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ルピナス探偵団の憂愁 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2012/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

前作に衝撃的な感銘を受け、即図書館予約し読了。瑞々しくも切ない少年少女たちの探偵物語、泣けた。 第1話「百合の木陰」彼等が高校を卒業し7年が経過、メンバーの一人京野摩耶が難病で命を落とす。彼女が死の直前に作らせた小路の謎に彼等は挑む。最初からメンバーの死によりルピナス探偵団の崩壊が読者に突きつけられる。ここから時間は遡る。 第2話「犬には歓迎されざる」彩子と祀島クンが通う大学の人気講義の教授をめぐる傷害事件、祀島クンと教授のやりとりがよい。 第3話「初めての密室」彩子が初めて解明した密室殺人事件の終わっていなかったその後を描く。1話で故人となった摩耶の活躍に胸躍る。 第4羽「慈悲の花園」卒業を目前に控えた彼等の母校ルピナス学園で起こった殺人事件、そして解決後卒業とともに彼等の立てた「誓い」が第1話に戻って大きな余韻となって読者を襲う。煌きと絶望の交叉するありきたりの物語(殺人事件は除く)に落涙を禁じえない。 ミステリとしては前作の流れを踏襲しており、「なぜ?」の解明が謎解きの主眼である。しかしながら軽妙洒脱な会話、笑いに加え、家族、友人との絆までもが背景に描き込まれており、3話4話での摩耶の活躍から故人となった彼女の人生を浮き上がらせていく物語という見方もできる。 そして2話以降、謎の解明はされるがその後の解決は語られない。社会に出ている彼等ルピナス探偵団メンバーの成功も挫折も語られない。彩子と祀島クンの恋の行く末も語られない。その語られない物語を想像する時、読者は自ずと己の歩んできた道をも振り返り、また涙するのだ。 この歳になるとこういうのに弱いな…

Posted byブクログ

2015/12/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1作目よりすごく良かった。4つの短編集。主要メンバーの一人をいきなり亡き者にするとは。そして最後の2編ではその摩耶が大活躍なのだ。1作目でとりえがないなどと紹介してたのも伏線ではなかったのかと思ってしまう。時代順じゃない並べ方がほんと絶妙。大学時代、仕事に就いてから。最後に高校の卒業式なんて。何かすごく透明というか、静謐な感じ。青春なんだけど熱さがないというか、清らかな感じというか。最後の祀島君の言葉がほんとに秀逸。女子がみんな泣いたのが分かる。こっちも泣きそうになった。すごくいい終わり方だった。 我ら四人このルピナスの苑にて 互いを思いやり互いに献身し 病めるときも健やかなるときも ほかの最良のしもべたらんことを そしてまた たとえ死が我らを分かつとも 三度の別離と 最後なる睡りののちの 心愉しき再会を すなわち永遠の友情を 固く誓い合う 2015.12.21 再読。ほんとにこの本は大好きだ。最後で泣いたと思ってたのに、『泣きそう』だけだったのか??しかし、それ以外にも泣きポイントがいっぱい。最初の摩耶が死んだ時の話。摩耶の夫がキリエの目がずっと怖かったと言ったとこ、摩耶が父に言われたことを守ろうとしたと気付いたキリエの言葉。そしてそこから卒業式まで遡る話の配置。普通なら時系列におくところ、いきなり摩耶を死なしちゃうから、その前の事件が摩耶のためのものに思える。犬の話には出てこないか。最後は覚悟していたけど、それ以上に号泣。涙で文字が見えないなんて。

Posted byブクログ

2011/12/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

設定的にも、内容的にも嫌いじゃないし面白かったと思うのだけれど、なんだか会話文がぎくしゃくとした感じで、読み心地がうーん…。 あと、時系列でなくてあちこち飛ぶので、振り回される。

Posted byブクログ

2011/11/10

高校時代から、「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた、三人の少女と少年一人。うち一人が二十五の若さで世を去った。そして彼女が死を前に造らせた、奇妙な小路の謎が残された…。第一話「百合の木陰」から時を遡り、卒業式を目前にして殺人が起きたルピナス学園で、彼らが受けた“祝福”...

高校時代から、「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた、三人の少女と少年一人。うち一人が二十五の若さで世を去った。そして彼女が死を前に造らせた、奇妙な小路の謎が残された…。第一話「百合の木陰」から時を遡り、卒業式を目前にして殺人が起きたルピナス学園で、彼らが受けた“祝福”を描く第四話「慈悲の花園」までを辿る。逆回しの時間が紡ぐ、少女たちの「探偵」物語。

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2011/07/08

■高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女三人と少年一人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた四人のうち、一人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた三人に残されたのは、彼女が死を前にして百合の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった――。第一話「百合の木陰」から...

