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冬の旅 の商品レビュー

3.9

34件のお客様レビュー

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2024/09/14

1968〜69年に掲載されていた新聞小説。半世紀以上経った今と比べて、変わったことと変わらないことを思いながら読んだ。

Posted byブクログ

2024/08/15

公文推薦図書。長かったがすらすら読めた。特に最後の表現を何度も読みました。途中から出てくる「冬に向けて来るはずが来ない鴎」が最後にどっと溢れてくる。 完全無欠の人間のなかにある溜め込まれた鬱憤を表現しているように見えた。どちらかというと、行助のことを「こんな人いないよなぁ」という...

公文推薦図書。長かったがすらすら読めた。特に最後の表現を何度も読みました。途中から出てくる「冬に向けて来るはずが来ない鴎」が最後にどっと溢れてくる。 完全無欠の人間のなかにある溜め込まれた鬱憤を表現しているように見えた。どちらかというと、行助のことを「こんな人いないよなぁ」というよりは、「無意識に感情を抑えすぎていて可哀想だなぁ」と思って読みすすめたので、最期は解き放たれて良かったなぁとすら思ってしまった。 共感できる人はあまり出てこなかったが、突然に起こる死も含め非常に現実味のある物語であった。

Posted byブクログ

2023/12/14

前半は星5の面白さだったが二度目の事件以降ちょっと失速してしまった。2度目の入院は安達のような周囲との交流も薄く行助が自分の頭の中だけで世の中を進めようとしている感じがして何1人で納得してるんだと思った。独善的な哲学に酔う大二病って感じでちょっと好きになれない。澄江も気の毒だな。...

前半は星5の面白さだったが二度目の事件以降ちょっと失速してしまった。2度目の入院は安達のような周囲との交流も薄く行助が自分の頭の中だけで世の中を進めようとしている感じがして何1人で納得してるんだと思った。独善的な哲学に酔う大二病って感じでちょっと好きになれない。澄江も気の毒だな。 結末も好きじゃない。閉鎖された環境で1人で築きあげた実社会で通用するのかわからない哲学に酔ったままで終わったって感じで、最終的にちょっと賢いお子さまに収束してしまった。 あと修一郎はどクズ全開な方が面白かったがずっと爺バカの悠一が出てくるからまあいいか。結局1番共感できるのは理一だった。 少年院の描写が細かいが少年院で人気の作品らしいというのでリアリティがあるんだろう。 風景描写が美しくて良い

Posted byブクログ

2021/11/21

なんだか幼い頃読んだキャンディキャンディを読んでされていたのをきっかけに読んでみた。紹介文には「少年院での友情や経験によって成長していく主人公行助」みたいなかかれ方をしていたので、赤毛のアン系かと思いきや、しっかりおとなの小説でした。くもんでって…子ども大丈夫なん?これ? 行助の...

なんだか幼い頃読んだキャンディキャンディを読んでされていたのをきっかけに読んでみた。紹介文には「少年院での友情や経験によって成長していく主人公行助」みたいなかかれ方をしていたので、赤毛のアン系かと思いきや、しっかりおとなの小説でした。くもんでって…子ども大丈夫なん?これ? 行助の行動や倫理観に共感できるよう表現されているが、やはりどこか共感できない。いないでしょ、こんな神様みたいな人。一方、敵役?修一郎には全く反感しか感じられない描かれ方だが、いるわ、こんなヤツ。てか、金持ちの甘やかされ坊主はだいたいこんな育ち損ないでしょ?!(庶民の願望) でもさ、なんとかこの修一郎がコテンパンに凹まされるのを期待しながら読む、読者(ワタシ)の悪意がいちばん悪くない?と、中盤くらいから気づかされる。ストーリー展開は最近のNetflixのドラマみたい。 エンヂィングは、エンドではないことが途中である程度示されてるのを思い起こして、ああこういう話か、と思って終わった。でも、最後までモヤモヤさせやがる。クソー!ってなりました。 素直に面白かった。

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2020/12/29

600ページ超の大作ながら一気に読ませる面白さがある。複雑な家庭環境と少年院が舞台の物語ながら不思議と暗さはない。むしろ前半は爽やかな青春群像劇を感じさせるのは行助の聖人君子たる人物描写のおかげであろう。 物語は面白いが設定はちょっと雑。IQ165の設定や何か起こりそうで何も起...

