バベル島 の商品レビュー
若竹七海の短篇集『バベル島』を読みました。 ここのところ、若竹七海の作品が続いています。 -----story------------- イギリス・ウェールズ北西部・彼の地の伯爵は長年「バベルの塔」建設に取り憑かれていた。 六十年の歳月をかけて完成した日、悪夢の惨劇が―(表題作...
若竹七海の短篇集『バベル島』を読みました。 ここのところ、若竹七海の作品が続いています。 -----story------------- イギリス・ウェールズ北西部・彼の地の伯爵は長年「バベルの塔」建設に取り憑かれていた。 六十年の歳月をかけて完成した日、悪夢の惨劇が―(表題作)。 残業の夜、男は急停止したエレベーターに閉じこめられてしまう。 中にはもう一人、髪の長い女が。 そのビルには幽霊が出るという噂があって...(「上下する地獄」)。 鮮やかなプロットが光る単行本未収録作11編。 ----------------------- 1993年(平成5年)から2000年(平成12年)に発表されたホラータッチの作品11篇を収録して、2008年(平成20年)に刊行され作品です。 ■のぞき梅 ■影 ■樹の海 ■白い顔 ■人柱 ■上下する地獄 ■ステイ ■回来 ■追いかけっこ ■招き猫対密室 ■バベル島 ■解説 千街晶之 ホラー要素が強かったり、怪談のような作風だったりと、これまでに読んだ若竹七海の作品とは雰囲気が異なる作品でしたね……怖さが詰まっている という意味では共通する部分がありましたね、、、 友人の両親の梅に対する異常な忌避感や壁に浮かび出たしみから、過去の陰惨な事件があぶり出される『のぞき梅』と『影』、 物語そのものよりも干支の丙午や映画監督ルイ・マルにちなんだ<マル>という喫茶店が印象に残った『人柱』、 エレベータに乗ることやスイカ割りが怖くなっちゃう『上下する地獄』と『ステイ』、 イギリスの大富豪がウェールズ沿岸の島にバベルの塔をそっくりそのまま再現した巨大構造物を建造するが、そこには恐ろしい目的・願望が潜んでいた……壮大であまりにも馬鹿馬鹿しい計画に唖然としつつも読後に考えさせられる奇譚『バベル島』、 が印象に残りましたね……でも、やっぱホラーは苦手だなぁ。 ちなみに『バベル島』の語り手の曽祖父の名前は葉村寅吉……ということは語り手は葉村晶なんですかねー ちょっと気になりました。
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一見、怪異系のホラーかと思いきや、コワイのは人間である、というスタンスの短編集。 表題作の「バベル島」で、フリューゲルの描いたバベルの塔を実際に建ててしまった伯爵が、いちばん怖かった。両親からナニーに丸投げされて、きちんと育ててもらえないまま大人になった伯爵が、子供の頃に抱いた願望を実行してしまう。子供はなんのために砂で城を作るのか…。 もう一つ、「上下する地獄」は、他と違って怪異もの。他にはない設定というわけではないけど、それがわかるのが意外と終盤で、ゾクっとした。幽霊を怖がっている人物が実はー。 ラストがあいまいだったり、話運びがわかりづらかったりもあったけど、全体的にはうっすらジワジワ怖くて、私好みであった。
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11話短編集。毒ありのホラータッチのミステリで、短いなかにも伏線がきちんと張られ見事に回収。余計な枝葉がなくスッキリとした仕上がりの作品集。
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じんわり怖い11編 バベル島:イギリスのバベル島で起こった惨劇の真相。これが一番面白い。 のぞき梅:梅を食べると死ぬ呪われた一族 回来:街に囚われた男
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最近、あまり活字な気分じゃないなーと思いつつ読んだ若竹さんの作品。やっぱり、若竹さんの作品は好きなのかサクサク読めた。短編集だったこともあるかもしれないけど、やっぱり好きだわー。 イギリスで、バベルの塔に魅入られた男が60年の歳月をかけて塔を完成させた。しかし、その完成の日に...
最近、あまり活字な気分じゃないなーと思いつつ読んだ若竹さんの作品。やっぱり、若竹さんの作品は好きなのかサクサク読めた。短編集だったこともあるかもしれないけど、やっぱり好きだわー。 イギリスで、バベルの塔に魅入られた男が60年の歳月をかけて塔を完成させた。しかし、その完成の日に惨劇が起こるーー『バベル島』 なんだか世にも奇妙な物語に出てきそうな話ばかりだった。少しホラーというのか。うっすら怖いかんじ。 怖い話もいいんだけど、私はやっぱりミステリーや葉村さんシリーズが好きだなー 2017.12.9 読了
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「世にも奇妙な物語」的な話が、満載! ホラー小説と言っていいのだろう。 「バベルの塔」の美術鑑賞で、あの25号サイズの中で1400名が、描かれているとか、、、 不思議な体験をする人も、こんなな中の一人かもしれないなんて考えながら、読みだした。 最初の「のぞき梅」から、昔の因縁に...
「世にも奇妙な物語」的な話が、満載! ホラー小説と言っていいのだろう。 「バベルの塔」の美術鑑賞で、あの25号サイズの中で1400名が、描かれているとか、、、 不思議な体験をする人も、こんなな中の一人かもしれないなんて考えながら、読みだした。 最初の「のぞき梅」から、昔の因縁にまつわる話は、なぜか真実味のあるような感じで怖かった。 少しずつ、人柱や、エレベーターの密室、暗示、、、の伏線が理解しながら、読み進んだ。 ブラックユーモア的な感じでなく、ぞわぁ~とする怖さ、、、 意思疎通の出来ない人間が一番怖いと、思った。
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人間が一番怖い、そんな話。 前作中の言葉が次の作品のタイトルテーマになっている部分もあり、そこに気づくとゾワッとする。人柱、エレベーターであれれである。未発表短編作を集めた作品らしいが、構成の仕方に唸らされた。
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若竹さんの怪談は怖いけど、読後感は悪くない。福澤徹三のいや〜な感じとはまるで違う。文章もデビュー当時からうまいしね。
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怖い。とにかく怖い。つかみどころのない怖さ。 若竹七海さん、ふりはばおおきいなぁ 久々にミステリ読んだ、って気がした
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ホラーってほどはこわくない短編集。 『白い顔』がひやっとしておもしろかったです。やはり超常現象より他人の悪意がこわい。
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