ブンナよ、木からおりてこい の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
この本はもう20年以上前 ある事で悩んでいるときに、偶然手に取った本です。 今でも何かの時に思い出し読み返していて もうボロボロになってしまっています。 ジャンルは児童文学。著者は水上勉さんです。 もともとは1972年に『蛙よ木からおりてこい』という題で刊行されました。 青年座によるお芝居や、アニメ化もされているので 聞いたことがある方も多いかもしれません。、 内容のエッセンスとしては 生きとし生きるものはすべて 生命を頂いてその中を一生懸命に生きているんだ。ということ。 (ああ、文章にしてしまうとなんて陳腐) 主人公のトノサマガエル、ブンナは 自分の力試しに高い椎の木に登ります。 ある秋の日に、とうとうてっぺんまでたどり着き 「ここは天国だ」と有頂天になりますが やがてその場所が実は恐ろしい鳶のえさ置き場だったと知ります。 ブンナはそこにあった土に隠れながら 鳶にさらわれてきた雀、百舌、鼠、蛇、うしがえる、などの 後悔、ざんげ、あきらめ、自慢、 母への思念を聞きます。 さまざまな動物たちが生への思いを語り そして鳶にさらわれ、また息絶える。。。 ブンナそれに怒ったり驚いたり悲しんだりしながら やがて、命の流れに気が付いていきます。 最後のページでブンナは仲間たちにこう呼びかけます。 「おーい、みんな、がんばって生きようね、きょう一日をね、 生きられるきょうのよろこびを・・・・きのうのかなしみなんかわすれてね・・・・ みんな声をあわせてうたおうよ」 この本は巻末に 「母たちへの一文」--あとがきにかえて-- という文章が付されています。 水上氏は、この文章を 母が子供たちに朗読するために書いたそうで 私も、母としての視点で読んでいたことが多かったのですが 最近はいっぽいっぽ手探りで進んでいる自分個人の視点から 読み直していることに気が付きました。 お子さんがいらっしゃる親御さん。 生きる意味を探しているお若い方。 今、悲しい報道ばかり錯綜している今の世に 心が揺れている、そんな方に。 小さなカエルのブンナからの 大きなメッセージが伝わるのでは。と。思います。
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ずいぶん前に古本屋で購入したのですが、この頃は図書館で借りた本を読むのにかまけてずっと積んであるだけでした。連休中は図書館に行かなかったので読む物がなくなりそう言えば前に買ったなあと引っ張り出してきました。 とても素敵な話でもっと早く読めばよかったと思っております… この世...
ずいぶん前に古本屋で購入したのですが、この頃は図書館で借りた本を読むのにかまけてずっと積んであるだけでした。連休中は図書館に行かなかったので読む物がなくなりそう言えば前に買ったなあと引っ張り出してきました。 とても素敵な話でもっと早く読めばよかったと思っております… この世は弱肉強食で生きているものはなんらかの形で他者の命を食べて生きながらえている。その事を頭では納得していても実際死の差し迫った状況に置かれた際、観念出来るのだろうか?私もスズメみたいにあさましく他者を売っても生きながらえようとするだろうなあ… あとがきが又素敵でした。 「いったい誰が人なみでいることをわるいときめたか。また、人なみでないことをダメだときめたか。」 水上勉さんはやっぱり素敵だなあ。この頃読んだ本の中では一番でした。最後の辺りは泣いてしまいましたよ。
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いろいろあった中学校の時、売店のおばさんにこの本を 勧められて読みました。それから人生変わった気がします。
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水上勉は好きだけど、童話っぽいということで敬遠していた一冊。 しかしながらとても良い小説でした。 他者を殺して食べることなしには生きることができないという、忘れがちだけど当たり前の事実を、とてもわかりやすい形で示しています。
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ブンナの素直な心がいい。 いつ地上に戻るんだ〜〜と思って読んでましたら、メインが木の上での話だということに途中で気づく(笑) ねずみの死体から蝶が飛ぶ(?)シーンが美しくて印象的。
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水上勉の書き下ろし児童文学作品!!めっちゃオススメです。木登りが得意のトノサマガエル、ブンナが木の上まで得意になってのぼると、なんとそこは、鳶のえさ置き場だったのです。えさとして運ばれてきた動物たちの話が、人間の本性を表しているようで、とっても奥深いのです。水上勉が、母親が子ども...
水上勉の書き下ろし児童文学作品!!めっちゃオススメです。木登りが得意のトノサマガエル、ブンナが木の上まで得意になってのぼると、なんとそこは、鳶のえさ置き場だったのです。えさとして運ばれてきた動物たちの話が、人間の本性を表しているようで、とっても奥深いのです。水上勉が、母親が子どもに朗読してやるように書いた作品なので、読み聞かせにはもってこいです。ウチの娘たちが3〜4歳のころに初めて読んでやりましたが、その後、何度もくり返し読んでやっています。
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タイトルも、主人公がカエルだという事も知っていたけれど、読んだ事のなかった水上勉さんの代表作。これは児童文学だけど、大人が読んでも面白い。 高い木に登ったブンナが、そこで見る(聞く)弱肉強食の世界。生きている物には平等に太陽は降り注ぐし、雨風は厳しい。でも平等だけど世の中は弱肉強...
タイトルも、主人公がカエルだという事も知っていたけれど、読んだ事のなかった水上勉さんの代表作。これは児童文学だけど、大人が読んでも面白い。 高い木に登ったブンナが、そこで見る(聞く)弱肉強食の世界。生きている物には平等に太陽は降り注ぐし、雨風は厳しい。でも平等だけど世の中は弱肉強食で、強い物は弱い物に容赦はしないし、賢い者は愚かな者を蹴落として生きていく。どんなに冷酷な者にも親は居て、親は無償の愛を子に注ぐ。 いじめが再び問題化する今、こうやって読むと、とても感じるものがあります。
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カエルの話。表紙で敬遠しないでください。人生の縮図がここにあります。何かを学び感じること間違い無しの一冊です。
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これは小学生の時に読んだ大好きな本。アニメっぽい挿絵が入ったりして一見童話のようだけど、大人に読んでもすごくいいと思う。自然の摂理というか弱肉強食の世界から、生きることの大切さまで色んなことを教えられます! 「ブンナよ、お前はいつでも死ぬ覚悟はできているか」 「みんなの命はつな...
これは小学生の時に読んだ大好きな本。アニメっぽい挿絵が入ったりして一見童話のようだけど、大人に読んでもすごくいいと思う。自然の摂理というか弱肉強食の世界から、生きることの大切さまで色んなことを教えられます! 「ブンナよ、お前はいつでも死ぬ覚悟はできているか」 「みんなの命はつながっている。自分ひとりの命じゃないんだ。だから大切に生きようよ!」 この本にはなかなかいい言葉がいっぱい。小動物の世界なのにね。
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弱肉強食の世界を、偽りなく伝えてくれていると思う。 生きることを当たり前に思わせない、小学生にも読んでもらいたいなって思う。
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