眠れない一族 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎 プリオンに関して、その研究とニューギニアの食人族、イタリアの奇病の家系の物語として仕上げています。 イタリアのある家系の遺伝病として、50歳前後に眠れなくなって亡くなるという悲惨な病気が紹介されます。 狂牛病で一世を風靡したプリオンは、羊のスクレイピーやクロイツフェルト・ヤコブ病、フォレ族のクールなどの病気の原因でもあります。核を持たないタンパク質が感染していく。それも焼いた後の灰になっても。。。 とても恐ろしい病気が、共食いによって蔓延していく様子が物語として語られます。 物語としては最初は丁寧に登場人物を描いていますが、中盤以降はそういった記述が段々と事実の羅列になってしまいまい、ちょっと残念です。 また、プリオンと食人との関連が今ひとつわかりづらいです。 読み物としてはまだまだですが、プリオンの恐ろしさに関しては、十分堪能(?)させてもらいました。 唯一救いはプリオンの感染力が弱いことでしょうか。。。 狂牛病もまだ終わったわけではなく、犠牲者が少ないという理由で報道の表に出なくなっただけということを実感しました。また、日本人の遺伝子特性はプリオンに感染しやすいという記述があり、ある意味ホラー小説より恐かったです。 竹蔵
Posted by
「プリオン」という物質をひたすらに追いかけてゆく本。 むかしむかしある所に、イギリスの貴族がいました。 その家系の人間は、ある程度の年齢になるとみんな眠れなくなり、死んでしまいます。 医者はどれだけ手を尽くしても、原因がわかることはありませんでした。 というところから物語はスタ...
「プリオン」という物質をひたすらに追いかけてゆく本。 むかしむかしある所に、イギリスの貴族がいました。 その家系の人間は、ある程度の年齢になるとみんな眠れなくなり、死んでしまいます。 医者はどれだけ手を尽くしても、原因がわかることはありませんでした。 というところから物語はスタートする。 クールー病、羊のスクレイピー、牛の狂牛病、そしてクロイツフェルト・ヤコブ病。 すべての点が線で繋がるさまは、見ていて圧巻。 珠玉のサイエンスミステリー! 科学解説系YouTuberミストちゃんねるの「プリオン編」と合わせて観るとより面白い。
Posted by
人間の営みが生み出したバグにしか思えない。本来の使い方と違うことを常軌を逸した頻度で行うとどうなるか、人類史の中に数多くあるそのバグ現象を数々の症例とともに明らかにしていて面白かった。
Posted by
プリオンの存在を明らかにするため貢献した人々の奮闘記でもあるが、著者の個人的な思いなのか彼らのほとんどが変人偏屈者として描かれている。不思議な読み心地であった。
Posted by
ダニエル・T・マックスは、ニューヨーク生まれ、ハーバード大卒。ワシントン・スクエア・プレス社等の編集者を経て、フリーの作家、ジャーナリストとして、「ニューヨーク・タイムス・マガジン」、「ロサンゼルス・タイムス」、「ウォールストリート・ジャーナル」等に寄稿している。 本書は、21世...
ダニエル・T・マックスは、ニューヨーク生まれ、ハーバード大卒。ワシントン・スクエア・プレス社等の編集者を経て、フリーの作家、ジャーナリストとして、「ニューヨーク・タイムス・マガジン」、「ロサンゼルス・タイムス」、「ウォールストリート・ジャーナル」等に寄稿している。 本書は、21世紀初頭に世界を震撼させた「狂牛病」をはじめとする、いわゆる「プリオン病」について、その病気自体の歴史と、その病気の謎を解明する医科学界の取り組みの歴史を描いたノンフィクションである。原書は2006年、日本語訳は2007年に出版された。 科学の謎を解明するプロセスを描いたノンフィクションというのは、DNAの二重らせん構造を解明したワトソンとクリックらを描いた、福岡伸一のベストセラー『生物と無生物のあいだ』をはじめ、面白い作品が多く、私も好きなジャンルだが、本書も、書評家としても有名な成毛眞氏が絶賛しており、今般読んでみた。 プリオン病というのは、正式には伝達性海綿状脳症といい、異常プリオン・タンパクの増加による中枢神経疾患の総称である。一般的に潜伏期間が非常に長いが、一度、不随意運動、認知症、運動失調、行動変化、人格変化等の症状が現れると急速に進行し、死へ至るという。プリオンによって破壊された脳は、スポンジ状の穴が現れ、かつ収縮するのが特徴である。 本書では、米国の医師ガイジュシェックと米国の生化学者プルジナーという二人のノーベル賞学者をはじめとする登場人物が、もともとは別ものと考えられていた、18世紀にヨーロッパ各地で大発生した羊の病気「スクレイピー」、20世紀前半に発見されたクロイツフェルト・ヤコブ病やゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病、20世紀後半にパプアニューギニアのフォレ族に猛威を振るった「クール―」、1980年代後半にイギリスで発生した狂牛病(牛海綿状脳症)、更に、18世紀以来、あるヴェネツィアの一族を苦しめて来た致死性家族性不眠症(FFI)が、全て、非生物であるプリオン・タンパク質の折り畳まれ方の異常という単一の原因によるものであることを明らかにして行く。 