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尾崎翠 の商品レビュー

4.1

31件のお客様レビュー

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2012/05/15

女性作家でこんなに好きになるのは自分にとっては珍しい。 淡々としているようで、そこはかとなく文章から瑞々しい エロティシズムを感じる。 それがより、少女性を感じさせる。 男性が読むとまた違う印象を持つのかもしれないが、 女性として共感しうる作品。

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2012/03/17

ドッペルゲンガー?二重性? どこまでが自分で、どこからが相手か分からなくなるような、 境界が曖昧な感覚には覚えがある。 元祖少女小説?といわれる、みっちり語りがたまらない。

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2012/02/21

「こおろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」「歩行」「第七官界彷徨」「山村氏の鼻」「詩人の靴」「新嫉妬価値」「途上にて」「アップルパイの午後」「花束」「初恋」「無風帯から」「杖と帽子の偏執者」「匂い」「捧ぐる言葉」「神々に捧ぐる詩」 が読めます。 多分好きだと思うよ、と勧めて頂いて読...

「こおろぎ嬢」「地下室アントンの一夜」「歩行」「第七官界彷徨」「山村氏の鼻」「詩人の靴」「新嫉妬価値」「途上にて」「アップルパイの午後」「花束」「初恋」「無風帯から」「杖と帽子の偏執者」「匂い」「捧ぐる言葉」「神々に捧ぐる詩」 が読めます。 多分好きだと思うよ、と勧めて頂いて読みました。 とても、とても好きでした。 「幻想文学」「ロマン派」 私は文学に詳しくないけれど、自然とそんな言葉を思い浮かべました。きっと、この人はすごく自由に書いていて、そしてそれがこんなにも深い甘みになるのではないかなと思いました。 わざとらしさのようなものが、いっぺんも感じられないで、私はとても好きだったのです。 この人が鳥取(砂のあるとこと)に住んでいた、ということも何だか変に興奮させられます。 とてもぴったり。 彼女が描く雨の場面は。本当にしっとりとしていて、カビ臭い本の匂いや、濡れて少し気持ちの悪くなった背中や、髪の毛からぽたりと落ちる水滴を首筋に感じるようです。 「第七官界彷徨」「無風帯から」がことのほか好き。 短編というより、それぞれ中編ですが「世界」がでいていて、いつまでもそこにいたいような気にさせられます。

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2011/08/18

「第七官界彷徨」や、「アップルパイの午後」など、尾崎翠の代表作を納めた一冊。 おそらく私は、この作者の魅力を楽しめない、浸れないタイプの読者だと思った。 一言で言ってしまえば、あまりに少女的なのである。読んでいてむずむずしてくる。うら若い乙女ならではの、砂糖菓子のように甘くても...

「第七官界彷徨」や、「アップルパイの午後」など、尾崎翠の代表作を納めた一冊。 おそらく私は、この作者の魅力を楽しめない、浸れないタイプの読者だと思った。 一言で言ってしまえば、あまりに少女的なのである。読んでいてむずむずしてくる。うら若い乙女ならではの、砂糖菓子のように甘くてもろい夢と高慢が、とても正視できない。恥ずかしいのだ。 現実世界がちょっと力を入れさえすれば、とたんにぐしゃりと音を立ててぺしゃんこになってしまいそうなこれら虚構の世界を愛しているだなんて、私にはとても人に言えないし、言わない。むしろ私は、そんなものを後生大事に抱えている自分に「わーっ」と声を上げて目を塞ぎたくなる人間なのだ。 自分がそんなに脆くて壊れやすいものを大切に大切にしていることに、耐えられなくなってしまうのである。そんな繊細なものがいつ壊れるかとびくびくするよりは、もっと強靭なものを探して茨の道をかき分けるほうがマシだ、と言いたくなってしまう人間なのである。 だから、尾崎翠の透明な自負心に、私は辟易すると同時におどおどしてしまった。 彼女の心はあまりに少女である。かたくなで、澄んでいて、しかも夢に縁取られている。朝露がいっぱいついた、みずみずしい若葉みたい。ちょっと触れれば、たちまちその身を震わせて、ぽたぽたと水滴を落としそう。 そんな女の子に勝てる人間なんて、いるわけないではないか。ああ、いやだいやだ。傷つきやすい女の子なんて、潔癖な女の子なんて、私は嫌いだよ・・・。 というわけで、非常に複雑な気持ちになった本であった。「アップルパイの午後」なんて、読んでいて「うわぁ、無理だ」と思った。 しかし、それでもやっぱり、どこかでそのような透明で壊れやすい気持ちを無碍に出来ないのは、私のそういう女の子に対する嫉妬があるからなのかなぁ。