■高校時代「ルピナス探偵団」として様々な事件に遭遇してきた少女三人と少年一人。卒業後、それぞれの道を歩んでいた四人のうち、一人が不治の病で世を去った。久々に顔を合わせた三人に残されたのは、彼女が死を前にして百合の樹の林に造らせた、奇妙な小路の謎だった――。第一話「百合の木陰」から時を遡り、高校卒業式を目前に殺人が起きたルピナス学園で、彼らが授かった"祝福"を描く第四話「慈悲の花園」までを辿る。津原泰水だからこそ書き得た、少年少女たちの「探偵」物語。 ■■待望の続編と喜んだのもつかの間、泣きました。こんな切ない別れも、愛しい仲間もいない。トリックやミステリーの内容なんかよりも、彼ら四人の関係が愛しくて切なくて、胸に詰まりました。たぶん、このシリーズはここで完結したことになるんだろうな。もっと四人の活躍が見たかった。ときどき、物語を読んでいて、登場人物が少しづつ成長していくのをみていると、ちょっと哀しくなってくるときがあって、このまま子どものままずっと楽しい場所で楽しい物語を紡いでくれていればいいのにと、そんなことを感じてしまった一作。

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2011/01/08

しょっぱなの展開からびっくり! 探偵団好きだったのに… 今回もいい味が出ています。 もっと活躍が見たかったな。

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2010/07/21

探偵団というタイトルなので、ミステリーに分類しましたが、実際はミステリーの要素は薄いような。 実は前作があるらしく、これは続編だったのでした。 そのせいかわからないけど、あまりのめり込めず。 やっぱり『バレエ・メカニック』とか『蘆屋家の崩壊』とか先に読んじゃうと、ちょっと違和...

探偵団というタイトルなので、ミステリーに分類しましたが、実際はミステリーの要素は薄いような。 実は前作があるらしく、これは続編だったのでした。 そのせいかわからないけど、あまりのめり込めず。 やっぱり『バレエ・メカニック』とか『蘆屋家の崩壊』とか先に読んじゃうと、ちょっと違和感あるかなあ。

Posted byブクログ

2010/04/21

図書館で借りて読了。 「ルピナス探偵団の当惑」を読んで以来、続編があるのだと知ってずっと読みたかった。 四つの過去へと遡っていく連作短篇。 どの話も終わり方がうまいなぁと思う。はっと胸に刺さる。多分何回も読み直したくなるんだろうな。 ふふっと笑ってしまう軽妙な会話と、個性豊かな...

図書館で借りて読了。 「ルピナス探偵団の当惑」を読んで以来、続編があるのだと知ってずっと読みたかった。 四つの過去へと遡っていく連作短篇。 どの話も終わり方がうまいなぁと思う。はっと胸に刺さる。多分何回も読み直したくなるんだろうな。 ふふっと笑ってしまう軽妙な会話と、個性豊かな登場人物たちの、それぞれのまっすぐさが綺麗。人としてこうありたい、と思う真摯なものがあると思う。 兎に角文章が好み。

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2010/03/17

シリーズ2作目(?)にしてラスト。ストーリーの 時系列に少々戸惑いつつも、この流れは読み終わって みれば結果、凄く良く出来ている構成。 切なく哀しい感情を引き摺ったまま、読み進めるのは 辛いのだけれど、人の死や別れを避けられない事だし、 若かった頃の何とも言えないあの感情のまま生...

シリーズ2作目(?)にしてラスト。ストーリーの 時系列に少々戸惑いつつも、この流れは読み終わって みれば結果、凄く良く出来ている構成。 切なく哀しい感情を引き摺ったまま、読み進めるのは 辛いのだけれど、人の死や別れを避けられない事だし、 若かった頃の何とも言えないあの感情のまま生きては いけない現実...。もう既に自分は知っている訳だし、 この現実めいた生々しさは身に染みる。 それだけに読んでいて引込まれます。 ミステリとしてもトリックが云々というより 動機面やその事件や犯人にかかわっている人間達の 心情面や背景を淡々と描き、それを吾魚彩子らの4人が 実に「らしく」解明していくというスタイルがハマっていて 全体を覆うやりきれない人間臭さを上手く演出している ように思います。「ブラバン」もそうですが、 青春ものと一概に言い切れない作品を書くこの方... かなり好きかもです。

Posted byブクログ

2010/01/25

「ルピナス探偵団の当惑」の続編。 高校卒業から25歳までに起きた4つの事件を時系列を遡る構成で読むことになる。 冒頭の衝撃、この構成への疑問は、ラスト1編によって大きな感動に。 この構成の見事さが浮き彫りにする4人の「永遠」の誓いの尊さ。 なんだかもう本当にしてやられました。 津...

「ルピナス探偵団の当惑」の続編。 高校卒業から25歳までに起きた4つの事件を時系列を遡る構成で読むことになる。 冒頭の衝撃、この構成への疑問は、ラスト1編によって大きな感動に。 この構成の見事さが浮き彫りにする4人の「永遠」の誓いの尊さ。 なんだかもう本当にしてやられました。 津原泰水の文章大好きです。 この作品に関しては、キャラクターがそれぞれ際立っていていい味出してるので、うまくすれば面白い漫画化にもできそうだなー、とか思います。誰が描くとか思いつかないけど。 それにしても祀島くんと彩子の関係のもどかしさは一体…。

Posted byブクログ