1,800円以上の注文で送料無料

チューバはうたう の商品レビュー

3.7

27件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2022/07/02

表題作を含めて3つの短編集でした。チューバを吹く女性を主人公にした表題作は、実際に経験したことを書いてるんだろうなァ、と思いました。数ある楽器の中で、チューバ吹きを少数言語を学ぶ人に例えるところなど、あるある、と同感致しました。小生はホルン吹きですが、さしずめホルンはイタリア語あ...

表題作を含めて3つの短編集でした。チューバを吹く女性を主人公にした表題作は、実際に経験したことを書いてるんだろうなァ、と思いました。数ある楽器の中で、チューバ吹きを少数言語を学ぶ人に例えるところなど、あるある、と同感致しました。小生はホルン吹きですが、さしずめホルンはイタリア語あたりかなァ? 百万の星の孤独も、いろんな人生を抱えた登場人物たちが緩く重なりながら展開していって、まるでそれぞれの人生を切り取って見せてくれているようでした。

Posted byブクログ

2022/03/20

題名に惹かれた。表題作品の主人公がチューバをこよなく愛するのはよくわかるのだが、それがなんとも説明口調でまどろっこしく。いまいち楽しめない話でした。

Posted byブクログ

2016/09/14

面白い!三本の短編で構成されている本であるが、一つ一つが読み応えがあり楽しく読ませてもらった。 そうだよ!音楽は理屈じゃないのだと、主人公に共感していました。

Posted byブクログ

2015/05/09

3編で構成されている本ですが、タイトルの「チューバはうたう」しか読み切れませんでした。(あと2編は興味を削ぐものでしたので)。 そのことを差し引いても高評価な一冊でした。 花形楽器以外を手にするすべての人の心の中を、すっきりと気持ちよく代弁してくれているような話で、読後がとても爽...

3編で構成されている本ですが、タイトルの「チューバはうたう」しか読み切れませんでした。(あと2編は興味を削ぐものでしたので)。 そのことを差し引いても高評価な一冊でした。 花形楽器以外を手にするすべての人の心の中を、すっきりと気持ちよく代弁してくれているような話で、読後がとても爽快でした。

Posted byブクログ

2014/09/22

ならば、私が、吹いてやる。 印象的なフレーズがあちらこちらに散見できる。言葉の選び方とつなぎ方が素敵だ。とても清廉なお話。 本書は3作品が収録されているが、やはり白眉はタイトル作の「チューバはうたう」。これはチューバのお話であって、チューバだけのお話にとどまらない。他人には説明の...

ならば、私が、吹いてやる。 印象的なフレーズがあちらこちらに散見できる。言葉の選び方とつなぎ方が素敵だ。とても清廉なお話。 本書は3作品が収録されているが、やはり白眉はタイトル作の「チューバはうたう」。これはチューバのお話であって、チューバだけのお話にとどまらない。他人には説明のつけられない自身の欲求というか、抑えきれないエモーションの物語。途中、ちょっと理屈っぽい箇所が玉に瑕だけれど、それを補って余りあるクライマックスの躍動感!音楽物だけに、まさに言葉のオーケストラかくあらん。とても素敵だった。 「飛天の瞳」「百万の星の孤独」は良作ではあるがちょっと作りすぎな印象が残る。残念。

Posted byブクログ

2013/05/23

 3つの短編からなる小説。最後の物語もいいが、やはり最初の二つが個人的には好き。思わず楽器を引っ張り出して演奏したり、あるいは大声でも鼻歌程度でも何か歌ってみたり、音楽をやってみたい気分にさせられた。  チューバという、ある種マイナーでユーモラスな形状の楽器が、あるいは南洋の観光...

