ウエハースの椅子 の商品レビュー
久しぶりによんだ江国作品。 中学から高校時代にかけてこの人にどっぷりはまってから久しく読んでいなかったのだけれど。久しぶりに読んでなぜあんなにも耽読していたのか分かった気がする。 それは、この人の作品が醸す「セレブリティ」な雰囲気に憧れていたから。登場人物の職業や価値観、食べ物...
久しぶりによんだ江国作品。 中学から高校時代にかけてこの人にどっぷりはまってから久しく読んでいなかったのだけれど。久しぶりに読んでなぜあんなにも耽読していたのか分かった気がする。 それは、この人の作品が醸す「セレブリティ」な雰囲気に憧れていたから。登場人物の職業や価値観、食べ物や読む本、聴く音楽などなど作品の細部まで至る所スノッブな気配に包まれていて。今考えるとこういうのは、この著者自身の生まれによるところが大きいのかもしれない。 ひたすら徒然な展開。結末やテーマといったものがあまり感じられない内容。この人の作品にみられるそんな特徴は、この作品においても健在で、それが私には久しぶりに読んでもやっぱり心地よかった。理性で、というよりは感性・感覚で読む作品というべきか。
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どうしてだろう。妻子ある人と付き合う、そういうシチュエーションは嫌っているはずなのに。 終わりばかりが見えているのに止めることのできない流れの中で、お互いを切り離せないほど必要とする想い。それが、理解出来てしまう。 収束する世界。 始まりも、終わりも、全ては彼につながってい...
どうしてだろう。妻子ある人と付き合う、そういうシチュエーションは嫌っているはずなのに。 終わりばかりが見えているのに止めることのできない流れの中で、お互いを切り離せないほど必要とする想い。それが、理解出来てしまう。 収束する世界。 始まりも、終わりも、全ては彼につながっている。 そんな恋を、私もしていた。
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全体に流れるこの暗い?っていうか孤独、がすごく好きです。狂気のお話かなぁとも思うんですが、江國さんはその狂いを美しく描いてしまうからすごいと思います。好きです。
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初めて江國さんの本を読みましたが 読みやすかった。 愛するが故、孤独や絶望と隣り合わせ 愛されれば愛されるほど孤独になる 共感する部分は多少なりあったかな。
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ゆるゆると死んでいく話。これは江國さんにしか書けないな、とおもう。ホリー・ガーデンに近い。結婚している人を好きになるのではなく、好きになった人が結婚していたのだ。それは辛くもなんでもないが、ときに放棄したくなる、らしい。そうして、ゆるゆると死んでいく。死のうとするのではなくて、死...
ゆるゆると死んでいく話。これは江國さんにしか書けないな、とおもう。ホリー・ガーデンに近い。結婚している人を好きになるのではなく、好きになった人が結婚していたのだ。それは辛くもなんでもないが、ときに放棄したくなる、らしい。そうして、ゆるゆると死んでいく。死のうとするのではなくて、死んでいく。
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私が読んだ江國香織の作品のなかで、いちばんだと思っているお話。 いちいち描写が夢のようで、だらりだらりと、ただひたすら進んでいくのがよかった。
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静かでかなしい話だった。どんどん主人公は壊れていく。それがかなしい。壊れても結局壊れた理由のそばでしか生きられないのがかなしい。
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まだわたしが10代だからかもしれないけれど、あまりに淡々としていて物足りない感じがしました。だけどもう少し大人になってからもう一度読みたいと思うお話。
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ふわふわしてるわりには、季節感がありすぎる不思議な作品。 会話も少なく、登場人物が何を考えているのかよくわからない、こともないから不思議な作品なのだ。 ウエハースの椅子という言葉だけを考えてみたとき、壊れやすい心のメタファーかとおもった。 私の届きそうでも座れない甘そうな...
ふわふわしてるわりには、季節感がありすぎる不思議な作品。 会話も少なく、登場人物が何を考えているのかよくわからない、こともないから不思議な作品なのだ。 ウエハースの椅子という言葉だけを考えてみたとき、壊れやすい心のメタファーかとおもった。 私の届きそうでも座れない甘そうな幸福の象徴だってさ。 まあ時間があったら読んでくださいレベルの作品でした。
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前半かなりつまらなかったけど、後半には妻子ある男性との恋愛で壊れていく主人公に深く共感した。彼女の場合「奥さんのところに帰らないで」というのではなく、これ以上2人の状態がないことに対する絶望。人は自分が将来どうなるか知りたいと思うけれど、全て見えてしまうことはたとえそれがいい未来...
前半かなりつまらなかったけど、後半には妻子ある男性との恋愛で壊れていく主人公に深く共感した。彼女の場合「奥さんのところに帰らないで」というのではなく、これ以上2人の状態がないことに対する絶望。人は自分が将来どうなるか知りたいと思うけれど、全て見えてしまうことはたとえそれがいい未来だとしても行き止まり感を覚えるものなのかもしれない。スパイになって自分を外から見るという彼女の発想は痛々しかった。
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