灰色の北壁 の商品レビュー
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ハードカバー版にて読了したものの再読。 表題作ほか全3編の中編を収録したもの。 長編のよく練られたいつものストーリーをつい期待してしまうので 若干期待外れの部分もあるが それでも読み応えは十分。 ストーリーとしての面白さも勿論なのだが 小説の技巧としても非常に興味深い。 それぞれのストーリーの中に、違った趣向が凝らしてあり はっとさせられ、唸らされもする。 『黒部の羆』のえ?という驚きも好きだが 『灰色の北壁』のフォントを使い分けて状況を変えて語ることで 必要十分に状況を読者に伝え、後は読者に委ねるような 描き方がとても好きだった。
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いやぁ、良かったなぁ。久しぶりの山岳小説ということで、新鮮な感動。読むタイミングにもよるんだけれど、久しぶりに堪能したな。三作ともヤマト女性。そんなに女性が濃く出てこないのがいいな。 「黒部の羆」はちょっとしたどんでん返しで、一瞬????ってなるけれど、なかなか面白い。女性色...
いやぁ、良かったなぁ。久しぶりの山岳小説ということで、新鮮な感動。読むタイミングにもよるんだけれど、久しぶりに堪能したな。三作ともヤマト女性。そんなに女性が濃く出てこないのがいいな。 「黒部の羆」はちょっとしたどんでん返しで、一瞬????ってなるけれど、なかなか面白い。女性色はきわめて薄く、私のお好みのお話だ。 表題作「灰色の北壁」は、さすがに正統派新田次郎スタイル。短編だからか、人間ドラマが少し希薄な感じがするが、だらだらと長編にするよりも潔い感じのほうが強い。なるほどとうならせるラストはいいね。 最終話は女性色がばりばり出てくる。なんで52歳のおっさんがもてるんやという嫉妬の方が先に出てくるから面白くないんだが、ストーリー展開は意外の一言。「雪の慰霊碑」というタイトルにだまされるなぁ。 どっちにしても、一気に読破できた良質の短編だった。楽しいな。
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映画にもなった「ホワイトアウト」の作者による短編集。個人的には表題作であり2編目として収録されている『灰色の北壁』よりも、1編目の『黒部の羆』の方が、ミステリーとしての味が強く感じて気に入りました。 登山用語がこれでもかと出てくるので、最初のうちは登山の描写に関してはチンプンカンプンもいいところ。それでも、読んでいくうちに想像される情景の中で、何となく「これはこういうことなんだろうな」とアタリをつけられるようになるので、自分のような登山というジャンルに対してド素人が読んでも、なかなか楽しめます。 巻末の解説で、山岳小説と呼ばれるジャンルの代表的な作者とその作品が羅列されてるので、このジャンルに興味を抱いたら巻末を参考にしながら次の本を選んでも好いかも。
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『空白の五マイル』を読んだ直後だったせいか、ドキュメンタリーとフィクションでは感動が違い過ぎてしまった。小説としての面白さを狙ったのだろうけれど、突然の展開はせっかくの登山中の迫真場面も嘘っぽく感じさせてしまった。ただ表題作の『灰色の北壁』では実際に山に登ったことがないのに山岳小...
『空白の五マイル』を読んだ直後だったせいか、ドキュメンタリーとフィクションでは感動が違い過ぎてしまった。小説としての面白さを狙ったのだろうけれど、突然の展開はせっかくの登山中の迫真場面も嘘っぽく感じさせてしまった。ただ表題作の『灰色の北壁』では実際に山に登ったことがないのに山岳小説を描く小説家の素顔のようなものが見えて面白かった。
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個人的ですが、良いですね~真保さんの作品は。 3部作なので、ちょっと物足りないですが、それぞれがう~んと唸ってしまうような作品です。もちろん良い意味で。
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おもしろかった。ハイキング登山しかしたことがないので雪山はわからないが、こんな感じなのかな・・と思いつつ一気に読んだ。
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3つのお話があり,それぞれ面白く読めました.やっぱり冬山は俺には無理だな...根性ないから...今年は山もの良く読みました...
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新田次郎賞をとったのも、大きく頷ける力作3編。 どれもこれもおもしろい。 山へ行ったことがなくてもこれだけの小説が書けるなんて、 小説家の想像力ってホンとすごいです。
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山岳を舞台とした短編集。 山の描写もそこそこ描かれていて、 ストーリーもミステリー的な要素があったり人情的な要素があったりするので、 短いながらも十分楽しめる内容となっている。 ただし、本格的に山を登っている人には少し物足りない内容かもしれず、 またストーリーにもそれほど奥行き...
山岳を舞台とした短編集。 山の描写もそこそこ描かれていて、 ストーリーもミステリー的な要素があったり人情的な要素があったりするので、 短いながらも十分楽しめる内容となっている。 ただし、本格的に山を登っている人には少し物足りない内容かもしれず、 またストーリーにもそれほど奥行きが無いので、 じっくりと考えながら読むことが好きな人には物足りないかもしれない。
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新田次郎文学賞を受賞した本格的な山岳ミステリー集。 ミッドナイトイーグルやホワイトアウトなど、雪山というと冒険・アクションというイメージがあるが、この灰色の北壁は、ミステリー満載。3作の短編が収録されているが、どれをとってもとてもおもしろく引き込まれるので一気に読める。
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