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米内光政 の商品レビュー

4.2

31件のお客様レビュー

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2019/11/30

最も印象深い二つの対照的な場面 8月10日の御前会議前 米内光政「多数決で結論を出してはいけません。きわどい多数決で決定が下されると、必ず陸軍が騒ぎ出します。その騒ぎは死にもの狂いだから、どんな大事にならぬとも限りません。決を採らずにそれぞれの意見を述べさせ、その上で聖断を仰、...

最も印象深い二つの対照的な場面 8月10日の御前会議前 米内光政「多数決で結論を出してはいけません。きわどい多数決で決定が下されると、必ず陸軍が騒ぎ出します。その騒ぎは死にもの狂いだから、どんな大事にならぬとも限りません。決を採らずにそれぞれの意見を述べさせ、その上で聖断を仰、御聖断を以て会議の結論とするのが上策だと思います。」 ポツダム宣言受諾通告後 大西瀧治郎「たしかに戦勢は不利です。われわれの努力が足りませんでした。申し訳ないことです。われわれが責任を負わなくてはなりません。しかし、あと二千万人の日本人を特攻で殺す覚悟なら、決して負けはしません。もう一度だけやらして下さい。もう一度智恵を出させて下さい。どうか、今しばらく戦争を継続させていただきたいと、陛下にお願いして下さい。」

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2019/04/21

小説としては少し退屈ですが、米内光政自体、鈴木寛太郎と戦争を終わらせた人。もっと世の中に知ってほしい人。 米内、山本、井上の海軍三羽烏は日本史できちんと教えておくべきと思う。

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2019/03/03

綿密な記録類の読み込みと取材に基づいた記録文学。本土決戦を避け、終戦へ導くことに全霊を傾けた最後の海軍大臣の伝記。

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2019/01/13

2012.1記。 太平洋戦争前夜の海軍大臣にして首相の地位にあった米内光政の伝記的小説。その人となりを周囲の人の証言をもとに描き出すことが本書の狙いであるが、史実に忠実であろうとすると同時に、著者は主人公に強い共感を抱いていることを隠しておらず、そのことがかえって読後感を心に残...

2012.1記。 太平洋戦争前夜の海軍大臣にして首相の地位にあった米内光政の伝記的小説。その人となりを周囲の人の証言をもとに描き出すことが本書の狙いであるが、史実に忠実であろうとすると同時に、著者は主人公に強い共感を抱いていることを隠しておらず、そのことがかえって読後感を心に残るものにしている。 米内光政は必ずしも同期の秀才ではなかったらしい。実際、参謀だの米国大使館だのを同期が歴任する中、佐世保あたりで芸者にもてまくってたりする。しかし、時代とともにドイツと連合して対ソ戦に備えるべきと主張する陸軍と、ドイツと組めば対米戦争不可避と絶対反対の米内ら一部海軍との対立が先鋭化、政治もこう着していく。 こうした世相の中、省内で名も知られていなかった米内が次第に中枢に上り詰めていくプロセスは読みごたえがある。 「カミソリみたいな井上さん(井上成美)を、参謀長として、のちには次官として、上手に包み込んで使っておられた」という人使いの妙。 一方で「(米内さんはいつも井上や山本五十六とだけ話をするので)・・・部課長クラスが何を言ってきても…あまり相手にしない。まあお前たち適当にやれヨというようなことで・・・この点、陸軍は下が動かしているんですからね」などという証言は、あらゆる職場において目にする風景であり、サラリーマンとして色々思うところがあった。 太平洋戦争緒戦の勝利に国民は沸いたが、実際には日本軍がもっこと鋤で防御陣地を作っていた頃、米軍はブルドーザーで陣地構築していた(占領地で接収し、日本軍人のほとんどが初めてその機械を目の当たりにすることになる)。この圧倒的な国力差によって日本が追い詰められていく様は、読んでいて暗澹とした気分にさせられる。 この本を読んでも、「なぜかくも明確な戦力差がありながら戦争に突入したのか」の答えが見つかるわけではない。米内という人への評価も一つではないだろうと思う。それでもこの時代の一断面を知る上で、極めて示唆に富んだ一冊であるとは言えるように思う。

