アラビアンナイトの殺人 の商品レビュー
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アメリカの作家、ジョン・ディクスン・カーのフェル博士シリーズ。おそらくシリーズ七作目の長編。 ある晩、三人の警察関係者はフェル博士に博物館で起きた殺人事件について助力を乞う。謎の怪人物の出現と消失、二種類のツケ髭、何もかも隠そうとする関係者たち。アラビアンナイトから抜け出たような展示場で起こる事件の真相は。。。 カーにしては珍しくかなりの長編。というのも、警察関係者の三人から同一事件の内容が語られるのだが、繰り返し同じ場面が描かれるのでその分長くなった感じ。登場人物もそれなりに多い。 事件が起こるまではケレン味があるが、事件自体はそこまで派手でもなく。繰返しの説明も中弛みの要因。掴みどころのない、幻想的な雰囲気が好みだったので最後まで読めたが、残念ながら傑作とまではいかないかなぁ。
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メインの内容は3人の警察関係者による事件の概要説明で、三人の断片的で異なる証言を組み合わせて1つの筋道を立てるというような趣向ではないのが残念。実に不評な本作、道中は確かに退屈だが、謎解きおよび真相に限って評価するとかなり面白いと思う。 【以下ネタバレ注意】 特に、犯人とは別の人物Aが、犯人とは別の人物Bを庇う(恩に着せる)ために捨て身のアリバイ工作をし、その結果、犯人とは別の人物Cが心強い味方となるというなんとも奇妙な展開。手がかりの明確な開示と論理においては、同国のライバル・クイーン(さほど読んでないが)を意識している?石炭や手紙、過剰なアリバイ証言など、何気ないものが手がかりになる展開が結構好き。 本作は珍しく、ハドリーの推理が善戦している。
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フェル博士シリーズの7冊目▲ロンドンの博物館前、警官の鼻先で怪人物が消失、中では殺人事件が起きていた。フェル博士が安楽椅子探偵ぶりを披露する▼図書館でポケミス版を借りて見取り図を参照、館ものには必要だよね。警察関係者の語りを順番に聴くうちに〈何が起きているのか〉が明かされる趣向。...
フェル博士シリーズの7冊目▲ロンドンの博物館前、警官の鼻先で怪人物が消失、中では殺人事件が起きていた。フェル博士が安楽椅子探偵ぶりを披露する▼図書館でポケミス版を借りて見取り図を参照、館ものには必要だよね。警察関係者の語りを順番に聴くうちに〈何が起きているのか〉が明かされる趣向。お国も立場も異なる語りはとても重層的で盛り上がります。ハドリー警視が見事解決し、フェル博士は金持ちの横暴への仕返し方法を提案してくれれば良いだけだったのに。一夜語りにしてはメッチャ厚かったし、博士は動いてなんぼだよな(1936年)
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数あるカーの作品の中でもとりわけ分厚いのがこの作品。調べてみると500ページ以上あり、カーの他の作品でこのくらいの厚さの物は、『ビロードの悪魔』以外思いつかない。しかし『ビロード~』が厚さに比して内容も充実しているのに対し、本作は単に厚いだけと云わざるを得ない。しかしこの作品はど...
数あるカーの作品の中でもとりわけ分厚いのがこの作品。調べてみると500ページ以上あり、カーの他の作品でこのくらいの厚さの物は、『ビロードの悪魔』以外思いつかない。しかし『ビロード~』が厚さに比して内容も充実しているのに対し、本作は単に厚いだけと云わざるを得ない。しかしこの作品はどうしてもこの厚さになってしまう。それについては後で話そう。 本作の概要は以下のような物である。 古代アラビアの遺物を陳列する博物館でパトロール中の警官が白い付け髭をつけた不審者に襲われる。その警官はその男を倒し、応援を呼びにいこうと歩みだして、振り返るとその男は姿は消していた。事件の匂いを嗅ぎつけた警官は管理人と共に博物館内を捜査すると案の定、展示品の馬車の中に死体を発見する。なんとそれは警官を襲ったその男であったが、付け髭はなぜか白から黒へ変わっていた。しかもその死体は料理の本を携えていた。 そこへ無人の博物館に招待されたという博物館の主の娘の婚約者が現れる。警官たちは娘ミリアムを探そうとするが、この奇妙な事件はさらに様相を複雑化する。 さてなぜ本作がカーでも随一の大作であるかといえば、本作でカーが試みた趣向とは同一事件を複数の人間がそれぞれの視点で解き明かすことを主眼にしているからだ。恐らくこの趣向は先に書かれた『剣の八』を翻案としているように思われる。『剣の八』では探偵たちがいっぱい出ることで逆に事件がかき回されることを狙っていたが、本作では逆に探偵役を3人出すこと―フェル博士も含めると4人―で、それぞれの主観による錯覚を利用し、事件の意外な側面をその都度浮き彫りにしていくことを狙ったようだ。そしてそれを聞き手のフェル博士が全ての情報を統合して唯一の真実を導き出す。確かに面白い趣向であることに間違いなく、実際アントニー・バークリーの『毒入りチョコレート事件』はこの形式のミステリで傑作として今でも評価が高い。ちなみに『毒入り~』が書かれたのが1929年、本作は1936年の作品であり、カーとバークリーは交流もあったので、カーはその作品が念頭にあったに違いない。 しかし、この作品は同じ趣向を用いながらもなんとも退屈。何度も同じ事件が繰り返し語られるようになり、それがまた面白ければよいのだが、事件に派手さがないため、かなり苦痛を強いられる。しかも物語の大半を関係者の聞き込みに費やしており、さらにそれぞれの犯行が起きる時系列が入り組んでいるので、事件の大要を理解するのもかなりの熟読を要する。この辺は作者が一通りどこかで纏めてくれれば非常に助かるのだが。 やりたいことはわかるがどうにも冗長さを感じざるを得なく、カー作品全作読破を目指す人のみお勧めする作品だ。
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無駄に長い… その正で後半はへとへとになってしまいます。 事件背景が面白いので かろうじて星3相当ですが、 苦手な人にとっては星1以下でしょうね。 やはり人間の残酷さが垣間見える 表現が目立ちます… そしてラストは、 人によっちゃあ本踏みつぶしでしょうね…
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フェル博士シリーズ 博物館の壁を越えようとしていた男を捕まえた警官。警官を人殺し呼ばわりする男。警官に一発殴られ気を失った男。警官が目を離した一瞬で消えた男。博物館の入り口で騒ぐグレゴリイ・マグナス。警官が博物館の中で発見した遺体。遺体の身元はジゴロのレイモンド・ペンテル。博物館に集まっていた人々にかかる容疑。博物館の持ち主ジェフリイ・ウェイドの娘ミリアム、ミリアムの友人サムとホームズ、バトラー。アームストロング卿に事件当夜に博物館に誘われたイングリワース博士。仮装してグレゴリイを騙そうとするミリアムのゆうじんたち。カラザース警部、アームストロング卿、ハドリー警視の話から事件を推理するフェル博士。
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