600ページ超の大作ながら一気に読ませる面白さがある。複雑な家庭環境と少年院が舞台の物語ながら不思議と暗さはない。むしろ前半は爽やかな青春群像劇を感じさせるのは行助の聖人君子たる人物描写のおかげであろう。 物語は面白いが設定はちょっと雑。IQ165の設定や何か起こりそうで何も起こらない人間模様、なのに安と行助は「えっ?それ!?」という出来事が降りかかる。行助と修一郎を取り巻く繊細な人間ドラマと思いきや昭和のメロドラマや漫画的なトンデモ展開が随所にあるのでそういう心意気で読むと楽しめる。

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2019/07/09

美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、...

美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う力作長編。

Posted byブクログ

2018/12/31

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2018/02/07

雑誌の書評を読んで興味が湧き、図書館で借りました。 聡明な少年の母が再婚した。 義父は出来の悪い実子よりも少年を愛し、 母は夫と連れ子に遠慮をしてなにもいえない、 そしてその連れ子は少年に逆恨みを念を抱く。 ある日少年は偶然誤って連れ子の兄を刺してしまう、だが、兄を精神的に追い...

雑誌の書評を読んで興味が湧き、図書館で借りました。 聡明な少年の母が再婚した。 義父は出来の悪い実子よりも少年を愛し、 母は夫と連れ子に遠慮をしてなにもいえない、 そしてその連れ子は少年に逆恨みを念を抱く。 ある日少年は偶然誤って連れ子の兄を刺してしまう、だが、兄を精神的に追い詰めることが復讐になると考え、自ら少年院に入る。 このような環境に置かれた少年は、少年院での生活から社会を学び、自らの運命や宿命と向き合うことで精神的成長を遂げ、達観してゆく様を描いたお話です。 昭和40年代に発売された本だそうですが、人間の心の動きや変化、成長過程は今も変わらず、とても読み応えがありました。 義兄に生涯劣等感を抱かせるという方法で復讐を目論んだり、義父と義兄の仲を取り持つためとはいえ頑なに義父や母と距離を置いたりと、主人公の少年は普段の温和で優しい性格の裏で、冷徹で傲慢な部分も持ち合わせているという、人間の精神の複雑さを考えずにはいられませんでした。 ただ、せっかく精神的高みに登りつめたのに、破傷風が原因で若くして死を迎える結末は、少年院から出所後、実生活でそれがどのように活かされるのか、または活かされないのか興味があったので、とても残念に思いました。そこまで描いて欲しかった~ あ、それと、関係ないけど、今なら差別的に捉えられそうな「少年院に入ってくる人間は知能指数が低い」など知能指数を根拠に犯罪率などを語った表現が幾度も出てきて、当時の世相を表しているような気がして面白かったです。

Posted byブクログ

2017/01/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 学生時代に読んだ時、主人公行助のように凛とした生き方をしてみたいと思った。たとえそれがかなわないとしても…。  今、読み返してみる。このような孤高な生き方ができるのは若いからだ、と思うようになった。むしろ、愚かにも身を持ち崩していく修一郎の心の闇に興味が湧く。  そして、もしも、行助が順調に年齢を重ねていたならば、こんな凛とした生き方を本当にずっと貫けたのだろうか…。  なんと意地悪な読み手になってしまったのかと自己嫌悪に陥ってしまう。

Posted byブクログ

2015/09/16

☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB04717835

Posted byブクログ