カミングアウト・レターズ の商品レビュー
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同性愛について分かったような気でいながら、実は全然分かっていなかったことに気付いた。少しは理解が深まったと思うけど、分かったなんて簡単に言えない。自分に関係ないこととして見て見ぬ振りをするのと、理解するのは違う。 同性愛について書かれた本でありながら、マイノリティや、誰にも言えない悩みを持つ人全員に通じるような内容だった。それを受け止める側の態度も優しさに溢れている。自分ももっと他者への想像力を持ちたいし、優しくあろうと思う。
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なぜカミングアウトするのか? プライベートなことをなぜわざわざオープンにする? しばしば耳にする、カミングアウトについての上記のような否定的な論調に、この本では明確な答えが用意されていた。 この本では、親や先生にカミングアウトした当人とされた側との手紙が、何組か紹介されている。 いずれも好意的に受け入れられているそのやり取りを通して、人と人との関係性がより深くなっていく様が丁寧に描かれる。 そもそも性的指向はプライベートなことではない。 本の一節を引用しよう。 「もしあなたが、自分の本当の出身地とは全然違う別の地域の出身という前提でつねに話しかけられたら、『いいえ、私は○○の出身です』と言いたくなると思いませんか?ゲイやレズビアンは、自分がそうだと言わない限り、あらゆる場面で常にヘテロとして扱われ、そういう前提で話しかけられるんです。それも、出身地以上に頻繁に、重要な意味をもって。ヘテロの人はあまり気づかないようですが、学校や会社、家庭で、性的指向が関係しない話が出てこない日はないと言っていいくらいです。初めて会った人がある程度の年齢だと『結婚していますか』と聞いたりしませんか?少し親しくなった相手に(相手が男性なら)『彼女いるの?』と聞きませんか?家族や親戚に、それなりの年で独身の人がいると『いつ結婚するの?』と言ったりしませんか?」 まさに、ここに書かれているように、性的指向(異性愛も性的指向の一つである)は現代の日本社会において決してプライベートな事柄ではない。 出身地の例えも秀逸だ。 個人的に、出身地に自らのアイデンティティを強く感じているので、それが事あるごとに間違って言われたら耐えられないだろうと思った。 それは、異なる地域を差別的に見ているという訳ではなく(例えば、私は仙台出身なのだが、常に山形出身だよね?と言われたらどうか。すぐ隣の県であり山形には日頃から親しみをもっているが、かといってその誤解は耐えがたいものだろう)、ただ自分のオリジナリティを形作る土台を誤解されたら自身の事も決して正確には理解してもらえないだろうという、切実な危機感をもって、否定するだろう。 また、なぜカミングアウトをするのか?という問いに対しては、その相手を大切に思い、自身の根源を成す指向を共有することで更に絆を深めたいからだ、という明確な答えが用意されていた。 嘘をつきたくない、誤魔化したくないからこそ、そう思う相手だからこそ、カミングアウトするのだと。 私は現在、異性と恋愛結婚し二人の子供がいるが、だからといってヘテロセクシュアルだと自認したことは一度もない(ついでにいうと、バイセクシュアルだとも思っていない)。 物心ついたときから、自身はセクマイだと思っている。 そのことを姉と、近しい友人の何人かに10代の頃明かしたが、それはいずれも、相手を信頼した上で、更に親密な関係を築きたいと念じてのことだったと思い出した。 緊張と、信頼と、わずかな希望をもってカミングアウトしたあの日の事が、この本を読むうちに思い返された。 「わざわざ」言わなくてもいい社会に向けて、あえていい、語るために作られたというこの本を、いつかまた大切な人に、自らの指向を明かす日にそっと渡したいと思う。
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LGBTQの本棚から 第7回「カミングアウト・レターズ」 今回ご紹介するのは 「カミングアウト・レターズ」(太郎次郎社)……。 副題に「子どもと親、生徒と教師の往復書簡」とある通り、手紙での親子や生徒先生間でのカミングアウトを集めた本です。 前書きに 『自分が同性を好きであ...
