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脱学校の社会 の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2024/01/03

1ページ目から圧倒され感動で前に進めなかった。 学習=学校に通うとなっている今の社会はおかしい。それにつきる本だった。 本当の学びとは、自発的であり、それの有無によって差別されるものではあってはいけない。

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2023/09/21

世の中のフレームワークを疑い、根底から再編成を試みるアグレッシブな一冊でした。 「学校」の改革というよりは、学校化した社会全体のシステムに対する警鐘であり、その現実感はともかく、説得力は感じました。 常識に凝り固まった頭をグリグリ揉み込まれるような、刺激強めの一冊です。

Posted byブクログ

2024/03/21

何でもやすやすと学べるということは、子どもにとって破滅の原因となる。やすやすと学べるということこそ、子どもがなに一つ学んでいない証拠。書物は知りもしないことについて語ることを教えるだけだ。 ▼ある真実それ自体を教えることよりも、真実を見出す方法を教えることが大切。▼人間に自然に備...

何でもやすやすと学べるということは、子どもにとって破滅の原因となる。やすやすと学べるということこそ、子どもがなに一つ学んでいない証拠。書物は知りもしないことについて語ることを教えるだけだ。 ▼ある真実それ自体を教えることよりも、真実を見出す方法を教えることが大切。▼人間に自然に備わっている情操が開花する前に、道徳やルールを教え込むと人間性を歪めてしまう。文明人は制度に束縛されている。ルソー『エミール』1762 中世社会では「子ども」は大人と同様の服装をし、仕事をし、遊びをする「小さな大人」だった。「小さな大人」の社会化は徒弟修業など、社会全体によって行われていた。しかし近代社会になり、「小さな大人」の社会化は(社会全体によってではなく)学校によって担われるようになり、大人とは区別される「子ども」という概念が生まれた。フィリップ・アリエスAriès『〈子供〉の誕生』1960 プエルト・リコ。学校の生徒は学校が提供するカリキュラム(知識のパッケージ)に支配され、生徒が本来持っている自主的に学ぶ意欲を奪っている。制度化された学校教育により生徒が受け身の消費者にされている。イヴァン・イリイチIllich『脱学校の社会』1970 →官僚制

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2022/12/05

教育の弊害を当時の観点で捉えた良本である。 一方で、現代にも通ずることが多く書いてあるため教育関係の学生などには読んでもらいたい一冊である。

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2021/12/06

文面から火花が散るような読書だった。初っ端から最後まで、とにかくアクセル全開。時代も文化的背景も違うので、確かに「本当か?」と思わせる主張もある。でも消費社会への考察とか環境問題への関心に関しては、現在でも十分に応用できるものだし、大部分において賛同できた。そういう社会の中での教...

文面から火花が散るような読書だった。初っ端から最後まで、とにかくアクセル全開。時代も文化的背景も違うので、確かに「本当か?」と思わせる主張もある。でも消費社会への考察とか環境問題への関心に関しては、現在でも十分に応用できるものだし、大部分において賛同できた。そういう社会の中での教育制度の捉え方に関しても、「今の時代に作者がいたら何を言っていたか」と想像を膨らませるような内容で面白かった。筆者が理想とする体制の下地はより整っているが、彼の問題意識が本質的に置かれている部分は変わっていないのが現状だと思う。

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2021/08/09

「脱学校」とは、必ずしも学校を廃止することを意味しない、という感想がかなり多いので補足しておきたい。 たしかに、解説部分でも脱学校とはすべての学校を廃止することではないと書いてはいるものの、続けて「技能交換所」について触れており、これも学校と呼ぶことができると指摘しているに過ぎ...

「脱学校」とは、必ずしも学校を廃止することを意味しない、という感想がかなり多いので補足しておきたい。 たしかに、解説部分でも脱学校とはすべての学校を廃止することではないと書いてはいるものの、続けて「技能交換所」について触れており、これも学校と呼ぶことができると指摘しているに過ぎない。 つまり、イリッチは依然として(彼にとっての)学校は廃止しなければならないと考えているし、実際「学校の廃止を効果的にする」p.30のような表現も至るところで使っている。 p.33の後半からp.41を是非読み直して欲しい。ここでイリッチは、英語でskill drillという表現を使って「技能センター」はあった方が望ましいと指摘している。解説者は、これも一般的には学校と呼ばれるだろうと言っているに過ぎず、これを「イリッチはすべての学校を廃止しろとは言ってはいない」と解説してしまうことは、読者に誤解を与えかねない失敗だったように思う(あるいは、単に多くの読者の読解が不十分なだけのようにも感じられる)。 今井の『教育思想史』でも指摘されている通り、「イリッチは「学校が子どもの生活全般に手を伸ばすのを止め、技能訓練へと機能を縮小させることこそ、推奨されるべき」と主張していると解釈する方が正しいと思われる。 結局イリッチは学校の廃止を主張していない、かのような感想ばかりで悲しかったので書かせていただいた。 彼はたしかにすべての「学校」の廃止を主張している。ただし、彼の言う「学校」に限ってという話であって、『脱学校の社会』においては技能センターは学校の定義に当てはまらない。

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2021/01/11

訳書だからか、読みにくさはあるものの、"学校化"を批判し、学習の場というものはどうあるべきなのかを考えるためのヒントが得られる図書でした。英文を読んでみたい。 題材及び教材へのアクセスをより開けたものにすること、共同で学べる仲間との繋がりを構築できる環境にする...

訳書だからか、読みにくさはあるものの、"学校化"を批判し、学習の場というものはどうあるべきなのかを考えるためのヒントが得られる図書でした。英文を読んでみたい。 題材及び教材へのアクセスをより開けたものにすること、共同で学べる仲間との繋がりを構築できる環境にすること等が改善案として書かれてた印象だけど、そこへのアクセスの前段階での救済処置も必要で、そこが1番大変なところなような気がしてならない。

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2015/04/25

イヴァン・イリッチの脱病院化に続いて2冊目。「地域」における脱プログラム化されたまなび、昨日の流れを引くなら葛藤のあるまなび、と似たような。脱、って感覚的に好きな。にしてもやっぱり訳書はツライ。英語できへんが言うのもなんやけど、なんでこうも変な日本語になるのだろうか。ヤクショはキ...

イヴァン・イリッチの脱病院化に続いて2冊目。「地域」における脱プログラム化されたまなび、昨日の流れを引くなら葛藤のあるまなび、と似たような。脱、って感覚的に好きな。にしてもやっぱり訳書はツライ。英語できへんが言うのもなんやけど、なんでこうも変な日本語になるのだろうか。ヤクショはキライだ。

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2014/12/16

制度に対する考え方は今も変わってはいないが、書かれたのが昔のため、現状とそぐわない、または、言葉の定義が多様化したことによって論旨を理解しにくくなっている、と感じる部分も多々あった。総じて、コアメッセージを理解出来れば、詳細を読む必要はあまりない本、だと思う。

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2013/12/21

私が学生時代にブームとなった本であるが、MOOC時代の今改めて読み直してみると、改めて「おー」と思うような記述に出くわす。日本でMOOCが紹介されたときにはイリッチが起源とされたが、それは正確では無い。しかし、確かにイリッチは今でも現代的である

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