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ナラタージュ の商品レビュー

3.7

584件のお客様レビュー

  1. 5つ

    140

  2. 4つ

    184

  3. 3つ

    157

  4. 2つ

    46

  5. 1つ

    15

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2025/02/24

2005年当時読んですごく好きで何度も読み返していた本。 一度手放してまた最近手に入れて、読み始めたら4.5時間ぶっ通しで読みきった。 ちょうど20年前の、あの頃いだいていた気持ちが読み進めるうちにどんどん思い出され、ズキズキと痛んだ。本はその時の自分の記憶も閉じ込めてくれるよう...

2005年当時読んですごく好きで何度も読み返していた本。 一度手放してまた最近手に入れて、読み始めたら4.5時間ぶっ通しで読みきった。 ちょうど20年前の、あの頃いだいていた気持ちが読み進めるうちにどんどん思い出され、ズキズキと痛んだ。本はその時の自分の記憶も閉じ込めてくれるような効果があるのだろうか。 20歳の恋と書いてあるので青春の恋の話のように見えるが、内容はけっこう重たい。情緒的で、感情を揺さぶられるような話。 若い頃は、その若さ特有の潔癖さで、先生との関係はなかなか受け入れ難い内容かなと思うけど、この年になるとこうゆうこともあるよな、と、先生側の弱さに共感してしまった。

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2025/01/27

なかなか良かった。さすがに多くの読者を持ったということがよくわかる。内容であった。女性には特に読める部分があるのだろうなぁ。などと思ったりした。

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2025/01/20

雨が降っている描写が多く、雨が恋しくなる。 でも読み手の心も曇らせる作品で、どんよりしたまま時間をたっぷりかけてやっと読み終えた作品。 雨のなか公園の屋根付きベンチとかで読んだらたぶんめっちゃいい、それか窓が目の前にある喫茶店のカウンター

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2025/01/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

工藤泉 大学二年生。国文学専攻。両親は父がベルリンへの海外転勤に行ったため、一人でアパートに住んでいる。 山田志緒 大学二年生。心理学専門。泉の高校時代の同級生。同じ演劇部だった。黒川と交際している。美人だ気が強い。 葉山貴司 泉が通っていた高校の世界史の教師。演劇部の顧問。 黒川博文 大学二年生。英米文学専攻。泉の高校時代の同級生。演劇部部長。秋に語学留学でアメリカへ行く予定。 塚本柚子 演劇部所属の高校三年生。好きなことは絵を書いたり本を読んだりすること。 新堂慶 演劇部所属の高校三年生。男の子にしてはちょっと心配になるくらい線が細くて小柄。 金田伊織 演劇部所属の高校三年生。老け顔。高校生らしからぬ風貌をしている。入学したての頃に舞台で志緒を見て以来のファン。 小野玲二 黒川の大学の友人。大学の劇団にいて、一年の中で一番上手いと言われていたが辞めた。理系(生物)の学部。

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2024/11/26

(2024年6月12日の感想) 島本理生の本が好き。傷つきながら強くなる女の子が多いから。 高校生から20歳そこそこの時点で、人をここまで愛せたなんて、工藤泉というこの子はなんて恵まれているのだろうと思った。 思い出すたびに少しひりつく恋がある。 高校生のあの頃、私は確かに彼が...

(2024年6月12日の感想) 島本理生の本が好き。傷つきながら強くなる女の子が多いから。 高校生から20歳そこそこの時点で、人をここまで愛せたなんて、工藤泉というこの子はなんて恵まれているのだろうと思った。 思い出すたびに少しひりつく恋がある。 高校生のあの頃、私は確かに彼が好きで、同窓会をきっかけについうっかりその恋心を取り出してしまって、でもそれは彼の手で壊された。私はしばらくの間、壊れた恋心を大事に持っていた。今はもう何とも思っていない。本当に、なにも。 壊されたときについた傷はかさぶたになって、今はもうそれも剥がれて、何もない。本当に、もう何も思っていない。でも思い返すたびに、ピリッと、一瞬だけ微かな痛みが走る。素肌に張り付いたセロテープを勢いよく剥がしたときのような痛み。数秒後には感覚もなくなっている痛み。 読んでいて、小野君の変化が怖かった。穏やかできちんとした人だと思っていたのに、ああなるなんて、信じられなかった。怖かった。 強制的に支配されるとき、女は男に勝てない。だからこそ、強い手段をとらない人が好き。穏やかな人がいい。何度も何度も話し合って感覚を共有できるような、そういう人がいたらいい、そういう人が私のことを好きになってくれたらいいのに、と、ないものねだりなのはわかっているけどそう思う。

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2024/11/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

島本理生の恋愛小説は、どこか官能的でありながら美しいのが好きだなあ。 高校時代の恩師に演劇部を手伝って欲しいとお願いされた女子大生の泉と、その恩師の間になにがあったのか。彼女の現在はどうなるのか、想いは断ち切れるのか、などなど続きが気になって最後まで楽しめた。 結局先生はそっちに行っちゃうんかーいと思ったけど、最後の思い出作りのシーンがとても官能的で良かった…!