LGBTQの本棚から 第7回「カミングアウト・レターズ」 今回ご紹介するのは 「カミングアウト・レターズ」(太郎次郎社)……。 副題に「子どもと親、生徒と教師の往復書簡」とある通り、手紙での親子や生徒先生間でのカミングアウトを集めた本です。 前書きに 『自分が同性を好きであることに気づいた子どもたちが抱える孤独感は 「異性愛が当たり前」 な家庭の中で、自分のその思いが家族と分かちあえないものだと感じることから始まります。 「これは話してはいけないこと」 「わかってもらえるわけがない」 と思い、自分のありように、ひとり悩むのです。』 とあります。 家庭というのは、自分を偽ることも飾ることもしなくてよい、落ち着ける場所でなくてはならない……。 けれども、自分の性的指向を自覚した瞬間から、本来寛げ、ほっとできるはずの場所が緊張する場になってしまうのです。 これはセクシャルマイノリティの問題だけではなく、離婚や、アルコール依存症、ネグレクト、などなんらかの形で家庭が落ち着ける場所でなくなってしまった時、子どもたちは安心できる場所を失くし、辛い状況に置かれるのですが、そのなかのひとつにセクシャルマイノリティもあるのです。 なので、カミングアウトは大変重要な問題になります。 家庭だけではなく、当然、友人関係や職場でも……。 Ⅲ章の解説 「カミングアウトを考えているあなたへ、カミングアウトを受けたあなたへ」 ではカミングアウトがなぜ必要なのかを教えてくれます。 「カミングアウトなんてされても困る…」 「別に黙ってればいいじゃん?」 そう思う人もいるかもしれませんが、性的指向は今の社会だとプライベートなものとして扱われていないので、カミングアウトしていないと、日々、さまざまな問題に直面するんです。 例えば病気のことだったら簡単に質問はしないし、深く聞いたりもしない……。 相手がそうだと知っていれば、みなさん、気を使いますよね? でも性的指向の場合は、いきなり 「(異性の)好きな子はいないの?」 「(異性の)彼氏/彼女はいないの?」 「結婚はまだなの?」 とか聞かれてしまう……。 それはとてもプライベートなことだから、気を使わなくてはいけない(もちろん、ちゃんとした人ならそんなこと、聞きませんが)とはあまり思われていない……。 自分がゲイ / レズビアンであることを隠している場合 「好きな子はいないの?」と聞かれたら 「いないよ(いえないな)」 「彼女はいないの?」 と聞かれたら 「いないですね(彼氏はいるけど)」 「結婚はまだなの?」 と聞かれたら 「まだ考えたことないです(したい人がいてもできないよ)」 という感じに嘘をついたり、隠さないといけないのです。 そうして、親しい人との会話の中で嘘をついたりごまかしたりしなくてはいけないと、罪悪感を感じます。孤独感も、怒りも、寂しさも感じます。 この人とは本当の意味では繋がれてはいないのだ……本当の自分をわかってはもらえないのだ、という絶望感に打ちのめされたりします。 人は、秘密を抱えていては親しくなれない……。 僕もそうですが、カミングアウトしていない相手には世間的に問題のないような回答をしなきゃいけないので、いつも緊張していなければなりませんでした。 そういう質問がいつ、どこから飛んでくるかわからないので、自覚したての時などは四六時中身構えていたので、とても疲れました……。 かといって流すのに慣れてしまうのも嫌なんです。 なのでこの本は当事者だけじゃなく、むしろ周りの人やヘテロセクシュアル(異性愛者)の人に読んでもらいたいのです。 Ⅰ・Ⅱ章では当事者がどういう思いでいるのか、その家族や周りの人がどう受け止めてきたのかを実際の往復書簡を通して知ることができます。 Ⅲ章では先ほど触れたように、カミングアウトが必要な理由、カミングアウトをされたときにどうしたらいいかを教えてくれます。 誰だって、いつ、どこで、誰にカミングアウトされるかわからないのですから、 読んで損はないと思うのでぜひ! 実はこの本は、僕がセクシャルマイノリティ関連で初めて買った本でもあります。 表紙がおしゃれで、タイトルからセクシャルマイノリティ関連の本だとわかりにくいので買いやすかったんですよね。 図書館に置いてあった時に手を伸ばしやすいし、借りやすいかなと思います! 僕が小学生の時はPTA図書?なるものがあって、子ども用の本と大人用の本が回ってきていました。 今もあるのか、全国的なものなのかはわかりませんが、もしそういった取り組みがされている学校があるのなら、その図書に 「カミングアウト・レターズ」 を入れてみるのもいいかもしれません。 2017年5月29日
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ゲイ/レズビアンの子とその親、生徒と教師の往復書簡 同性愛について、考えてみませんか? 同性愛者の割合をアメリカで調査したところ、男性1.7%、女性1.1%という結果が出ています。 この数字が多いと思うかは、あなた次第です。 資料:(Statistical Abstrac...
