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エデンの東(4) の商品レビュー

4.4

25件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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2015/01/30

ティムシェルー汝能ふ。「汝は罪を治むることを能ふ」どんな人生にするかは自分自身で選択する権利がある。 4巻を通じて、いろんな人の「選択」を見ました。切ないけど、力強さを感じる読後感。ティムシェル伝道師、町田樹くんありがとう。

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2014/05/08

米国カリフォルニアを舞台に、19世紀から20世紀前半までの約100年に渡るある一族における各世代の父と子の葛藤を描いたファミリーサーガとして知られるけど、同時に兄弟、親友、そして男と女の間にある葛藤をも描いていて、米国という国の精神のあり方もここにあるのかな、などと読んでいて思っ...

米国カリフォルニアを舞台に、19世紀から20世紀前半までの約100年に渡るある一族における各世代の父と子の葛藤を描いたファミリーサーガとして知られるけど、同時に兄弟、親友、そして男と女の間にある葛藤をも描いていて、米国という国の精神のあり方もここにあるのかな、などと読んでいて思った。第4部だけでなく、全部を映像で観てみたいし、その時には映画化ではスルーされたリーのこともしっかり描いてほしいと思ったけど、もうすでに実現してるか、スケールの大きさで実現不可能かのどちらかなんだろうな。

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2014/04/28

聖書の「カインとアベル」を下敷きにした物語の完結編です。 ティムシェル。 人は自分の生きる道を自分で選びとり、困難を打ちのめし、勝利を自分の手で得ることができる。 かつて罪を犯した人間も、血筋の良くない人間も。 これはものすごい自己責任を伴うことで、自由とは苦難の連続なのかも...

聖書の「カインとアベル」を下敷きにした物語の完結編です。 ティムシェル。 人は自分の生きる道を自分で選びとり、困難を打ちのめし、勝利を自分の手で得ることができる。 かつて罪を犯した人間も、血筋の良くない人間も。 これはものすごい自己責任を伴うことで、自由とは苦難の連続なのかもしれないけれど、その困難に立ち向かっていく力があるのも人間なのかな…って思いました。 何度も読んでみたくなる本でした。

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2014/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

町田君のインタビューを聞いた時、こんなにティムシェルの言葉が重要だったなんて思いも寄らなかった。 主軸はアダムが主人公になって物語は展開するけれど、サム・ハミルトンやキャル、キャシー(ケイト)、リー、アロン、周りの登場人物たちもそれぞれの生き方があって面白い。 文中に、たまに「私」が出てくると読んでいる目線が少し俯瞰的になって、また登場人物たちが動くと目線が近くなるというか。 アダムがケイトと別離した後で恋人を作らなかったのは何故だろう。 佳境でケイトと過ごす時間が生きる時間だ、みたいな描写があったけど。一途に好きだった時にはケイトを見ていなかったのに。子供たちに目がいくようになってから、そういう存在がいても良いのに。やっぱり離婚していない以上、そういう描写は時代背景として出来ないのかな。それとも聖書の内容を理解していれば、アダムという名前からなんとなく分かる部分があるのかもしれないけれど。 ---------- 『治めよ』ではなく、『治めん(む)』。 汝治むることを能う。

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2014/02/16

キャシーがなぜああいう最後になったのか、結局疲れてしまったということなんだろうかと思いつつ、そもそもなぜあんな人生を選んだのか、何がそうさせたのか、と思ったり(自分の能はのまま暴走してしまった感じ)だれも彼女を理解して導くことができなかったのが不幸だなと。アランはキャシーを愛して...

キャシーがなぜああいう最後になったのか、結局疲れてしまったということなんだろうかと思いつつ、そもそもなぜあんな人生を選んだのか、何がそうさせたのか、と思ったり(自分の能はのまま暴走してしまった感じ)だれも彼女を理解して導くことができなかったのが不幸だなと。アランはキャシーを愛していたかもしれないけどキャシーの求める愛ではなかったということかと。キャルはずっと不憫だったけどちゃんと最後アランに許してもらえて、アブラもそばにいてくれて本当によかったよね。ただアロンはかわいそうだった。

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2013/08/21

古典。でも予想外に面白かった。 きっかけは、アメリカ文学と言えばフィッツジェラルドとかサリンジャーと思っていたら、何言ってんの、スタインベックなどなどでしょと言ってくれた人がいたため。 旧約聖書のカインとアベル兄弟の物語をベースにしてるのはよく知られてることだけど、それに著者...