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2024/11/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

セックスという観点からこの作品を読むと凄く女性的やなと思った。セックス(恋人との、ずっと大好きだった人との、レイプ犯との(これをセックスとは呼びたくないが、行為としてのセックスという意味で))によってその人自身の心情が、その人の相手に抱く心情が、めらめら変化していく。 誰にでも当てはまる話じゃないし、女性ってこうだよねなんて一切思ってないけど、「女性はセックスした相手を好きになる」ていうのを思い出して、多くの女性にとって、セックスは肉体的な交わりであると同時にとても精神的な交わりでもあるんやなと思った。 男にとってセックスは肉体的な快感のためという側面が大きくて、好きやから、愛してるからしたい訳でもなかったりする。好きやからこそしたくないってのも男によく聞く話であって、SNSでセックスレスを嘆いてるのは女性が多い気がする。 本編の筋とは大分逸れるけど、男女間のセックスに対する認識の違いを改めて感じた作品やった。

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2024/10/24

久しぶりにちゃんと本を読んだ。 途中で「虐待された人が虐待をする堂々巡りのパターンすごく多くて、でも人間は自由だからその不幸から逃れるべき」って小野君が言ってて、それがこの小説全体の隠喩になってるのすごい綺麗な構成だなあってなった。主人公に振り回されて依存して不安定になったけど最...

久しぶりにちゃんと本を読んだ。 途中で「虐待された人が虐待をする堂々巡りのパターンすごく多くて、でも人間は自由だからその不幸から逃れるべき」って小野君が言ってて、それがこの小説全体の隠喩になってるのすごい綺麗な構成だなあってなった。主人公に振り回されて依存して不安定になったけど最後には自分の芯を取り戻せて小野君は救われたのかなあとは思った とにかく葉山先生←主人公と主人公←小野君の対比がすごくて、上から葉山先生、主人公、小野君のカーストみたいになってるんだけど、精神的に救われたのが小野君だけなのが面白いなって思った あと作中にタバコと映画がめちゃくちゃ出てくるから全制覇したい

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2024/08/28

『荒み切ったおじさんにも「恋」を少し思い出させてくれるthe恋愛小説作品』 久々の島本理生さんの作品。 ファーストラブ、リトルバイリトルに続き読んでみる。 何というか、本当に「the恋愛小説」という感じ、ここまでのスタンダード恋愛モノはけっこう久々?…だったかも。 キスシー...

『荒み切ったおじさんにも「恋」を少し思い出させてくれるthe恋愛小説作品』 久々の島本理生さんの作品。 ファーストラブ、リトルバイリトルに続き読んでみる。 何というか、本当に「the恋愛小説」という感じ、ここまでのスタンダード恋愛モノはけっこう久々?…だったかも。 キスシーンとかスゴく情熱的だなとか思ったし…実はちょっと羨ましくて素敵だな…とか、こんなおじさんの中に実はそんな感情が芽生えていることに途中で気付いて驚いた( ̄∇ ̄)笑 遠く遥か彼方に置いて来たもんかと思ってたけど、まだ自分にもそんな感情あるんだなと(笑) ただ、葉山先生のナヨい&ネチョい感じが正直ちょっと…肌には合わなかったかなとm(_ _)m 女性2人ともどちらもなかなか捨てきれない、気持ち&状況的にそんな形になってしまう恋愛…自分には微塵も分からなかったし今も想像はできないけれど、まあ1ミリくらいならそういったこともあり得るのかもね?と、その1ミリ分だけ理解が深まった?歩み寄れた?かもなぁと(笑) あと、未知のまま後半失速することなく(相手への大きなマイナス感情無く)終わった恋愛、つまりは成し遂げられなかった恋愛って、永遠に美しい形として残っちゃう…ので、後から敵に回すと手強い&厄介になっちゃったりするのかなととか、そんなことも思ったりもしました。 他の方の感想がとても気になるので、そちらも参考にさせて頂こうかなと思います(´∀`) <印象に残った言葉> ・君をこれほど大事に思うようになってようやく、もう一度、妻を大切にできるんじゃないかと思ったんだ(P366、葉山先生) ・お願いだから私を壊して、帰れないところまで連れていって見捨てて、あなたにはそうする義務がある(P395) <内容(「BOOK」データベースより)> お願いだから、私を壊して。ごまかすこともそらすこともできない、鮮烈な痛みに満ちた20歳の恋。もうこの恋から逃れることはできない。早熟の天才作家、若き日の絶唱というべき恋愛文学の最高作。

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2024/08/29

 切なく、じれったく、でもジワッとしみて、ちょっとホッとする恋愛小説。  著者22才の作品であることを考えるとすごい。

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