ルピナス探偵団の憂愁 の商品レビュー
「ルピナス探偵団の当惑」続編といえるかな。前作より軽快さが抜けているような気がします。それでも読みにくいということは全然ないですが。 時系列とは逆に並べられた物語。まさに「逆回し」の雰囲気が、しんみりさを加速させています。そして「慈悲の花園」ラストでのあの言葉。「憂愁」というタイ...
「ルピナス探偵団の当惑」続編といえるかな。前作より軽快さが抜けているような気がします。それでも読みにくいということは全然ないですが。 時系列とは逆に並べられた物語。まさに「逆回し」の雰囲気が、しんみりさを加速させています。そして「慈悲の花園」ラストでのあの言葉。「憂愁」というタイトルにふさわしく、しっとりとしてどこかしら物哀しい作品でした。
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少女小説家の頃から知っているので(エイリアンシリーズ大好きでした。作者が男性だと知った時の衝撃は今も忘れられません)、「いいもん書くようになったじゃないの」と失礼にも上から目線で見てしまいました。ごめんなさい。 とても素晴らしい作品でした。 静謐な文章と軽快な会話とうっすら...
少女小説家の頃から知っているので(エイリアンシリーズ大好きでした。作者が男性だと知った時の衝撃は今も忘れられません)、「いいもん書くようになったじゃないの」と失礼にも上から目線で見てしまいました。ごめんなさい。 とても素晴らしい作品でした。 静謐な文章と軽快な会話とうっすらと積もる哀しみ。 前作があるようなのでぜひ読んでみたいと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
冒頭、衝撃的な〈彼女〉の死から始まり、高校の卒業生まで逆回しにすすむ彼女達の季節。 この逆回しの順番は、〈彼女〉や学園生活の輝きは永遠に戻らないことが強調されるようで、ひどくさびしい。 でも〈彼女〉の清冽な心に触れ、力強く前を向いて生きてゆける、そんな気がしました。 津原さんの作品は、とぼけた笑いに満ち、独特の間合いで人の気持ちに迫るオフビートな映画を観ているようでたまらなく好みなんですが、このお話は、深いところで人の悲しみに触れることができた気がして、悲しかったけれどすごく良かったです。 個人的には、15年前から読んでいるこのシリーズの登場人物と一緒に大人への道を歩んできたような気がして、感慨深いです。 作中でもこんな感傷を「少女趣味だ」と言わせてるけど、でもそれでいい。少女趣味でいいと思います。
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どうしてこういう順番に話がすすむのかなって思っていたんだけれど、最後まで読んで作者の意図がわかった気がしてうれしかった!
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同じミッションスクールに通っていた仲間の一人が病気で亡くなるところから物語は始まる。そして高校卒業式に話はさかのぼりそこから順に時代に経ていく。4つの事件が起こり、それを解決していく彩とキリエと祀島。仲間の一人麻耶を失った悲しみから始まり再びその結びつきへと集約していく構成がすば...
同じミッションスクールに通っていた仲間の一人が病気で亡くなるところから物語は始まる。そして高校卒業式に話はさかのぼりそこから順に時代に経ていく。4つの事件が起こり、それを解決していく彩とキリエと祀島。仲間の一人麻耶を失った悲しみから始まり再びその結びつきへと集約していく構成がすばらしい。何事にも熱いキリエと理論派の祀島、そして刑事らしからぬ刑事を姉に持つ彩の三人の個性がいいバランスだな。事件そのものはどれも「人間の身勝手さ」が根本にありそれを「悲しさ」が覆っている感じ。
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冒頭から衝撃的すぎて一回本を閉じてしまった。 祀島くんが大好きです。なんて個性的なのあのこは。キリエと祀島くんの適当にかみ合わない会話が健在で嬉しいです笑
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好き。構成が超良い。ルピナス探偵団の当惑の続編。前作ではちょっと影の薄かった、摩耶というひとの物語。4人組+2のちょっとした会話にときめきます。
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初めの短編がまずショックだった。彩子が運動靴を履いていってしまったのはなんとなくわかる。 さいごの話が一番好きだな。全部好きだけど
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ミステリとしては…かもしれないけど、青春小説としての出来はピカ一。ビデオテープを巻き戻していくかのように時間を遡って行く構成もお見事。ラストシーン、彼女たちの行く末に何が待っているのか判っているだけに、胸が締め付けられるかのように痛くて切なかった(涙)。 「ルピナス探偵団」って...
ミステリとしては…かもしれないけど、青春小説としての出来はピカ一。ビデオテープを巻き戻していくかのように時間を遡って行く構成もお見事。ラストシーン、彼女たちの行く末に何が待っているのか判っているだけに、胸が締め付けられるかのように痛くて切なかった(涙)。 「ルピナス探偵団」って人生における黄金時代の物語だったのねえ。作者自らがこんな風に、自らの生み出したキャラクタシリーズに幕を下ろすとは、なんと潔いことだろう。前作も読み返したくなった。
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