未来をつくる資本主義 の商品レビュー
2008年発行と少し昔の本。 3部構成で、BigIssueやビジネスの現状を説明する第1部やBOPが如何に企業にとって意義と魅力のあるターゲットかを説く第2部は、取り上げられている事例を含め、この分野の書籍を1,2冊読んでいれば聞いたことのある話で目新しいものはなかったが、第3部...
2008年発行と少し昔の本。 3部構成で、BigIssueやビジネスの現状を説明する第1部やBOPが如何に企業にとって意義と魅力のあるターゲットかを説く第2部は、取り上げられている事例を含め、この分野の書籍を1,2冊読んでいれば聞いたことのある話で目新しいものはなかったが、第3部「土着化する」は興味深い。 感情的・非科学的な誹謗中傷やデモ、或いは違法コピーやテロリズムなどの犯罪は、冷静に考えれば謂れのない理不尽なものだが、相手の不当性を訴えても不毛であり、それよりも相手の言い分を聞き、対話を重ねることでビジネスの仲間にしてしまう方が賢明とのこと。 また、この不当性というのもあくまでこちら側の決めたルールであり、一部の資本主義国家内でしか通じない既存の常識・フレームワークは一旦棚に上げ、先方の実情を肌身で知ることをスタートとする思想は、西水美恵子さんの草の根活動や、瀬谷ルミ子さんの武装解除の手法に通じるものがある。
Posted by
***** 利潤の追求と環境の保護という対立構造で捉えるのではなく、その両者を結びつける問いの設定によって新しい価値の創造を追求して行く、その指南をするような一冊。 ***** これまで社会を維持してきた国家という枠組みを越えて、資本主義というイデオロギーによる新たな世界の創造が...
***** 利潤の追求と環境の保護という対立構造で捉えるのではなく、その両者を結びつける問いの設定によって新しい価値の創造を追求して行く、その指南をするような一冊。 ***** これまで社会を維持してきた国家という枠組みを越えて、資本主義というイデオロギーによる新たな世界の創造が果たして可能なのか。大資本によってこそ実現できることもあれば、大資本だからこそ捉われるジレンマも存在する。 ***** ちょうど並行して読んでいるリーンスタートアップとつなげて考えるともの凄く面白い。どちらも顧客に徹底的に近づき、そして「マネジメント」を効かせることを追求している。そこに予定調和的な線的成長を約束するシナリオはなく、目の前の現実にオープンに、フラットに向き合うことで新しい価値をともに作り上げる。 *****
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
持続可能な発展のためにはBOP市場の発展が欠かせない。 それも、今までの欧米式のやり方にあてはめるような発展ではなく、 新しい仕組みをつくることが、私たちに残された唯一の道なのではないかと思う。 巻末で紹介される、建設現場で働く3人の男の寓話。 何をしているのかと問われると3人とも違う答えをする。「石を切っている」「生活費を稼いでいる」「大聖堂をつくっている」 ただの歯車になるか、生活のために働くか、それとも作り出すか。 どれが良いかって言ったらみんな3番目だと思うけど、 これまでの価値観を全部壊して新しいところに飛び込む人は多くない。 これからはピラミッドの頂点ではなく底辺を目指して発展していく未来になると本書では語られています。 先進国で、欧米式の教育を受けた「知識人」が途上国のスラムに暮らす人との心理的距離を取り去って、現地に根付く技術を生み出す、雇用を生み出す。 全く新しい世の中のしくみ作りに携わる人間になりたいなと心から思いました。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
名著だと思う。 少なくとも僕にとっては名著だ。 著者はスチュワート・L・ハート 【大前提】 持続可能性こそ大事だ 【手段】 環境配慮とBOP この二つが本書の二大ポイント。 【環境配慮にかんする論点】 誤解→正解 環境保護はとビジネスは両立しない。 →両立する。 改善により環境保護を進める。ただベターなのは改善でなく、『環境保護を超える』イノベーション。 【BOPに関する説明】 ボトムオブピラミッドの略。つまりピラミッドの底辺=貧困層マーケット。 誤解→正解 経済発展・グローバル化により世界は豊かになった。 →世界の人口が60億人であれば、そのうち40億人は未だに所謂貧困層にあたる。 誤解→正解その2 貧困層に役立つことは儲からない。