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2018/09/17

豪快な性格ながらも、極限状態では緻密な判断を下せる能力。これが米内が持つ人を惹きつける力だったのか?著者が言うように、陸軍のトップも米内のようなカリスマ性を持っていれば果たして・・・

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2017/01/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1982(底本78、初出77~78)年刊。著者の太平洋戦争海軍提督三部作の一。語学に堪能、第三者視点や俯瞰的視野を有し「敵を知り己を知れば百戦危うからず」を地で行く米内光政の評伝。◆勿論、著者の井上成美びいきが感じられるが、大きい声を持つだけの者が目立つ時代の中、米内の寡黙さが、多くの死傷者と荒廃した国土となった戦後から見るに、燦然と光り輝く。そんな印象を持たせるに十分な書。◆日本語の重要性は兎も角、収集情報の多元化や留学生受入れの点から、高等教育(後期中等教育も)での外国語の重要性も本書から感得可能。

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2016/12/20

海軍大将米内光政について、名前は知っていても具体的に何をした人かは無知であったため手に取った。三国同盟や米英との戦争に終始反対し、戦争を終結に導いたといった実績が有名なところだろうか。綿密な取材に基づく私生活全般についても詳しい本。

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2016/10/09

2016.9.30 これまた米内光政を礼賛する訳ではなく、史実を丁寧に積み上げて記された名著。 無口ではあったが、人を和ませる人柄だったと。でも、本当に戦争を回避したいのであれば、面倒くさがらずに、人を説得すべきだった。

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2015/09/16

この時代に生きていたとして、マスコミに踊らされずに米内さんのことを評価できたのか。 山本五十六でテンポをつかめたのか、1カ月弱で読み切ってしまいました。 五十六さんは、戦争の最中亡くなってしまうし、連合艦隊司令官長なので洋上、海外の世界が多かったのですが、こちらは大臣、総理と...

この時代に生きていたとして、マスコミに踊らされずに米内さんのことを評価できたのか。 山本五十六でテンポをつかめたのか、1カ月弱で読み切ってしまいました。 五十六さんは、戦争の最中亡くなってしまうし、連合艦隊司令官長なので洋上、海外の世界が多かったのですが、こちらは大臣、総理として日本をきちんと敗戦に持って来て、海軍を終わらせた方。 五十六さんだったり、決定版 日本のいちばん長い日と同じ時間を、別の視野からまた読み進めていくことで、まだまだ浅いですが自分の日本史の世界を複眼的にとらえられていく気がします。 黙して語らず、しかし見ていて、本当に重要な部分は外さない。 この器の大きさから、出世コース外のスタートから、海軍のトップ、日本の総理大臣まで。 見ている人は、見ているわけですね。 ただこの語らない部分が、対民衆、国民に対しては誤解を与える部分もあるのだなと難しく感じます。 この時代に生きていたとして、マスコミに踊らされずに米内さんのことを評価できたのか。 新聞などではわからないこの部分をどうやって知ることが出来るのか。 自信がないですね。 今の政治家を見る時の指針になれば、と思います。 この本を読んでいるとこれまた井上成美 さんの記述が多く、 印象的だった to live in hearts we leave behind,Is not to die.」 という言葉を贈ったのも井上さんです。 ここまで読んで、いよいよ期待膨らむ三部作のラスト。 読むのを楽しみにしております。 実は、五十六さんは単行本で読み、写真がいろいろ挿入されていたのですが、今回は文庫で読んだので写真が全然無かったのです。 とにかくイケメンであったと描かれた米内さんの写真が見られなかったのは残念と思い、 重たいですが井上さんも単行本で読む予定です。 秋突入に向け、いい読書スタートが切れそうです。

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2015/03/14

米内光政を中心に、どうして先の戦争に突入したか~どのように終戦にもっていったかが、歴史本を読むより、より分かり易く理解できた。米内光政という人間を初めて知り、その魅力に一発でやられた。

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