)、著者にとってはもっと大きな企図の過程であったかもしれません。そのことを悼みます。けれど、誰もが企図半ば、私が明日、健やかに目覚めるという保証がどこにあろう?と、それはともかく、彼女のこういう著作を読んで笑ったりできるということ、これが大事なんだな、とふと考えます。この著の話題に絡めますが、「金玉の小さいやつ」「尻の穴が小さいやつ」…、一応は、オトコに対して、ですよねぇ。オンナに対しては、どんな言い方があるだろうか?「オンナの腐ったようなやつ」ってものオトコ向けだし、「女々しい」のはたいていオトコだし。ちょっと、考えてみよう。それから、カヴァーにはさらに「……、抱腹絶倒&禁断のエッセイ」とありますが、ちっとも禁断なんかではありませんことです、よ。

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2010/03/13

米原万里のエッセイは、下世話なほど面白い。これは多分に読者である私の感受性の問題もあろうが、彼女自身の語り口も下世話なネタほど生き生きしているのだから仕方ない。本書冒頭のロシアンパンツの話など、彼女自身の幼少期の経験談と後年になってからの文献の知識が高い次元で融合し、何とも言えな...

米原万里のエッセイは、下世話なほど面白い。これは多分に読者である私の感受性の問題もあろうが、彼女自身の語り口も下世話なネタほど生き生きしているのだから仕方ない。本書冒頭のロシアンパンツの話など、彼女自身の幼少期の経験談と後年になってからの文献の知識が高い次元で融合し、何とも言えない変な雰囲気を醸し出している。そう、この雰囲気こそが重要なのだ。一歩引いて考えてみると、お喋り好きなおばちゃんが下世話な話で盛り上がっているだけなのに、この説得力は何だろう。これぞまさに彼女の真骨頂である。ただ、お食事中の人には全く薦められない。コーヒーがまずくなるので、カフェで読む本でもない。電車旅行のお供にでもどうぞ。

Posted byブクログ

2009/11/16

キリスト像の履いてる布は、パンツ?ふんどし? アダムとイブのイチジクの葉っぱはなんで落ちないの? 江戸時代の女の人は生理の時どうしてた? っていう下着の謎を次々と考える米原さんのエッセイ。 あほ臭いのになんかためになる気がする・・・?

Posted byブクログ