あくまで慈善事業だ。 →儲かる。ビジネスとして成立する。 (例) グラミン銀行 セメックス ピーアンドジー等 【BOPに関する論点】 ・『貧困層マーケットを開拓する』=『富裕層のモノを売り付けること』ではない。それは、大前提の『持続可能性』に繋がらない。 ・貧困層を『購入者・消費者』にするのではなく、生産者(≠労働者)にする。 ・そのためには貧困層を理解する=土着化する。先進国の文化・思考・仕組・資本主義を押しつけない。 ベストだ。この本を読んで、僕は変われた気がする(繰り返し!)。 もっともっと能力を高めたいと思った。 僕がやりたいことってこうなんだと思った。 超主観的考えだが、働くとは、ビジネスとは本来こうあるべきだと思った。 携帯がテレビが薄くなった、デジカメの画質がきれいになった、酒のカロリーが低くなった、裁定取引で儲かりました、 なんなんだそりゃ! どんだけ人の役に立ててるちゅーねん! 世界にはまだまだ困ってる人がたくさんいるんだよ。 技術、経済の発展、学問の発展ってなんのためだよ!儲かるためか? あーそうかもしんない、 でもさ、なんかどうなのそんな人生。 もっとあるだろ。ボランティア? そんなの解決策になるか! すんません言いすぎでした。ボランティアはこの世に欠かせないものです。 じゃなくて、抜本的解決かつ自分たちの豊かさ(対価をもらう)。 これだろ! 『企業が儲かったお金を寄付しました(東南アジアにーとか、植林にーとか)』まあ、それもいいけどさ、でもさ、世界に名立たる企業ならさ、英知が集まってるんならさ、抜本的解決をしてやってくれよ。 しかもそれはビジネスとして成り立つ可能性満載なんだよ。 営利活動と両立しないくないんだよ、両立するんだよ。 両立させるように頭を使うから、努力するから対価があるんだよ。 なんかひどい文章になってしまいましたがいつかはそんな働きかたをしたいと思う。 だからもっと力をつけたいと思う。 グラミン銀行の知ったとき(ヤフー時代のブログに記載。『これは知っとけ』かなんか。)以上の衝撃だ。 この本を読んで良かったと思う。
Posted by
tksおすすめ本シリーズ第3弾。これは特におもしろそう。レビューちょろっとみるだけども雰囲気はつかめるし、読みたくなるんじゃ? by よーいち
Posted by
経営セミナーのBOP関連の講義で参考図書として紹介されていたので読んでみました。ガラパゴス国内市場、北米富裕層市場に日本が注力している間に、韓国企業は、この様な分析をしっかり行い、新興国を責め、さらにBOPへも攻略を始めていたことを改めて感じました。BOP攻略の基本アプローチの概...
経営セミナーのBOP関連の講義で参考図書として紹介されていたので読んでみました。ガラパゴス国内市場、北米富裕層市場に日本が注力している間に、韓国企業は、この様な分析をしっかり行い、新興国を責め、さらにBOPへも攻略を始めていたことを改めて感じました。BOP攻略の基本アプローチの概念は解りましたが、実践となると今までの固定概念や経験的思考を相当意識して変えないと駄目ですね。
Posted by
マイクロファイナンスに興味を持ち始めた時に読んだ本です。 発展的なBOPビジネス、明るい未来を垣間見た、とても前向きになります。 登場するビジネスにエールを!
Posted by
読み応えがあって、おもしろかった。 貧困と環境問題に対して、多国籍企業(MNC)がどうアプローチするか。資本主義を悪者にするのではなく、持続可能な社会に貢献する方法が具体的に示されている。 多国籍企業だけに焦点をおいているのは、素人の私には違和感を感じまして。5ポイント-0.5...
読み応えがあって、おもしろかった。 貧困と環境問題に対して、多国籍企業(MNC)がどうアプローチするか。資本主義を悪者にするのではなく、持続可能な社会に貢献する方法が具体的に示されている。 多国籍企業だけに焦点をおいているのは、素人の私には違和感を感じまして。5ポイント-0.5ポイントの4.5ポイント。
Posted by
プラハラード教授と「The Strategies for the bottom of the pyramid」を共同で発表したスチュアート・L・ハート教授の著作。
Posted by
本書を読んでわからなくなりました。個人的には、「資本主義」を唱えるままの未来って残念な未来になってしまう気がしてならないんですが、そうではないという論理が展開されていて。。。未来をどう考えるか、やっぱり難しいテーマです。
Posted by
- 1
- 2