きいろいゾウ の商品レビュー
うーん、後半は雰囲気でかなり泣いてしまったのだが、私あんまり西加奈子得意ではないのかも…? 主人公?のツマが"わがままな不思議ちゃん"という感じであまり共感できなかった。 対してムコさんも、あまりにも"理解のある彼氏くん"という感じ 子供っ...
うーん、後半は雰囲気でかなり泣いてしまったのだが、私あんまり西加奈子得意ではないのかも…? 主人公?のツマが"わがままな不思議ちゃん"という感じであまり共感できなかった。 対してムコさんも、あまりにも"理解のある彼氏くん"という感じ 子供っぽく奔放な、そこいらの都会にいる女とは違うのだぞって感じなのかもだけど… 最後のお墓のエピソードもなんか突然だったな〜 確かに後半は登場人物に愛着も湧いていて色々悲しかったり良かったねって気持ちでうるうるはしたのだけど… なんか言ってることもよく分からなかったり、雰囲気で押されてしまったな〜という感じ… 比喩表現が好きな人は好きだと思うけど、世の中でなぜこんなに評価されている小説なのかはいまいち分からなかった
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
最初の田舎暮らしの描写がすごく好きで、自分の好みにもフィットしていたんだけど、だんだんと見えてくる主人公「ツマ」のメンヘラのような、モラトリウムのような気質に少しイラッとしてしまい、私には合わないかも…?と思うときも多々あった。半分過ぎたくらいからは、良いシーンも沢山でてきて、やっぱり登場人物(特にアレチさんと駒井さん)の好感度もどんどん上がって、楽しい読書ができた。コソクやカンユ、メガデスと言った動物たちのキャラクターの描かれ方、そして植物や虫のキャラクターの描かれ方にはとても新鮮味を感じ、面白かった。 最後はツマもムコも成長する終わりで、気持ちよく読み終えられた。 でもやっぱり、個人的には「きりこについて」の方が好きだったかも。
Posted by
小学生からおじいさん・おばあさん、さらには動物や植物まで、多様でクセの強い登場人物たちが織りなす、不思議な物語 かっこいい不登校の小学生・大地くんと、元漫才師のつよしよわしが、特にお気に入りです
Posted by
初めは田舎暮らしほっこり系かと思ったが、途中からメンヘラ不思議ちゃんとメンヘラ大好き男の話になり自分には合わなかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夫婦の愛ってこういうものなのかなと心が暖かくなり、結婚を間近に控えた今のタイミングで読めて良かったと思える本だった。 自然豊かな田舎で仲良く暮らす若夫婦、ツマとムコのほのぼのとした日常生活を描きながら、2人の過去に何か暗いものがあり、今もそれに引きずられていることも徐々に明らかになり物語にぐっと引き込まれた。 夏から秋、そして冬になるにつれて感じる物悲しい空気感の描写も相まって、ムコがツマから離れてしまうかもしれない予感が漂ってきたあたりからは、読んでいて苦しくなってしまい耐えられず小説の最後のページを読んでしまうという絶対にやってはいけないことをしてしまった笑 そして最後の一文、大きな文字で書かれたそれに安心して小説の残りを堪能した。 大切な人だからこそ、その人を失う恐怖を感じてしまうことが私にも度々ある。 夫婦になっても相手の全てを知ることも理解することもできないと感じて、やっぱり違う考えを持つ他人なんだと改めて感じることもあるだろう。 色々あったとしても、一緒にいることが暖かくて尊くて、なんて幸せなんだろうと思える夫婦になりたいなと思った。 きいろいゾウの絵本、きっと美しい絵本なんだろうなぁ。読んでみたいなぁ。
Posted by
東京から海辺の田舎町へ引っ越してきた夫婦のお話です。「むこさん」も「つま」も奇跡のように出会って結婚したけれど、田舎町でのんびり暮らすにしては過去やキャラクターに一癖のある2人。それでも過去を顧みながらお互いを選びきった2人はこれからも波乱を乗り越えられるんだと感じました。
Posted by
田舎にやってきた都会の夫婦、武辜歩と妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う。「ムコさん」には背中に鳥の刺青が、「ツマ」は動植物と会話することができる。しかし、お互いそのことについて詳しくは知らなかった。ツマ主体の物語だが、ムコの日記が書かれていて互いの感じ方に違いがあ...