 3つの短編からなる小説。最後の物語もいいが、やはり最初の二つが個人的には好き。思わず楽器を引っ張り出して演奏したり、あるいは大声でも鼻歌程度でも何か歌ってみたり、音楽をやってみたい気分にさせられた。  チューバという、ある種マイナーでユーモラスな形状の楽器が、あるいは南洋の観光地のいかがわしいバンドが放つ音が、突然嵐のように襲い掛かってくる。チューバを愛しながら人生の岐路に立つ女性に、そしてハッタリに満ちた波乱の人生を歩んできた病床の老人に。それが最終的にどういう結末を迎えるのかはわからない。ただ一瞬の風のように、過去の思い出や未来への不安を今だけは跡形もなく吹き飛ばしてしまう音楽の力を感じさせずにはいられない。その力は読者にも追い風となって、エネルギーをもらった気分になる。  淡々として、時に理屈っぽい文体なのだが、逆にそれも音楽の力を描写するための計算なのかもしれないな。傑作。  

Posted byブクログ

2013/05/22

せやねん、チューバやねん。 重くて、目立たんくて、息が必要で、そんでもって、低音を支える楽器。 著者が、チューバを好きなこと、 そして、かつてのわたしがチューバを好きだったことを思い知らされました。

Posted byブクログ

2012/08/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文体的にはやや読みにくい、かな。区切りが中々見え難い。 矢張り改行って大事ですね。 でも凄いチューバが好きなのは上手く説明でき無いと言うのは伝わってきましたし、ちびで小太りな先輩がお気に入りだったんですけども、記憶の中の人でしかないのが残念だったなあ。 あと、プラネタリウム!プラネタリウム見に行きたくなりました!!!

Posted byブクログ

2012/04/16

表題作含め3編の短編集。 わたしも学生時代6年間チューバをやっていたので、ただならぬ興味を感じて読んでみた。この表題作の主人公は自分で楽器を購入してひとりで吹くというすごいスタイルを貫き通していて、なんかもう色々すごいと思った。マジでかいんだよチューバ。 主人公の人生の中ではあま...

表題作含め3編の短編集。 わたしも学生時代6年間チューバをやっていたので、ただならぬ興味を感じて読んでみた。この表題作の主人公は自分で楽器を購入してひとりで吹くというすごいスタイルを貫き通していて、なんかもう色々すごいと思った。マジでかいんだよチューバ。 主人公の人生の中ではあまり重きを置かれていない様子の恋人が、微妙に勘どころを外しつつも主人公の音楽人生の原点とも言えるバンドの来日演奏会に連れて行ってくれ、その様子が山場。楽器吹きなら一度は体験してみたい、昇天するようなカタルシス。いいなあ。羨ましくなった。 初めて読んだ作家さんだったけど、他二篇も面白かった。どれも淡々としてはいるけど、静かな興奮を感じることができる感じ。

Posted byブクログ

2012/04/11

先日、金沢市の「海みらい図書館」へ行った時に書棚から「借りてって」とアピールされているように感じました。というか、タイトルの「チューバ」という文字が目に飛び込み、手に取ってみて表紙のイラストの雰囲気もよかったので借りてきました。最近小説読んでなかったので。 作者は瀬川深さんという...

先日、金沢市の「海みらい図書館」へ行った時に書棚から「借りてって」とアピールされているように感じました。というか、タイトルの「チューバ」という文字が目に飛び込み、手に取ってみて表紙のイラストの雰囲気もよかったので借りてきました。最近小説読んでなかったので。 作者は瀬川深さんという小児科医が本業の方。男性だとは思ったものの、一瞬チラと女性かと思いましたが、やはり男性でした。どうでもいいんですが。 「チューバはうたうーmit Tuba」「飛天の瞳」「百万の星の孤独」の三篇の短編が収められています。 表題作の「チューバはうたう」で第23回太宰治賞を受賞。 最初の二篇は内省的なモノローグ文体。他人の会話も地の文として書かれていて、段落も明確ではなく、自分の頭の中をそのまま文字にしたよう。好き嫌いが別れそうですが、私はとても面白く共感しつつ読めました。 最後の「百万の星の孤独」とても王道的な青春小説。とっても好きです。最初の2篇で投げ出してしまった方がいたとしたらもったいないので、このお話しだけでもぜひ読んでみて下さい。 ともすれば、周りの人々や日常のありふれた営みをつまらないと思いがちだが、そこに潜む人間の、その営みの深さに思いをはせることができる。それが三篇に共通するところ。著者の思いなのでしょう。

Posted byブクログ