FRAGILE の商品レビュー
どう着地するのかが分からない、と言う点がもしかしたら木原作品の一番の特徴かもしれない。そして、偏愛を描いている、と言う点も、どの作品にも共通項としてあるかもしれない。その、木原作品の一番の特徴的なものを一番極端に表現しているのがこの作品かもしれい。愛していると先に自覚したものは相...
どう着地するのかが分からない、と言う点がもしかしたら木原作品の一番の特徴かもしれない。そして、偏愛を描いている、と言う点も、どの作品にも共通項としてあるかもしれない。その、木原作品の一番の特徴的なものを一番極端に表現しているのがこの作品かもしれい。愛していると先に自覚したものは相手に「固執」していき、愛される方は到底受け入れないものを押しつけられたり見せつけられたりして尚、相手の感情にほだされるのではなくて、それがあると言う事実を受け入れざるを得ない心理状態に追い詰められる、と言うのも木原さん特有なんじゃないかな、と思った。 そして「容赦がない」と言うよりは「手加減しない」と言う方が当たっているんじゃないかと思った。自分の生み出す登場人物が、こう書いたりこう言う台詞を言わせてしまうと誤解される可能性がある、と言う事を一ミリたりとも考えない人なんだろうなぁ。こう言うお話を書く、と決めたら加減しないのだ。それが話の中で必要であれば手加減せずに書く、と言うか。誤解を恐れない、と言うか、やっぱり作品として書く小説と言うものにおいて、自分の個人的な感情より作品の完成度が優先する作家さんなんだろうと思った。
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ピンクの背表紙と、それに相反するようなハード表紙。 近年見ていなかった『全裸の受に首輪付き』ですよ。 読む前から、ヤバイ香りが全面に押し出されてますが、読み始める と自分の読みの甘さにのけぞる。 鬼畜犬プレイがガチすぎです! 受の大河内が徹底的に厭なやつすぎて、同情する気にもならないの ですが、攻の青池のヤンデレっぷりももう半端なくて、完全に ヤバイ人です。 普通にこんな人いたら、そっこう仕事なんて辞めて海外にでも 飛んで逃げたくなるくらい、もの凄い執着です。 本編には救いがなさ過ぎて、読むのがしんどすぎたんですが、続編が これまた容赦なし。余すところなく鬼畜を書ききってます。 大河内を追いかけてさらなる執着を見せた青池の行動は、もう読者の 予想なんてはるかに上回りすぎてて、もうカオス…。 怖いものみたさ、というツワモノはぜひに。
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攻めの行動が酷い。でも受けの性格は最悪。 どちらが悪いとかは言えない作品だったと思う。 BLの監禁陵辱というと愛あっての鬼畜が前提の話が多いけど、これはホントに鬼畜。同じ分類で語っていいのか惑う。 中盤で青池とマスターが大河内をまだ抱いてないって言ってて「え、そうだっけ?」と思うくらい他の部分が濃かった。 こんなに痛いBLを商業で読むことはなかなかないと思う。
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ずっと気になってたけど心の元気な時にしか読めないと思って なかなか手に取れずにいた本。 元気な時に読んでも凄かった・・・激痛本です。 一生心に残りそう☆4 色んな意味でこれは大丈夫なんだろうか?(苦笑) 心の底からよかったなぁって思うのは受けがクソ野郎だった事。 じゃなきゃ許せ...
ずっと気になってたけど心の元気な時にしか読めないと思って なかなか手に取れずにいた本。 元気な時に読んでも凄かった・・・激痛本です。 一生心に残りそう☆4 色んな意味でこれは大丈夫なんだろうか?(苦笑) 心の底からよかったなぁって思うのは受けがクソ野郎だった事。 じゃなきゃ許せないでしょこれは(笑) 何回も嫌悪感で『なんだこれ!』と言いながら本を閉じましたが すぐ先が読みたくなるという不思議な作品でした。
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面白すぎて一晩で読んでしまいました。 青池の大河内に対する思いが報われなさすぎて… ヤンデレ好きは買いです。
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ぞっとするくらい深い愛、ということにしておこう。 全然ハッピーじゃないけど、あの二人にあれ以外のハッピーエンドはなかったんだと思う。
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これをおススメして貸したお友達に「痛くても辛くても最後まで読んでください。BLの読み方が変わります」という帯を付けて返されたw いやぁ、私この作品大好きです。
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監禁凌辱ものです。 正直きつい描写もあるので途中ちょっと気持ち悪くなりましたが、 読むことを止められずに全部読んでしまいました。 受の大河内はかなり性格が悪いですが、攻の青池も相当病んでます。受に対する憎悪と執着心と愛情とかものすごい。 このまま落ち着くんだろうかってところで置手紙のくだりは私もやられた~。 ラストはよっかたです。
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究極のSM?人間性まるまる剥き出しの愛情と憎悪をこれだけ生々しく描いた作品は、BL以外の小説でもそう滅多にお目にかかれるもんじゃない。 耽美でも華やかでもロマンでもない、この手の監禁話で衝撃を受け、魂を揺さ振られたのは想定外でした。 木原作品らしく、これでもかという息苦しさで読み...