田舎にやってきた都会の夫婦、武辜歩と妻利愛子。お互いを「ムコさん」「ツマ」と呼び合う。「ムコさん」には背中に鳥の刺青が、「ツマ」は動植物と会話することができる。しかし、お互いそのことについて詳しくは知らなかった。ツマ主体の物語だが、ムコの日記が書かれていて互いの感じ方に違いがあることが分かる。田舎で生活していく中で徐々にお互いについて知っていく。いろいろ大変なことはあるが、夫婦で乗り越えられないことはない、と教えてくれる温かい作品。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ツマ視点の生活とムコの日記の二つの視点からなる小説。 読み進めていくうえで惹かれたのはツマという女性の眼と彼女自身。幼少期にはだれもが見ていたであろう創造(想像)の世界。ツマの見ているのは創造とは違うのだけれど、私からすると同じような非現実性、神秘性、儚さをもっていた。それは感受性の豊かさが生むのか子供時代の不思議な体験が作り出すのか。私にはわからない。けれど、彼女の見ていた景色が色鮮やかで、愛とか平和とかそういうのに富んでいて、そこに生きる話す動植物たちが彼女の温和で不思議で優しい魅力のある人物像につながったのは紛れもなく事実であると思う。 ツマ目線でずっと読み進めて来たために、アレチさんが過去の戦争体験を告白するシーン、またそれをツマが追体験するシーンでは思わず涙腺が緩んだ。どうにも知りようのない辛さ、悲しみを感じさせられると泣いてしまう。故に戦争だったり病気で誰かを失う話では、自分が知らないことだからこそ自分のこと以上に泣いてしまう。それが同情からなのか感情移入からなのかはわからない。 さっきからわからないことだらけだけど仕方がない、私の見てるそれとは大分違ったものがこの本には書かれていたから。 大地くんも魅力ある登場人物の一人。立場的に自分を置き換えるなら彼のポジションかなあ、と思う。何かに憧れて、でも恥をかくのが怖くて、大人にはなりたくないけど子供は嫌で、それでも憧れるからどうにかもがきたくて、自分は大地君よりもプライド専攻で生きてしまっているから、彼の姿から言葉から伝わってくるもの、尊敬することはたくさん。 9歳おそるべし。 素敵な物語
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
平木直子さんが暴力を振るってくる夫のことを、愛おしいと感じると言っていたのが衝撃だった。でも元々、暴力を振るってくるから愛してないといえるのか、暴力を振るわないから愛しているといえるのかとか、愛について疑問に感じていたからかなんだか納得した。 なにか自分に害を及ぼしてくる人だからといって、その人のことが必ずしも嫌いになるわけではないんだろうなと。その人なりの愛の形をみせてもらった。 読み終わった後に暖かい光が胸に広がってくようなそんな気持ちにさせてくれる作品。 解説の方の話もとても好きでした。
Posted by
全く予備知識なく読んだので、最初はほんわかした夫婦の日常を切りとったような話かと思っていけれど、2人がそれぞれ抱える問題や葛藤が明らかになっていき、最後の方は物語に心が引き摺り込まれて本当に胸が痛む感覚でした。読み始めは関西弁の会話が気になりましたが、それによってムコさんの日記の...
全く予備知識なく読んだので、最初はほんわかした夫婦の日常を切りとったような話かと思っていけれど、2人がそれぞれ抱える問題や葛藤が明らかになっていき、最後の方は物語に心が引き摺り込まれて本当に胸が痛む感覚でした。読み始めは関西弁の会話が気になりましたが、それによってムコさんの日記の温度の低さが強調されて、全体的に緊張感が増しています。この小説はかなり凄いと思いました。改めて著者は天才だと思いました。
Posted by