熱球 の商品レビュー
現状を変えるようなヒーローや救世主はでてこない。 読者が話の中に入り込んでも同じ結末になるだろう。 そんな重松清の小説は、でもあたたかい。 逃げることは悪くない。立ち向かうことが正しいわけではない。人間の人生は切り取られた一瞬で決まるわけではなく、長く続いていく。悩んでもいいから...
現状を変えるようなヒーローや救世主はでてこない。 読者が話の中に入り込んでも同じ結末になるだろう。 そんな重松清の小説は、でもあたたかい。 逃げることは悪くない。立ち向かうことが正しいわけではない。人間の人生は切り取られた一瞬で決まるわけではなく、長く続いていく。悩んでもいいから、今見える道に向かって進んでいこう。
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38歳主人公が退職し、故郷に帰った後に再出発を果たすまでのお話し。高校野球をやっていて、故郷でコーチに就任する。高校野球部の仲間も年を重ねて彼等と話すうちに過去をみつめ、自分を探していきます。連れて帰った子どもや離れた妻、野球や故郷、父母との関係など色々なテーマが盛り込まれており...
38歳主人公が退職し、故郷に帰った後に再出発を果たすまでのお話し。高校野球をやっていて、故郷でコーチに就任する。高校野球部の仲間も年を重ねて彼等と話すうちに過去をみつめ、自分を探していきます。連れて帰った子どもや離れた妻、野球や故郷、父母との関係など色々なテーマが盛り込まれております。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
サラリーマンが人生をやり直す過程での心情を描いている気はするけど、少年漫画のような急な成長もなくただただ、そこにいそうな人を描くのがさすがと感じた。最後の最後に背中を押したのが父親だったり、ザワ爺のように甲子園球児を勇気づけるわけでもなく。周りに大きな影響を与えられたり、与えるではなく、少しの影響を与えられたり、与えたりしながら人は変わっていくのかなと感じた本。
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青春後のエピローグに焦点を当てた作品。 主人公は38歳。 かなり好きな本。 友人などの人生も、勉強になる。 なんだか分かる。
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10月になりましたね。 一年を通して、気候的にも過ごしやすい季節になって来ましたね。 今月の1冊目はまたまた重松清先生。 青春小説と言えば、もう私の中では重松先生がダントツだ。ずっと重松先生のスポーツ青春物を読んでみたいなぁ、と思っていたところ、見つけた...
10月になりましたね。 一年を通して、気候的にも過ごしやすい季節になって来ましたね。 今月の1冊目はまたまた重松清先生。 青春小説と言えば、もう私の中では重松先生がダントツだ。ずっと重松先生のスポーツ青春物を読んでみたいなぁ、と思っていたところ、見つけた一冊。 主人公は38歳のヨージ。 仕事を辞め、小学生の娘と故郷にしばらく里帰りすることになる。 ヨージはかつての仲間たちと再開し、高校球児として甲子園を目指して野球に励んできた日々を振り返る。 それは決して輝かしい思い出ではなかった…。 彼らは20年前、とある出来事により、あと一歩のところで甲子園への夢が破れてしまったのだ。 同級生たちとの悲運な過去。そして家族、仕事を巡るこれからの未来。 スポーツ青春モノ、とは一言で括れない作品だった。 甲子園へとたどり着けなかった悔しさがひしひしと伝わってきた。実際にこういう高校もあったんだろうなぁ…。 だけどヨージは過去と向き合い、そして未来に向けて決断をする。 弁の立つ娘との会話シーンが結構好き。すぐ言い淀んでしまうヨージ。よくありそうな親子関係を描くのが、重松さんはとても上手いと思う。 状況は違うものの、今年もこのコロナの影響で、甲子園が中止になってしまった。彼らの悔しさは計り知れない。 本当、悔しいよね…。 来年は無事に開催できるのかな。 本当に早く、終息しますように。
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【概略】 順当に甲子園に勝ち進む高校はないのかもしれない。が、まさしく「何かがおりてる」と表現しても過言でないほどの僥倖のつるべ打ち。一日あれば異なる生き物となる、そしてポジションが人を育てる、勝ち進む若者達の内なる闘志に火がついた。ところがあと一つ勝てば甲子園というところ、決...
