事件 の商品レビュー
かつてNHKのドラマで放映されてたような気がする。見なかったけど。大岡昇平の作品というのが記憶に残った。「野火」とは全く異質の作品。裁判をテーマにドキュメンタリー風な小説。法律用語が飛び交って読みづらいかと言えばさにあらず。面白かった。主人公が主任裁判官か、弁護士か、不明なまま読...
かつてNHKのドラマで放映されてたような気がする。見なかったけど。大岡昇平の作品というのが記憶に残った。「野火」とは全く異質の作品。裁判をテーマにドキュメンタリー風な小説。法律用語が飛び交って読みづらいかと言えばさにあらず。面白かった。主人公が主任裁判官か、弁護士か、不明なまま読み切ったがぼやけたまま。あまり主題とは関係なかったようだ。人が人を裁き切れるのか。でなければ裁判とは何なのか。日頃とっつきの悪い舞台に惹きつけられる。2023.4.9
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朝日新聞に連載中は、『若草物語』といふタイトルだつたさうです。当初は青春小説の心算だつたらしい(ただし若者の犯罪を通して青春の無軌道さを描く心算だつた)。完成作品とは似ても似つかぬタイトルですな。 それが執筆を続けるうちに、裁判小説となり、表題も『事件』と改題されました。 19...
朝日新聞に連載中は、『若草物語』といふタイトルだつたさうです。当初は青春小説の心算だつたらしい(ただし若者の犯罪を通して青春の無軌道さを描く心算だつた)。完成作品とは似ても似つかぬタイトルですな。 それが執筆を続けるうちに、裁判小説となり、表題も『事件』と改題されました。 19歳の若者・上田宏くんは、神奈川県の田舎町に住む好青年。そののどかな町で、坂井ハツ子なる女性が殺害された。この女性は、実は上田くんが同棲してゐる坂井ヨシ子の姉でありました。で、いろいろあつて証拠が揃つたとして、上田くんは殺人と遺体遺棄の容疑で逮捕されます。未成年といふことで少年法の規定により、家裁へ送られ、さらに横浜地方検察庁に送致されたのでした。 その後は裁判所が主たる舞台で、裁判小説の様相を呈してきます。記憶が飛んでゐるといふ上田くんは果たして冤罪なのか? 青春小説から裁判小説へと変貌した理由について、著者の大岡昇平氏は、あとがきの中で「日本の裁判の実情があまりにも、裁判小説や裁判批判に書かれているものと異なっているのに驚き、その実情を伝えたいと思うようになった」と述べてゐます。 日本の裁判制度にメスを入れ、推理小説としての体裁も整つた、読み応へのある長篇小説であります。 http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-784.html
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もしかすると、大岡昇平の本を読むのは初めてかも。日本推理作家協会賞受賞作の法廷物。弁護士、検事、裁判官たちのやりとりにドキドキします。
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いや~、完全にノンフィクションだと思いました。それだけ描写が緻密で、実際の裁判風景が目に浮かぶようなリアリティが伴ってるってこと。もちろん陪審員制度はない時代だし(でも作中では触れられている)、前時代的に感じられる部分も少なくない。でも本当、実際の案件の中から印象的なものをチョイ...
いや~、完全にノンフィクションだと思いました。それだけ描写が緻密で、実際の裁判風景が目に浮かぶようなリアリティが伴ってるってこと。もちろん陪審員制度はない時代だし(でも作中では触れられている)、前時代的に感じられる部分も少なくない。でも本当、実際の案件の中から印象的なものをチョイスして、素人にとっても平易な言葉で書かれていて、裁判の入門書みたいな感じも受けました。真実を追究する弁護の妙も真実味があって、法廷シーンはかなり引き込まれました。ゲームの逆転裁判やってるみたいに熱中してしまいました。面白かったです。
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話はなかなか面白く、裁判の流れもよくわかったが、説明が詳しすぎて、話の流れが途切れてしまう感じがありちょっと残念だった。裁判について勉強になりました。
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別の方のネタバレを読めばあらすじはそこで分かり、 この題材をミステリーにしようとしたらこの書の1/4で終わりそうな内容ですが、 裁判を通じて描かれるからこそその裁判での扱いの難しさやそこで気づくことの難しさを感じました。 はじめは「大岡昇平がこんな小説書くんだ?」と驚きましたが...
別の方のネタバレを読めばあらすじはそこで分かり、 この題材をミステリーにしようとしたらこの書の1/4で終わりそうな内容ですが、 裁判を通じて描かれるからこそその裁判での扱いの難しさやそこで気づくことの難しさを感じました。 はじめは「大岡昇平がこんな小説書くんだ?」と驚きましたが・・・
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これも部長から、面白いと言われて借りたけど、確かに面白かった。捜査に不備があった事件ということで、刑事裁判の進展に沿って事実が見事明らかになって判決に至るけど、刑事裁判による真実解明の限界がしっかり描かれているのもまた見事。いろいろ正確。当時の刑事裁判の進行、時代を感じるけど、現...
これも部長から、面白いと言われて借りたけど、確かに面白かった。捜査に不備があった事件ということで、刑事裁判の進展に沿って事実が見事明らかになって判決に至るけど、刑事裁判による真実解明の限界がしっかり描かれているのもまた見事。いろいろ正確。当時の刑事裁判の進行、時代を感じるけど、現在の公判迅速化のやり方や問題と通じるところもあり興味深い。ただ右陪席が家に帰って、判決前に妻に主文を言ってしまうのは、、、?
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小説としての内容は、それほど面白いわけではないが、事件から公判、結審までの流れが、とてもよくわかる本。 勉強になった。
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人が人を裁く難しさを痛感します。テレビの法廷ドラマとは違って、淡々としたリアルさが胸に迫ります。はたして”真実”とはいったい何んだろうと考えさせられる作品です。
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今、読んでもまったく古さを感じませんでした。たまに作者の説明が入るのが、面白かった。 大岡さんの代表作も読んでみます。
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