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霧笛荘夜話 の商品レビュー

3.8

41件のお客様レビュー

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2012/03/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

* 七話からなる短編集 ”霧笛荘”という不思議な名前のアパートの不思議な住人たちについて語られている それぞれがみな忘れたくなるような過去を持っていてどの話にも魅力的なものがあった 自分の過去を忘れる事が出来るならどんなに楽なんだろうか 霧笛荘には様々な人間がいる 新しい自分に相応しい生活をする為にやって来た者 人生を終わりにする為にやって来た者 自分の居場所を確保する為にやって来た者… 人間は誰もが皆辛く苦しい想いを抱えているのだと そう訴えられている気がした

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2012/01/08

古い共同住宅「霧笛荘」。そこには、住人6人+管理人のおばあさんが住んでいます。 その住人たちそれぞれを主人公にした短編集。そしてその一編一編がつながっています。 世間一般からは、変な目で見られたりする生き方をしている住人たち。 でもそれぞれ一生懸命で、自分の守りたいものをしっ...

古い共同住宅「霧笛荘」。そこには、住人6人+管理人のおばあさんが住んでいます。 その住人たちそれぞれを主人公にした短編集。そしてその一編一編がつながっています。 世間一般からは、変な目で見られたりする生き方をしている住人たち。 でもそれぞれ一生懸命で、自分の守りたいものをしっかり守って生きていく。 というか、守らないと生きていけない。 そんな生き方は、すこし悲しく見えてしまうけれど、でもそれぞれは幸せなのでした。 しっかり生きている住人たちは、むしろ強いんだとも思います。 個人的には、三話目の「朝日のあたる部屋」の鉄男の話が好きです。

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2011/08/03

浅田次郎さんはさすが!としか言いようがない。 ノスタルジックな設定のなか、言いたいこと、大事なことはちゃんと書かれている。相変わらず安心して読める作家さんである。

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2011/07/24

「発見!角川文庫2011」でこの本を知りました。 「不幸の分だけの幸せはきっとある――」というフレーズに惹かれて読み始めました。 私が今、とても幸せです。 なぜなら頑張っているからです。 去年の今頃の自分は、他の人に話せないぐらい最悪なものでした。 でも辛いのは今だけだと必死で頑...

「発見!角川文庫2011」でこの本を知りました。 「不幸の分だけの幸せはきっとある――」というフレーズに惹かれて読み始めました。 私が今、とても幸せです。 なぜなら頑張っているからです。 去年の今頃の自分は、他の人に話せないぐらい最悪なものでした。 でも辛いのは今だけだと必死で頑張り、今の自分に変われたのです。 霧笛荘に住んでいた人たちにも、悲しい出来事がありました。 でも、あきらめませんでした。 さきほど私は幸せだと言ったけれど、正直辛いと思うときもあります。 家族や学校の期待が大きくて、自分が押し潰されそうになるときもあります。 けれど私は絶対にあきらめないで生きていきます。

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2011/02/11

浅田次郎、天才だね。なんでこんなに流麗に文章が作れるのか知りたいね。文句なく面白いです。読まなきゃ損するよ。

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2010/09/20

運河にそって人目を避けて歩けば霧笛荘にたどりつく。 そこにはかつて上品な雰囲気のあるホステスの千秋、 作り物めいた美貌をもつホステスの眉子、 半端者のヤクザの鉄夫、売れないギタリストの四郎、 オナベのカオル、船長服を着込んだキャプテンが住んでいた。 それぞれ身にかかる不幸をかなぐ...

運河にそって人目を避けて歩けば霧笛荘にたどりつく。 そこにはかつて上品な雰囲気のあるホステスの千秋、 作り物めいた美貌をもつホステスの眉子、 半端者のヤクザの鉄夫、売れないギタリストの四郎、 オナベのカオル、船長服を着込んだキャプテンが住んでいた。 それぞれ身にかかる不幸をかなぐり捨てて 大家の老婆のもと霧笛荘でそれなりに幸せに暮らしていた。 すれた訳アリの人ばっかかと思いきやみんないい人です。 昭和の苦労話という感じ。カオルは特に心がイケメン。 千秋だけ過去のエピソードがなかったのが気になるなぁー

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2010/08/04

こころに残っているのは、ステンドグラスのあの描写。目に浮かぶ、という表現を使いたい。短編の正攻法な繋げ方が好き。人物みんながきれいさを持っていて、どんどん繋がっていく。

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2010/06/17

不幸の分だけの幸せは、ちゃんとある。どっちかが先に片寄っているだけさ 運河のほとりの古アパート「霧笛荘」。そのアパートの6つの部屋に住む、6人の住人たちの様々な人生を描き出す。不器用だけれども誠実に生きていた6人だったが。待望の連作短編集!

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2014/06/22

運河のほとりのアパート「霧笛荘」をめぐる6人の物語 なにごともない毎日に埋没してるけど、そこから飛び出してみたら。 なんとなく、流されるように生きている毎日を変えてみたら。 本当の自分に向かって、思いきって走り出してみたら。 平凡で平和な毎日を失ってしまうかもしれない。 毎日...

運河のほとりのアパート「霧笛荘」をめぐる6人の物語 なにごともない毎日に埋没してるけど、そこから飛び出してみたら。 なんとなく、流されるように生きている毎日を変えてみたら。 本当の自分に向かって、思いきって走り出してみたら。 平凡で平和な毎日を失ってしまうかもしれない。 毎日が波乱万丈になるかもしれない。 でも、本当に自分らしく輝けるかもしれない。 私はやっぱりそこには飛び出していけないな。 私には、今の平和で平穏で平凡な生活があってる。 でも、こんな風に、その日暮らしでも濃く、哀しい毎日に出会ってみたいかもしれない。

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2010/05/29

浅田次郎ですからね。外れはないと思って最初から読んでますけど、やっぱりよかった。静かに壊れている人たちがなぜか集まってくるぼろアパート…その人たちの過去を、普通この6人は思いつかないというだけでもう高く評価してしまう…。千秋の章がいちばんびっくりしましたが、いちばん泣けたのはカオ...

浅田次郎ですからね。外れはないと思って最初から読んでますけど、やっぱりよかった。静かに壊れている人たちがなぜか集まってくるぼろアパート…その人たちの過去を、普通この6人は思いつかないというだけでもう高く評価してしまう…。千秋の章がいちばんびっくりしましたが、いちばん泣けたのはカオルさんかな。最後までかっこよかったんだと思ったらあとでまた泣ける。ぼろぼろの、世間の目で見れば負け犬の集まりなのに美しい世界。

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