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2010/07/13

津原泰水が好きじゃなかったら私は尾崎翠にも出会えなかった。 一期一会だなあ。 「第七官界彷徨」素晴らしい!!!

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2010/07/04

2009年夏、女子二人で山陰旅行。 帰りのANAの飛行機の雑誌で、目に飛び込んできた。 「鳥取生まれの作家 尾崎翠」 「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。そしてそのあいだに私はひとつの恋をしたようである。」 気になって、...

2009年夏、女子二人で山陰旅行。 帰りのANAの飛行機の雑誌で、目に飛び込んできた。 「鳥取生まれの作家 尾崎翠」 「よほど遠い過去のこと、秋から冬にかけての短い期間を、私は、変な家庭の一員としてすごした。そしてそのあいだに私はひとつの恋をしたようである。」 気になって、帰ってから本屋で探してしまった。 この『第七官界彷徨』は、ほかの作品ともつながっている。 べつに、美人が蝶や花と戯れる話ではない。 それでもこれらの作品群は、もっとも恋というものを美しく表現しているから素敵だ。

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2010/03/27

「こおろぎ嬢」と「第七世界彷徨」が好き。後者は登場人物たちの恋の様子が素晴らしい。個人的には「新嫉妬価値」に納得。

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2010/03/11

川上未映子氏が好きだというので、読んでみた。 『アップルパイの午後』だとか、もう確信犯だ。 いつの時代を生きていても、女子が持つ、この感覚がずっとずっと閉じ込めて来たんだ、と。 筆者は、それをずっと追い求めて追い駆けてきたけれど、きっとそれを実現できなかった人。 それでこそ、この...

川上未映子氏が好きだというので、読んでみた。 『アップルパイの午後』だとか、もう確信犯だ。 いつの時代を生きていても、女子が持つ、この感覚がずっとずっと閉じ込めて来たんだ、と。 筆者は、それをずっと追い求めて追い駆けてきたけれど、きっとそれを実現できなかった人。 それでこそ、この文体が持つ、この世界は行き続けるんじゃないのかと。 特徴的な文体なのかもしれないけれど、これははまると、逃れられない、永遠に魅せられた。 道玄坂の某名曲喫茶にて、どきりとさせられた、「初夏の夜、山村氏は四五人の友人と道玄坂にある珈琲店に行った。」(山村氏の鼻)

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2009/12/08

勧められて。 「第七官界彷徨」 なんだろう、昭和の少女マンガ?みたいな。 とぼけたおかしさと、ふんわり淡い乙女心。 不思議でした。 登場人物の真面目に深く考えていることが、ちょっとずれてるところとか。頭のなかを映像がふわふわと浮かんできました、佐々木倫子さんの画で。

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2009/11/13

▼実は読み終わってましたよということで。第七官界彷徨、やわらかい癖にすごくコワク的でステキすぎる。エキセントリックが嫌味じゃないのって、この人くらいだと思うな。 ▼『水の彼方』を読んだあと、急に思い出して読み返した。どこか、印象が似ているんだ。水のにおいっていうか……んー。

Posted byブクログ