その事実の過程と、それを的確に描写・展開していく著者の筆力で十分に面白いのだが、本書の白眉は、題名ともなっている「眠れない一族」に関する記述であろう。というのは、著者が一族に会う以前には、彼らについて書かれたものはほとんどなく、一族の中でも、この病気について正面から話すことはタブー視されており、そうした中で、本人たちの話や日記や医療記録、書簡、新聞報道、公文書、協力者へのインタビューにより事実を再構築したのだ。尚、FFIを患っている家族は、全世界でも40家族しか知られていないのだという。 プリオン病について、病理的な原因は解明されたものの、それはなぜ引き起こされるのか(クール―をはじめ、カニバリズムと考えられるものが多いが)、また、治療の方法は明らかにはなっていない。 読み物としては十分に面白いが、昨今の科学の目覚ましい進歩があっても、まだまだ分からないことが存在することを知らしめてくれる、少々複雑な読後感の一冊である。 (2024年5月了)
Posted by
正直もっと食人に関して扇情的に書かれているものを期待して読んだが、実際はプリオン病に関する研究書物といったよそおい。患者に関してや研究者に関してのことがかなり細かく記されていて、食人や病気そのものについて知りたかった僕としてはノイズが多く感じた。 食人に関する記述は面白かった。
Posted by
壮大な冒険をした読後感 専門用語が多めだったので混乱するところもあり難しくもあった。イタリアの一族のことを思うと切ない、、 昔、食人をしていたのでプリオン病にかかりやすい「ホモ接合体」が淘汰されて、かかりにくい「ヘテロ接合体」の割合が多くなったらしい。しかしそのせいで患者数が...
壮大な冒険をした読後感 専門用語が多めだったので混乱するところもあり難しくもあった。イタリアの一族のことを思うと切ない、、 昔、食人をしていたのでプリオン病にかかりやすい「ホモ接合体」が淘汰されて、かかりにくい「ヘテロ接合体」の割合が多くなったらしい。しかしそのせいで患者数が少なく治療法の研究に資金がでない。 日本は「ホモ接合体」の人口がおおい。 日本は食人する必要ないぐらい食物に恵まれてたんだろうな
Posted by
健康が1番すぎ 科学者とか研究者ってキャラ立ちしてる人ばっかだからこそいろんなアプローチ方法があっていろんなこと発見できるんだろうなぁすっげーなぁ でも足の引っ張り合いもえげつなくてこえー 女もこわいけど男もこえー 配座感化とか専門的な話掘り下げすぎてるとこはヘトヘトになるけ...
健康が1番すぎ 科学者とか研究者ってキャラ立ちしてる人ばっかだからこそいろんなアプローチ方法があっていろんなこと発見できるんだろうなぁすっげーなぁ でも足の引っ張り合いもえげつなくてこえー 女もこわいけど男もこえー 配座感化とか専門的な話掘り下げすぎてるとこはヘトヘトになるけど基本めっちゃ読みやすくてわかりやすくて勉強になる ただ「食人の痕跡と殺人タンパクの謎」っちゅーのは内容といまいち合ってないような?感じ
Posted by
一見バラバラの話がそれぞれ怖くて、狂牛病のこともこの本を読むまですっかり忘れていたけど、狂牛病がどういう結論で決着したのかさっぱり思い出せないのが何より怖かった。
Posted by
眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎。ダニエル T.マックス先生の著書。謎の不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮。不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮はプリオン病が原因。不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮を引き起こしているプリオン病の原因はかつての食人習慣。現代社会で食人...
眠れない一族―食人の痕跡と殺人タンパクの謎。ダニエル T.マックス先生の著書。謎の不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮。不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮はプリオン病が原因。不眠症、異常発汗や頭部硬直、瞳孔収縮を引き起こしているプリオン病の原因はかつての食人習慣。現代社会で食人習慣が否定されるからといって、過去の社会で食人習慣があったことを否定できないことも事実なのかな。病気の解明をする優れた研究者の方たちがいるからこそ病気で苦しむ人たちが少しでも救われる。日夜努力を続ける研究者の方たちに感謝。
Posted by