九つの、物語 の商品レビュー
2年前に亡くなった兄が突然復活して、普通に一緒に生活を始める。トンデモな設定だけど、ドラマチックな展開ではなく、どっちかというと、静かな純文学の雰囲気。9つそれぞれに、古典文学のエピソードも織り込まれていて、なかなか凝った造りの印象。心理描写の表現も、しっくりと好みだった。
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橋本さんの本は何冊か読んだことがあったのですが。 まさか、こんなに重い話だと思っていなかったので意外でした。 おいしい料理と、かつての名作家の作品を題材にした短編集。 最後のサリンジャー以外は日本人作家を題材に使っています。 サリンジャーのNine storiesをベースに書...
橋本さんの本は何冊か読んだことがあったのですが。 まさか、こんなに重い話だと思っていなかったので意外でした。 おいしい料理と、かつての名作家の作品を題材にした短編集。 最後のサリンジャー以外は日本人作家を題材に使っています。 サリンジャーのNine storiesをベースに書いているようです。 思っていたよりも重厚で引き込まれてしまいました。 山椒魚の改変論争のくだりは結構好きでしたね。 井伏鱒二ですけど、まだ読んだことはないので読んでみようかな。 何かが解決されたのかよく分からないけど。 生きることは醜くも美しいとは良く言ったもんだと思います。 きっと近いうちにまた読み返す日がくるんじゃないかと思います。 瀬尾まいこさんの幸福な食卓と通じる部分があるような気がしました。
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不思議な話だった。現実的な物語かと思いきや、幽霊が普通に見える生活とは…。ラストは想像してた通りだったけど主人公と同じ気持ちになって淋しいとか思ってしまった。この作家の物語にはよく料理上手な男性が登場する。作家も料理上手なのでしょうね(笑)
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一話ごとに小説が一つ出てくる。後半は出てくる小説とこの物語がリンクしているところもあったけど、前半はストーリーとあまり関係がない気がする。 ただ、文章や雰囲気がとても優しくて読んでいて心地よかった。 2010.07.10
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たくさん引用したい言葉が、いろんなところにあった。ストーリー自体はよくある話なのかもしれないが、橋本さんの独特な語り方でどんどん引き込まれた。
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■もう1度取り戻せるだろうか。失ってしまった、大切な人を。見えなくなった、自分の心を。繊細で壊れやすい心に響く、9つの物語。 ■■喪失と再生をテーマにした兄妹の不思議なお話でした。いいお話なんだけど、なんか料理もすっげーおいしそうだったし。でも、ちょっと二人の関係がくどすぎて、...
■もう1度取り戻せるだろうか。失ってしまった、大切な人を。見えなくなった、自分の心を。繊細で壊れやすい心に響く、9つの物語。 ■■喪失と再生をテーマにした兄妹の不思議なお話でした。いいお話なんだけど、なんか料理もすっげーおいしそうだったし。でも、ちょっと二人の関係がくどすぎて、後半食傷気味になってしまったのは、わたしだけか。兄妹というのが、逆に自分には生々しく感じてしまったんだと思う。あとね、優しいんだかやきもち焼きなんだか(結局は自分勝手なだけなんじゃないのか?)、恋人の存在もダメだった。今回登場人物をすべてひねて見てしまった。これは、自分的にはダメでした。
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よかった。するする読みやすいし。 主人公の女の子と、幽霊のお兄ちゃんと、恋と本の話。 各章で主人公が読んでる本がテーマになっていて、どれも古い話だけど読みたくなってくる。特に気になったのが「ノラや」と改変前、改変後がある「山椒魚」 お兄ちゃんがとても素敵で、優しいしかっこいいし少しさみしい感じだし料理上手で素敵。 こんなお兄さんに愛されてる主人公はしあわせものだ! お兄ちゃんのトマトスパゲティ、作ってみたいからメモしとく。 フライパンにオリーブオイルとつぶしたにんにくひとかけを入れて、ゆっくり熱する。ヘラでにんにくを細かく潰しながら。 カルダモン、ローズマリー、バジル、タイム、オレガノ、クローブを小さじ一杯ずつくらい入れる。 オリーブオイルでスパイスを煮るような感じ。 ホールトマトを入れて、塩で味を調える。 ゆで上げたパスタを入れて完成!
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切ないけど、心がとても暖かくなるお話でした。そしてとても恋がしたくなる一冊です。誰かに大切にされるっていいなぁと切実に思いました。読んでるだけでおいしさが伝わってくるようなお兄ちゃんの料理とともに、優しくなれるような気がします。素敵な兄と彼氏を持つゆきなが羨ましくもあり、ちょっと...
切ないけど、心がとても暖かくなるお話でした。そしてとても恋がしたくなる一冊です。誰かに大切にされるっていいなぁと切実に思いました。読んでるだけでおいしさが伝わってくるようなお兄ちゃんの料理とともに、優しくなれるような気がします。素敵な兄と彼氏を持つゆきなが羨ましくもあり、ちょっと嫉妬してしまうくらいでした。
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ありがちではあるけれど、独特な世界観の作家さん。 登場人物達が皆いい人であることも嘘っぽくならず、心があたたかくなる小説。良かった!
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橋本紡さんの「九つの、物語」読了。この方の小説は「流れ星が消えないうちに」に続いて二冊目。独特な空気感を放つ橋本ワールドは前回も読んで良かったし、今回も読んで良かったので感想書いてみることに。 内容は兄妹がひたすら料理をつくって食べる話(かなりはしょってるかも笑)。取り立てて大きな話の転換はなく、淡々と物語が進む感じ。けれど、読み終わった後の余韻がとても心地よく、読んで良かったと思えた。でもまさかと思えるような劇的な展開やオチ的なものを期待して読む作品ではないので注意が必要かも。好き嫌いが分かれる作品。 ちなみにこの本、小説なのに禎文(主人公の兄)式トマトスパゲッティなるレシピがついている。ただ、このレシピはいろんなスパイスを使っているのだけど、注意事項として決してスパイスの量を計ってはいけないのだそう。 おいしそうなものを好きなだけご自由にの精神。 禎文曰く、「この料理のいいところは不真面目につくれるところ」。つくるたびに味が違う、食べてみないとどんな味なのかは分からない、それが人生みたいでおもしろいじゃないか、とのこと。普段自分も料理する時は結構適当なので、なんか妙に納得してしまった笑 てわけで、いろいろ買ってきたので、試してみます。以上、感想終わり!
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