ゲイ/レズビアンの子とその親、生徒と教師の往復書簡 同性愛について、考えてみませんか? 同性愛者の割合をアメリカで調査したところ、男性1.7%、女性1.1%という結果が出ています。 この数字が多いと思うかは、あなた次第です。 資料:(Statistical Abstract of the United States) 【神戸市外国語大学 図書館蔵書検索システム(所蔵詳細)へ】 https://www.lib.city.kobe.jp/opac/opacs/find_detailbook?kobeid=CT%3A7200104688&mode=one_line&pvolid=PV%3A7200023004&type=CtlgBook
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この本を読んで初めに思ったのは「その気になってささっとカミングアウトしたら痛い目みるで」だった。 素敵なことがこの本では起きている。とっても。だけれどしかし、現実でそう行くのは本当に稀で大変な事だと思うのです。 また、差別や偏見に対して異議を唱えていく中で「オタクみたいに」とい...
この本を読んで初めに思ったのは「その気になってささっとカミングアウトしたら痛い目みるで」だった。 素敵なことがこの本では起きている。とっても。だけれどしかし、現実でそう行くのは本当に稀で大変な事だと思うのです。 また、差別や偏見に対して異議を唱えていく中で「オタクみたいに」という表現に強い違和感を覚えもしました。 ただ、セクシャルマイノリティの問題に興味を持った人(又は本人)が一人で悩んでいる時にこの本は巻末のコミュニティ情報を含め、とても良い一冊になるのではないかなと思います。
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涙せずにはいられない一冊でした。 子どもから親へ、子どもから教師へ 様々なカミングアウト。 私達の周りにはマイノリティを抱えている人が多くいることを 知らなければならないと思った。
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同性愛者とその周囲の人との往復文書。まだまだ理解されず窮屈な思いしてる人がいるんだなぁ。周囲の友達にカミングアウトされたら素のまま受け入れられるようにしていたい。
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同性愛をめぐる葛藤と共感。「手紙」にして書くというわざとらしさがあるにもかかわらず、手紙にしなければ伝わらない「想い」が圧倒的に押し寄せる。電車の中で読んでいたが、何度か嗚咽をこらえた。感動したなどの薄っぺらな言葉でなく、心が震えて仕方なかったのだ。これからの私の生き様が問われて...
同性愛をめぐる葛藤と共感。「手紙」にして書くというわざとらしさがあるにもかかわらず、手紙にしなければ伝わらない「想い」が圧倒的に押し寄せる。電車の中で読んでいたが、何度か嗚咽をこらえた。感動したなどの薄っぺらな言葉でなく、心が震えて仕方なかったのだ。これからの私の生き様が問われているのであり、この本はその重要なきっかけをもたらしてくれた。
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図書館で借りて読んだ。 ありのままの自分を認めてほしいと思う。それが当然に出来る社会になってほしいと願う。
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p183「ゲイが人口の数パーセントいるとすると、親はその二倍やん。人口の一割以上がゲイの家族やねんな(後略)」 -------------------------------------------------------------------------------- 同性愛...
p183「ゲイが人口の数パーセントいるとすると、親はその二倍やん。人口の一割以上がゲイの家族やねんな(後略)」 -------------------------------------------------------------------------------- 同性愛者とその周囲の人の手紙のやりとり。 同性愛者であることをカミングアウトする人、された人達の心の葛藤。 手紙だからこその言葉であり、手紙だからそば見えるものもある。 文体も文章も書き方もみんな違うし内容だって違う。けど、みんな普通に読めるのだから、違いなんてないのです。 この本の内容はそういうことと似ていると思いました。 p61「約四十年前に買った『家庭の医学』には、同性愛は頭・脳の病に分類されている(中略)四十年もの歳月が経過したいま、一般の先入観も、知識も理解も、さほど進歩したとは私には思えないのだ。」(letter3) このletter3のお母さんの文章が好きでした。次第に文体がお母さんになっていく感じがなんとも。 p139『そしてぼくはそんなクローゼットのなかで、表通りを、五月のような陽光に祝福を受けて外を歩く人びとを、ひっそりと見つめ、ため息をつき、あるいは妬んで、憎みさえして、そこで生きていたいわけじゃないんだ、ということです』(letter7) 葛藤しなからも彼らが受け入れていった現実。強い文章ばかりでした。 読んだ私は、同性愛者でもなければカミングアウトされた人間でもない、全くの第三者です。 でもそういった第三者・もしくは、自分とは全くの無関係だと思っている方にも、読みやすい本ではないかと思います。
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