古典。でも予想外に面白かった。 きっかけは、アメリカ文学と言えばフィッツジェラルドとかサリンジャーと思っていたら、何言ってんの、スタインベックなどなどでしょと言ってくれた人がいたため。 旧約聖書のカインとアベル兄弟の物語をベースにしてるのはよく知られてることだけど、それに著者自身の解釈をしてる。 汝能う(なんじあたう)。

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2012/08/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高校の授業でジェームズ・ディーン主演の映画を見ました。 あれはほんの一部だったんですね。 スラスラ読めるし、胸にも響く所は多々あるのですが どうしても疑問点が残ってしまい、星は2つです。 サミュエルとリーは間違い無く魅力的な人物。 彼らの話している話は非常に面白かった。 そして、もちろん、この話の核心である「timshel」というヘブライ語。 この作品は旧約聖書の創世記におけるカインとアベルの確執、 カインのエデンの東への逃亡の物語を題材としているのですが 聖書において、神は罪を犯したカインに 予言したわけでも、命令したわけでもない・・・ というのが、この作品の言わんとするところです。 (何を言わんとしているかは伏せておきます。 正直、その意味には痺れました。) さて、疑問点とは。 なぜ、この作品にはどうしても人に愛されない人が登場するのか。 文章から読み取るに、私にはそれは生まれ持ったものであるように 思われたのですが、それについて深い掘り下げは無いのです。 「ただ、生まれた時からこうだった」みたいな感じ。 愛されたいと渇望し、努力しても、決して報われない。 チャールズにしろ、キャシーにしろ、もちろんキャルにしろ。 (キャシーはちょっと違うかな・・・) それに対するかのごとく、必ず愛される人が目の前にいる。 そりゃ、悪くなってもしょうがないよね的な。。。 人物の内面を描くと言う意味では、あまり優れた作品とは思えない。 聖書をモチーフとした作品だし、おそらく「timshel」を 言わんがために書かれた作品なので、 しょうがないと言えばしょうがないのかもしれない。 聖書もしくはキリスト教への理解が足りないせいかもしれない。 それでも、こんなにも重い枷と選択を迫られる、ある意味、 選ばれた人間と言うのは悲しすぎる気がした。 キリスト教徒の人だったら、神の業として理解できるのかなぁ。 読んで損は無いです。 文庫で4冊ですが時間もかかりません。 「timshel」の意味を知っただけでも十分、価値はあった。

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2012/05/07

通勤時間に本が読めるおかげで、文庫4分冊もいいペースで読了できた。 1巻で、キャサリン(ケイト)という女性の存在が重要な位置を占めている気がする という思いを抱いた。それは全巻を通じて変わらなかった。職業病的な興味を喚起させるキャラである。それがこのように描写できるというのは、...

通勤時間に本が読めるおかげで、文庫4分冊もいいペースで読了できた。 1巻で、キャサリン(ケイト)という女性の存在が重要な位置を占めている気がする という思いを抱いた。それは全巻を通じて変わらなかった。職業病的な興味を喚起させるキャラである。それがこのように描写できるというのは、やはり当時(今から半世紀ちょい前)のアメリカでは、BPD的な人となりを有する人が目につくところに存在していたということに他ならないだろう。解説によると、スタインベックの2番目の妻がそんなお人柄だったとか。そんな間近にいれば、リアリティをもって描けるかも。

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2012/01/16

世代は変わっても、変わらないもの。 時代が変わっても、変わらないもの。 悲しい性も、逃れたい業も、愛を求め苦しむことも、逃れられない運命がある、ということをずっと考えさせられました。 愛とお金など、自分が求めていないものは充分にあり、自分が求めているものは手に入りがたいという切...

世代は変わっても、変わらないもの。 時代が変わっても、変わらないもの。 悲しい性も、逃れたい業も、愛を求め苦しむことも、逃れられない運命がある、ということをずっと考えさせられました。 愛とお金など、自分が求めていないものは充分にあり、自分が求めているものは手に入りがたいという切ない苦しみ。手にしたと思っても離れていってしまう。輪廻的というか、諸行無常というか、東洋的な思想がものすごく入り込んだ作品でした。 そのことを引き立たせるためにリー、キャル、サミュエル一家など 多くの登場人物がトラスク家の人間たちと絡み合ってきますが、 それぞれがまた個性豊かで魅力的でした。 何もかもがうまくいく人間なんてきっといなくて、 誰もがもがいて苦しんで。 ただ人から見れば些細なことかもしれないけれど、当人にとっては もうどうしようもなくしんどいことって、世の中にあふれているんだろうなぁと考えさせられました。 なんかうまくまとめられませんでしたが、2012年最初の読書は ものすごく考えさせられるものになりました。

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2011/03/27

神はあなたに予言もしていないし、命令もしていない。あなたは自分で、その運命に立ち向かって良い。自分の道を選んで良い。 「ティムシェル」が僕の大切な言葉になった。

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