【概略】 順当に甲子園に勝ち進む高校はないのかもしれない。が、まさしく「何かがおりてる」と表現しても過言でないほどの僥倖のつるべ打ち。一日あれば異なる生き物となる、そしてポジションが人を育てる、勝ち進む若者達の内なる闘志に火がついた。ところがあと一つ勝てば甲子園というところ、決勝戦を辞退。その引き金となった出来事が、20年を経過した今もナイン、そして野球部を応援した街の住民に、暗い影を落としていた。 20年が経過し、その街に、元エースが帰ってくることになった。終えることができなかった青春、20年の後に、ナイン達は清算することができるのだろうか。 2020年09月10日 読了 【書評】 こちらもやはり野球にまつわるスピーチを作る必要があって手に取った作品。ずっと以前から「重松清さん、読んでみて!」とオススメをもらっていたというのもあって、ワクワクしながら読ませてもらった。 まず読了後の素直な感想。「45歳という今、この本を読めてよかったな」というもの。もう数年前だったらもうちょっと脂っこいし、もう数年後だったらもうちょっと枯れちゃってる。このタイミングが、よかった。そして、まだ若い時のギラギラも、(えっ?まだ持ってるの?と呆れられそうだけど)まだ、ある。だから登場人物の殆どに感情移入することができた。こういう出会い方って、本当、嬉しい。 今回、はじめて重松清さんの作品を読ませてもらったのだけど、すごく情緒があふれていて、でもなんというか、押しつけがましくなく、でも「グサリ」とココロに刺さることを的確に登場人物に語らせてる。これって凄いことだと思うし、このグサリを楽しめる自分の年齢も嬉しかったりする。たとえば「『誰かのために』っていうのは『誰かのせいで』と根っこは同じ」や「ひとりぼっちと、一人暮らしは違う」とか「野球部が勝つことを自分の勝ちにしないほうがよい」とか。「どうだ!良いこと書いてるだろう!」感が微塵もない。表現や言葉の使い方、真似をしたい。 もう一つ、全国・海外で英語落語をさせてもらっている立場であるものの、地元で生まれ地元で育つ自分の感覚・・・この小説の舞台と同じ「息苦しさ」を感じてた。その「息苦しさ」に辟易しつつも、その恩恵にあずかってる自分がいて。そんな折り合いをつけてる自分にちょっと嫌悪感だったり。なんとかしないとなぁ。 いっこだけ。娘の美奈子さん、ちょっとできすぎでしょう(笑)作中の中の立ち振る舞いが素晴らしすぎて、小学生とは思えない(笑)嫁さんになって欲しい(笑)そこだけ、ちょっと違和感だった(笑)でも、大人の自分が思ってる以上に、子ども達はちゃんと大人になっているのかも。こればかりはちょっと経験が足りない(笑) 子育て経験をしてからまた読み直したいね。
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初めて読んだ重松作品。野球小説と思って読み始めたが、思っていたよりも深く、様々な感情に触れることができ、非常に面白かった。 あと、美奈子が可愛い。
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れ、自分が買ったんじゃなくて、家の本棚にあった。 家族の誰かが読んだんだと思う。 ま、重松清は中学生ぐらいからお勧めですから誰が読んでも良いんですが。 これは、高校球児だった主人公の物語。 先日、同級生が殺人事件に巻き込まれ(たのかどうかわからんけど)、大変な事になってるんだ...
れ、自分が買ったんじゃなくて、家の本棚にあった。 家族の誰かが読んだんだと思う。 ま、重松清は中学生ぐらいからお勧めですから誰が読んでも良いんですが。 これは、高校球児だった主人公の物語。 先日、同級生が殺人事件に巻き込まれ(たのかどうかわからんけど)、大変な事になってるんだけど、そいつも甲子園球児だった。 野球一筋で青春を送ったとしても将来はどうなるかわからんもんですね。 重松はどっちかってったら、長編よりも短編の方が面白いかも。 しかし、どれをとってもハズレはないですね。
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読書する通勤時にはつらい1冊だった。ちょいちょい泣いちゃい。ベタな話だけど、こういうのはやっぱり、うまいひとが書くのとうまくないひとが書くのとは全然違うんだろうな。書き留めておきたくなる文章にいくつか出会う。もう、ほんっとうまい。まんまとやられた。最後20ページは電車じゃ読めない...
読書する通勤時にはつらい1冊だった。ちょいちょい泣いちゃい。ベタな話だけど、こういうのはやっぱり、うまいひとが書くのとうまくないひとが書くのとは全然違うんだろうな。書き留めておきたくなる文章にいくつか出会う。もう、ほんっとうまい。まんまとやられた。最後20ページは電車じゃ読めないと思って家でかまわず泣きじゃくって読んでしまった。いい時間だった。
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38歳妻子持ちの中年男が、勤め先の変化により退職、故郷の山口に帰郷する。今までの生き方を見つめなおし、未来に進んでゆこうとする中年の気持ちを描いた小説。 ちょうど38歳の自分には、よく言えば大人な考え方、悪く言えば責任感のないずる賢い考え方をする主人公の悶々とした感じ、わかるわ...
38歳妻子持ちの中年男が、勤め先の変化により退職、故郷の山口に帰郷する。今までの生き方を見つめなおし、未来に進んでゆこうとする中年の気持ちを描いた小説。 ちょうど38歳の自分には、よく言えば大人な考え方、悪く言えば責任感のないずる賢い考え方をする主人公の悶々とした感じ、わかるわーとメッチャ感情移入してしまいました。 おれも頑張らにゃなと勇気をくれる小説。
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