海がきこえる2 アイがあるから の商品レビュー
なかなかヘヴィーだった。 読んでいて、いい気分にはならない。 携帯電話のない時代。 世の中は随分と変わったようでも、人の懊悩は変わってないのかもしれない。
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海がきこえるの続編。前編のラストからそのまま繋がっている。 あー、やっぱ拓だな。拓が好きだから自分はこの小説が好きなんだなと思わされた。 一巻に比べて、津村知沙周りの話はそこそこドロドロしていて、ちょっと読んでいて気まずく思うところもあった。それでも、やっぱりクライマックスの拓の...
海がきこえるの続編。前編のラストからそのまま繋がっている。 あー、やっぱ拓だな。拓が好きだから自分はこの小説が好きなんだなと思わされた。 一巻に比べて、津村知沙周りの話はそこそこドロドロしていて、ちょっと読んでいて気まずく思うところもあった。それでも、やっぱりクライマックスの拓の激怒と、怒りながらも相手の女性にも背景があることをきちんと考えている拓のキャラクターが好きだ。 なんで、中学時代、この小説がこんな好きなんだったんだろうなーと改めて考えてみた。 多分、あの頃読んでいた物語って大概は「敵」とか「目標」みたいな主人公が乗り越えなければならない何かが明確だった。この話はそういうのじゃなくて、ただただ杜崎拓の視点から、武藤里伽子や津村知沙のことが描かれ、彼女たちにどんなに振り回されても、結局は彼女たちや彼女たちと敵対している者たちのことまで思ってしまう拓の心情がかかれている。八方美人と謗りを受ける彼の優しさが常に好ましい。 中学時代にこの話に出会わず、大人になってから読んだらこんなに好きにならなかった気もする。 「この主人公、都合が良すぎるだろ」 「このヒロイン自己中すぎるだろ」 と単純に受け止めてしまっていたかもしれない。 世の中を「いい奴」と「やな奴」に分けがちだった単純な中学時代の私に「それぞれの人にアイがあるんだ」と教えてくれたこの小説はやっぱり私のバックボーンの一つになっている。
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大人になってから読み直すと、拓などの言動に身勝手さを感じてしまう・・・ 1のほうが瑞々しくてよかった。
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これ、 出版当時に読みたかったなぁと思った。 30年近く前の作品だからね、 皆がみな携帯持ってないよね。 当時の時間の流れみたいなもの、 思い出した。
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里佳子や知沙の気まぐれぶりが出ていて、よかった。 学生が金を持っている時代の話だなぁと印象。 里佳子の父親の再婚相手の勤務先の社長に主人公が啖呵を切る場面があり、珍しく、主人公が冷静さを欠いていて、新鮮だった。 みずみずしい感じの小説でよかった。
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ここまで読んでの『海がきこえる』である。 1作目でクラスの女子たちに詰められていた里伽子を影から見ていただけだった拓は、守ってあげるべきところでしっかりと守ることができるようになった。自分の痛みをばかりを訴えて周りをめちゃくちゃにする里伽子も他人の痛みを考えられるように少しずつ成長している。わかりやすい話でも、ご都合主義でも、いい話でいいよね。 絶対に新しい環境になじむもんかと決心しているような、そうすることで無言のうちに母親に反抗していたことの里伽子は、全身から緊張感が漂っていた。 もしかしたら、その張り詰めた気配が、田舎で微温湯につかるみたいにノンキに暮らしていたぼくや松野には新鮮で、惹きつけたれたかもしれない。 ぼくが里伽子を好きになったのは、弱みを見せまいと虚勢を張ることで脆さが顕になってしまう、ある種の健気さのためだったかもしれない。 p.93 ぼくも里伽子にはアイはあるけど、あの人には今のところ、ないな。ぼくらはみんなにアイがあるわけじゃないよ。あったほうがいいけど。アイがあったほうがいいてことを、こういうことで覚えていくんだ p.237
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再読2回目。「海がきこえる」の続編。これも以前文庫版を持っていたが、図書館に単行本があったので借りて読んだ。こんなモテモテな学生生活送ってみたかったわ。いいなあ。(女性に振り回されたいという意味ではありません。)。あと、高知から帰ってから里伽子が拓のことを「杜崎くん」から「拓」と名前で読むようになったことも、二人の仲の進展が感じられてよいなと思います。劇中、ある程度の対立も経て、これからもケンカはするだろうけど、拓と里伽子も恋人同士という感じになっていくのかなと思います。感想はこんなところです。
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誰もが自分自身のことに精一杯で、無神経な程の一言でほかの人を傷つけていく。色々な経験をしていくことで、他の人にも、そのアイを向けることができるようになれば誰もが優しくなれるのだろうか。 ジュリエットお祖母さんのホームビデオは読んでいるだけで、心が温かくなる気がする。
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前作を読んだのは20年近く前。ジブリのアニメの原作ということで読んだが、子どもには男女関係の機微が全く理解できなかった(特に大学生になってからのやりとりが)。大人になってから読み直そうと思いつつも、結局果たせないまま、続編(本作)も実写ドラマもスルーしていた。 今回いまさら...
前作を読んだのは20年近く前。ジブリのアニメの原作ということで読んだが、子どもには男女関係の機微が全く理解できなかった(特に大学生になってからのやりとりが)。大人になってから読み直そうと思いつつも、結局果たせないまま、続編(本作)も実写ドラマもスルーしていた。 今回いまさらながら続編を読むにあたって前作を敢えて読まなかったが(押入れのダンボールに仕舞っているので取りだすのが面倒で)、意外と内容を覚えているもので読解に問題はなかった(最近読んだものは10日もすれば忘れてしまうことがままあるが、子どものときに記憶したものは長く覚えているものである)。さすがに今読むとある種の「青臭さ」に気恥ずかしささえ覚えるし、バブルの余韻の残るプチセレブっぷり(地方からの上京学生とは思えない)や携帯電話が普及していない時代のコミュニケーションのすれ違いなど、現在では成立しないシチュエーションに古さを感じるが、「わがままな女の子に惚れた弱みで振り回される男」とか「親の不倫や離婚による家族関係の変化への苦悩」といったテーゼは普遍的で、現在でも読むに値する。
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「海がきこえる」の続編。 きっちり続きでした。 続編で、登場人物たちの歩んでいく道をチラッと教えてくれた。みたいな。 面白かったけど、やっぱり最初の危うい感じが好きやなぁ。 ハッピーエンドと言えば、ハッピーエンド。 でも、いつまでも子どもではいられないのさ、のような感じが、淋しくもある。 もう、爽やかだぞーーー!!! とは叫ばない(笑。
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