究極のSM?人間性まるまる剥き出しの愛情と憎悪をこれだけ生々しく描いた作品は、BL以外の小説でもそう滅多にお目にかかれるもんじゃない。 耽美でも華やかでもロマンでもない、この手の監禁話で衝撃を受け、魂を揺さ振られたのは想定外でした。 木原作品らしく、これでもかという息苦しさで読み手をどん底に突き落とし、警戒させといて、また凍りつくような展開。心臓に悪すぎですね。 主人公の青池と大河内は、BLにあるまじき性格の悪さです。もうどっちがどっちかに殺されても文句なしの、ズルさと性悪の持ち主。で、双方ともかわいそうになるほど弱くてダメな奴。 青池が大河内を憎んで憎んで、憎みきれないのが反転して執拗な執着になる、その心理状態がじわじわと伝わってきて目を背けることができません。 痛い話だけど、それだけじゃ終わってないのがすごいところ。 ひとつひとつの仕打ちが過激で残酷で辟易するんだけど、段々そんな青池に同情心も湧くし、一方の大河内の騙し方逃げ方も酷すぎなんだけど、けっこう可愛いところもあるじゃんって思えるようになります。 そもそも、こんな奴のどこがよかった、青池?というのが世間一般の見方でしょうね。でも、人を好きになるってそういうもんで、理屈じゃないのはわかります。 二人のほめられたもんじゃない人間性に共感覚えたりして、ドキリとさせられるし、好きな相手に酷いことして苛めて泣かせて、それから死ぬほど優しくしたいドS攻願望が満たされました… 最終的に、大河内無自覚な愛が芽生えてましたね。でなきゃ、あのまま青池を見殺しにしてたに違いないし。ま、悪く見れば保身とか身勝手とか潜在的ドMなのかとも思えるけど。 二人の関係が確実に変化していることがわかるエンディングは絶妙です。 大河内は自分の気持ちを肯定しなくても、一緒にいて甘えてたから、割れ鍋に綴じ蓋で上手くやっていくんでしょうねー
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え、一文字も読まないうちからトラウマになりそうなんですが挿絵で………… と思いつつ、珍しく時間はかかりましたが読破しました。 これは…もう何というか最後の入院後のシーンまでボーイズラブというかボーイとボーイがバイオレンスって感じでした…でもさすが木原さん、最後はそう来るか…という...
え、一文字も読まないうちからトラウマになりそうなんですが挿絵で………… と思いつつ、珍しく時間はかかりましたが読破しました。 これは…もう何というか最後の入院後のシーンまでボーイズラブというかボーイとボーイがバイオレンスって感じでした…でもさすが木原さん、最後はそう来るか…という感じでしたね。 まず2ページ目でハサミが出てきた時点でびっくりしましたが、ハサミじゃ驚いちゃいけなかった。ドックフードはしばらく直視できません…w あれですね、木原さんの「眠る兎」の番外編は攻めが受けをちゃんと(というか普通に?)愛しているからこそああなったのであって、この話は攻めが受けをとてつもなく憎んでしまっているせいでこんなになっちゃったんですね…。と、なんだか眠る兎の番外編を思い出しました。 この本は特に終わり方が強く印象に残ってます。だって、最後の最後にあの一文だもの。読んでビックリです。 一切甘くはないですが、読後感は私はそんなに悪くはないです。 ただ、この本をもう一度読み返すのには、少し覚悟がいるかもw 最後にあとがきの木原さんの「勝手にやってくれ…」コメントに思わず笑ってしまいました。 書いたあなたもやっぱりそう思うんですか、とw
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